投稿日:2024年1月24日 | 最終更新日:2024年10月22日
リブランディングは、適切なタイミングで効果的に行うことが重要です。ここでは、「リブランディング」について、その意味や効果、成功事例などを交えてご紹介します。
ブランディングとは?詳しい記事はこちら↓
リブランディングとは
リブランディングとは、ブランドそのものをゼロベースで考え直すことです。パッケージデザインやロゴの「リニューアル」など上辺だけの刷新ではなく、時代や顧客・社会に起こっている状況の変化に合わせて、ブランドの存在意義や存在価値を問い直すプロセスを指します。
あなたの企業にも、リブランディングが必要な時期が訪れているのかもしれません。
リブランディングのメリット
リブランディングと聞くとちょっと難しいものと思われる方も多々いらっしゃると思いますので、身近なブランディングでそのメリットを考えてみたいと思います。
ここ最近で大きく成功を収めた「リブランディング」と言えば「エヴァンゲリオン」もその一つと言えるのではないでしょうか。テレビアニメや劇場映画など90年代に大きなムーブメントを起こしたアニメ作品であり、その時点でコアなオタク層だけではなく広い層に受け入れられた作品ではあったと思います。そんな作品を「リビルド」という形で再構築しました。途中まではテレビアニメと同じストーリーをなぞって展開。しかし、途中からはストーリーやキャラクターまでも違う展開を見せて、90年代にはまだ生まれていなかった若い層のファンも獲得。過去のテレビ・映画・コミックスなども含めて一つの物語へと帰結させていき、最終作の興行収入や関連グッズなども含めて非常に大きな売上を生み出しました。
このリブランディングの事例は、単なる焼き直しではなく、新たなスタッフも加えてブランドを再定義し、時代に合わせた展開を行うことで、リブランディングによって生まれる新たな売上が得られることを示しています。
リブランディングが必要なタイミングとは?
商品・サービスを取り巻く市場や社会状況の変化や、プロモーションに対する顧客の反応などを見ながらリブランディングのタイミングを見極める必要があります。
どのような場合にリブランディングをするのが良いのかここでは考えていきたいと思います。
リブランディングが必要な企業の特徴
一世を風靡するようなヒット商品やサービスに恵まれた企業だとしても、いずれ賞味期限が訪れます。満塁ホームランのような定番商品がある企業の場合その恩恵に長期間あやかることができるので、「リブランディング」のタイミングを見極めるのが難しいと感じる場合もあるのです。
・商品自体のクオリティが著しく低下した
・商品の存在を脅かす強力なライバルが生まれた
・商品やサービスの存在が根本的に必要無くなる技術革新が起きた
このような現象が起こっていないにも関わらず、売上が伸びなかったり、ジリジリと低下しているような場合には、リブランディングというのも視野に入れてみることが大切です。
既存顧客からの反応が薄くなってきたケース
既存顧客へのプロモーション効果が薄れてきた場合は、顧客ニーズの飽和が考えられます。リブランディングによって、新たな顧客層を開拓し、既存顧客との関係性を深めることができます。
主要な顧客層からの反応が弱まってきた場合
現代では、リスティングやディスプレイ広告を活用して新規顧客の獲得を図る企業がほとんどです。もし、ターゲットと想定している顧客層に向けた広告投資に対して効果が見合わない状態が続く場合、そのターゲット層に大きな変化が生じている可能性があります。
このようなシグナルを感じた時には、リブランディングも選択肢の一つと考えましょう。
効果的なリブランディングの方法
リブランディングの過去事例を見ていくと、成功するリブランディングと失敗するリブランディングそれぞれに特徴が存在します。より効果的なリブランディングとはどのようなものでしょうか?
問題点の見直し
自社サービスや商品が抱えている問題点について、客観的な目線で俯瞰してまず棚卸しを行いましょう。ここで大切になってくるのは「多くの視点と意見」です。経営やマネージャーなどといった上層部だけでこれをやってもあまり意味がありません。実際に店舗で顧客の声をダイレクトに聞く機会がある店舗スタッフや、商品・サービス開発に携わるスタッフなど幅広い人材でこれをおこなうことこそが、リブランディングにおいてとても重要なこととなります。
また、問題点は自社のサービスや商品だけにあるというわけではありません。効果が薄れてきたプロモーションなどがあると感じた場合にはここでも見直ししてみても良いでしょう。
顧客目線での視点
過去に起こったリブランディングの失敗事例を見てみると「顧客目線」が足りなかったり、大きく無視してしまった結果、上手くいかなかったというものが一つの特徴として挙げられます。自分たちで必死になって問題点を探すあまり、顧客目線がどこかの時点から徐々に薄れてしまった結果、「自己否定」になり過ぎてしまうと、元々の商品のファンだった人はリブランディングに付いて行きづらい状況が生まれてしまうということもあります。
どんなに短くても3年や5年先までも見据えた長期的戦略であることが必要で、多くの企業がコロナ禍で広告の反応などが薄れていると感じている状況でもありますので、今こそブランディング・プロモーションなどすべてにおいて大きく見直しをするチャンスと考えることもできるでしょう。
明確なターゲット設定
広く、浅く愛されようとして、それを狙ってしまうとサービスや商品は、嫌われないためにはどのようにすればいいか?ということに重きを置いてしまうが故に、つまらないものになったり、凡庸なものになってしまうことがあります。
むしろ「深く、狭い」ターゲットに向けて作った商品やサービスが徐々にファンを拡大していって世の中に広く受け入れられ、スタンダードになった時こそが本当の意味で広く愛されたという状態になります。
「30代の男性に向けたボディーソープ」とぼんやりと言われるのと「加齢臭が気になり始めた40歳のあなたのためのボディソープ」と言われる場合、どちらが深く刺さるでしょうか?恐らく後者の方が具体的に受け手がイメージできる分、より伝わりやすく強烈な印象とメッセージ性を持って相手に届くものであろうと思われます。
ろくに手入れもしていない錆び付いた切れ味の悪い刀で斬りかかるより、急所を確実に細く、鋭く貫く矢の方が確実に獲物を射止めることができるはずです。
ブランディング、リブランディングの事例
ブランディング、リブランディングがどのように成功するかを具体的にイメージできるよう、いくつかの事例をご紹介します。
シンプルかつ、丁寧な暮らしに欠かせない商品たち
派手な色味を使わずシンプルなデザインの家具や日用雑貨、洋服などを提供。食品などについても統一感のあるシンプルなパッケージで販売しているのが「無印良品」。
商品を見ただけで「無印っぽい」と思わせるシンプルなデザイン。家具であれば白・グレー・生成りの生地や、ウッド素材などでできているものを、商品パッケージは華美なものではなく、臙脂色と呼ばれる無印良品のシンボルカラーをパッとイメージするのではないかと思います。
ターゲットを絞り込みすぎず、誰にでも手に取りやすいものとすることで「最大公約数的存在であること」が、無印が無印たる所以。例え他社が作って販売している商品だったとしても、シンプルなデザインのものに対して「無印っぽい」というイメージを想起させている時点でもうブランディングに大勝利しています。
コカ・コーラの強いブランド力
ドリンクの持つ炭酸のさわやかさをそのまま表現しているような赤い背景に白い文字のロゴ。「スペンサリアンフォント」という非常に特徴的なフォントを使用していることで誰が見ても「コカ・コーラ」と認識しやすいロゴデザインとなっています。
それまではさまざま衣装を着た姿を描かれていたサンタクロースが、クリスマス時期の広告に起用したサンタクロースの衣装を赤と白にしたことで世界中にサンタクロース=赤・白の衣装というイメージを定着させた一因とも言われるくらい、強烈なブランディングに成功しています。
またコカ・コーラの特徴的でくびれのあるガラス瓶は世界各地や日本においても「立体商標」を取得しているので、瓶を見ただけでコカ・コーラだと認識させることができる非常に強いブランディングに成功した事例と言えるでしょう。
ケンタッキーは経営者ブランディングの最上級
創業者がそのまま企業アイコンになって、世界的に認知されている企業は非常に珍しいかとは思いますが、メガネに白ひげのおじいさんの姿を見れば誰もがあのオリジナルチキンを思い出すはず。ケンタッキーフライドチキンの店頭でおなじみのカーネル・サンダース像は、基本的に日本の店舗にしか存在しないとのことですが、日本人にとっては強烈なブランディングの成功例と言えるでしょう。
シンプルなデザインと機能性が生む唯一無二ブランディング
PCに始まりどれも独創的なデザインを世に送りだしてきたApple社。iPodにはじまったポータブルデバイスにおいてはどれもシンプルなデザインで統一され、直感的な操作性によって世界規模で多数のファンを獲得していきました。スマートフォン市場を創出し、iPhoneシリーズにはじまり、タブレット端末の「iPad」シリーズ、ワイヤレスイヤホン「AirPods」など非常に多くのユーザーから支持をされています。シンプルなデザイン商品の背面に、あのリンゴのロゴがあれば一発でApple製品だと認識できる世界でも有数のブランディングに成功している企業です。
ロゴや特徴的デザインで差別化を図るスポーツメーカーのブランディング
NIKEのスウッシュマークやエアジョーダンブランドのマイケルジョーダンが跳んでいるマーク、アディダスならジャージやシューズにデザインされている「3本ライン」、PUMAならピューマが飛び跳ねている姿を模したロゴといったよう一目でこのメーカーのものだということがわかるようになっている点からもスポーツメーカーのブランディングは徹底されています。
またNIKEの「エアマックス」「エアジョーダン」、アディダスの「スタン・スミス」、コンバースの「チャック・テイラー(オールスター)」など靴のデザインがすでにそのブランドを象徴するデザインとして認知され、ブランディングとなっているものも存在します。
ホワイトペーパーで顧客にわかりやすく伝える
多くの企業がダイレクトメールやチラシ・パンフレット・リーフレットといった自社の紙メディアや、メールマガジン・SNSによる情報発信・リスティング・ディスプレイなどのWEBメディアでのプロモーション展開を実施しています。
しかし、それらのプロモーションで効果がなかなか上がらなくなった時の選択肢というものを用意している企業はあまり多くないというのが実情です。
そんな中で候補の一つとして考えたいのが「ホワイトペーパー」です。ホワイトペーパーの大きな特徴として、自社の優位性強みを端的に顧客に伝えることができるという点があります。ホワイトペーパーを通して企業のブランドアイデンティティを巧みに伝え、顧客の信頼度を確立できるのです。
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書籍も発行しているのならば、WEBサイトとホワイトペーパーの導線設計も組めば、より深い内容を伝えることができ、見込み顧客を獲得することができます。
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リブランディングまとめ
リブランディングのタイミングと、WEBコンテンツ、ホワイトペーパーを組み合わせれば、プロモーション展開で広く認知をしてもらうことができます。
さらに書籍も組み合わせることでより狭く・深く刺さる内容をターゲットに伝えることも可能となります。企業のブランド価値を再設計する上で、リブランディングについて再考してみるのはいかがでしょうか?でしょうか。
カッティングエッジ株式会社 代表取締役 竹田 四郎
WEBコンサルタント、SEOコンサルタント。WEBサイトの自然検索の最大化を得意とする。実績社数は3,000社を超える。
営業会社で苦労した経験より反響営業のモデルを得意とし、その理論を基に顧客を成功に導く。WEBサイトやキーワードの調査、分析、設計、ディレクションを得意とする。上級ウェブ解析士、提案型ウェブアナリスト、GAIQの資格を保有する。著書:コンテンツマーケティングは設計が9割