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ブランドアイデンティティとは?意味や効果、事例をわかりやすく解説!

投稿日:2024年1月24日 | 最終更新日:2024年1月31日

ブランドアイデンティティとは

「ブランドアイデンティティ」を知る上で、「アイデンティティ」という言葉についてまず知っておく必要があるでしょう。アイデンティティ(自己同一性)という言葉については、「自己」と「他者」をいかにして区別するのかを考える、主に人々が青年期にその探求を経験する「自分とは何者なのか?」そして「自分らしさとは何なのか?」といったことがそれに当たります。

ブランドアイデンティティもそれに似ていて、ユーザーに対して「ブランドをどのように認識して欲しいのか?」「競合他社や他のブランドとどのように差別化を図るのか」ということを、わかりやすく的確な言葉で言語化することにあります。

ブランディングとは?詳しい記事はこちら↓

ブランディングとは?正しい意味や事例をわかりやすく解説

構成要素

ブランドアイデンティティを構成する要素は、大きく分けて4つ「フィロソフィー」「ベネフィット」「属性」「パーソナリティ」というものが必要となります。ここからは、それぞれの要素について解説していきます。

フィロソフィー

「フィロソフィー」とは、ブランドアイデンティティの根幹を構成するものであり、「ミッション」「ビジョン」「価値観」からなるものです。

「ミッション」はそのブランドが果たすべき使命を表すもの。「ビジョン」はミッションを実現するために目指すべき「方向性」や、中長期的将来にあるべき姿。「価値観」はブランド全体における行動指針です。この方針に従ってブランディング活動はもちろん、社員の行動や店員による接客などがなされることにより、「ミッション」「ビジョン」に近づくために必要なものとなっています。

ベネフィット

ベネフィットは「利益」や「恩恵」といった意味を持つ単語ですが、マーケティングやブランディングにおいては「商品を通して顧客が得られる・体験できる良い効果」といった意味で使われます。

ベネフィットにも4つの分類が存在し、商品そのものが持つ機能・性能がこれにあたる「機能的ベネフィット」、購入する際や実際に商品を使う際にユーザーが感じ取る「情緒的ベネフィット」、ブランドユーザーが商品を使う際にどのような自分でありたいと感じるかを指している「自己表現ベネフィット」、商品を使うことで他者との関係性や、より理想的な存在として認知されるための「社会的ベネフィット」というものがあります。

ベネフィットを深く理解し、この4つがしっかりと満たされている企業やブランドは、価格競争などにより巻き込まれにくくなるという利点もあります。

属性

例えば「このブランドは地球環境に配慮している」というブランドベネフィットがあるとすると、それに対してより客観的に示す根拠の部分が「属性」です。

製造しているTシャツの生地には環境配慮された農園で生産しているオーガニックコットンか、ペットボトル再生生地を80%以上使っているといった「属性」が示されれば、購買行動や商品選択における安心感や納得感を与えることにつながり、「後押し」になる要素となります。

パーソナリティ

ブランドパーソナリティとは、ブランドが他社との差別化を図る上で重要な要素です。人間の特徴と同じように、ブランドにもより人間的な特徴を持たせていくことでブランドをより身近なものとして捉えてもらうことができるのです。

顧客からこのような人間としてイメージしてもらいたいという視点はもちろん、そのパーソナリティにユーザーが自身を重ねたり、投影したり、共感したりしやすいものか?という点も考慮したパーソナリティづくりの視点も必要です。

パーソナリティの決定においては「誠実」「刺激」「能力、適性」「洗練」「頑丈」など5つの分類からどれに当てはまるのかを考える「ディメンションフレームワーク」と、顧客像からアプローチをおこなう「アーキタイプフレームワーク」を併用しておこなうことが有効です。

ブランドアイデンティティが重要な理由

ブランドアイデンティティについてここまで触れてきましたが、4つの構成要素の中にもさらに細分化されたものが存在することからもわかるように、非常に緻密に計算をし、戦略を練って実行することが必要であるという点がわかるかと思います。

「ブランドアイデンティティ」という大きな柱を立てておくことで、途中から方針の転換などをしたい場合にも立ち返ることができるベースを持っておくことができるようになります。しっかりと軸となるものがあれば、基本を守りながらトライアンドエラーを繰り返すことで、よりユーザーに共感を生むブランディングやプロモーション戦略の模索などを可能にするのです。それだけの重要性を前提に「ブランドアイデンティティ」を考案するようにしていくことが大切です。

ブランドアイデンティティの効果

ブランドアイデンティティの設定をすることは「ブランド」「社員」「顧客」それぞれに対して大きな効果があります。それぞれにとって、どのような効果があるのか?について見ていきましょう。

中長期的なブランド戦略の展開

思い付きをベースに、小手先だけで作ったブランドアイデンティティでは決して息の長いものにはなりません。3年先や5年先の中長期的な展開を考えながら、具体的にブランドがどのような成長を遂げ、どのような存在として世の中に広く認識してもらいたいか?という点をしっかりと思い描くことがまず重要です。

コロナ禍の状況も手伝って、広告に対するユーザーの反応も鈍くなりがちな状況の中だからこそ、このタイミングでよりブランド戦略に時間をかけきちんと練ることも検討してみてはいかがでしょうか。

社員のモチベーションの向上・職場環境の改善

ブランドアイデンティティは対外的なものというイメージが強いものですが、社内にも効果をもたらします。ブランドアイデンティティを通して自社が提供しているサービスや、販売している商品などについてより正確に社員が理解できるようになるというポイントも大きな効果と言えるでしょう。

また、世間に浸透したブランドイメージを構築することができれば「自分もこのブランドを作る一員である」というポジティブな自覚が生まれることによって、会社全体が一つの明確な方向性に進むことができるようになります。

自社の商品やサービスの魅力を顧客に表現できる

自社のサービスや商品、ブランドとしての魅力というものがより伝わりやすくするためには、平易でよりユーザーの印象に残りやすい言葉を敢えて選んでブランドアイデンティティとする逆算も必要になる部分ではあります。

ブランドアイデンティティが決定すれば、ブランド名、キャッチコピー、写真、ロゴデザインといった視覚に訴えかけるための仕掛けと、それに基づいたブランディングを加速させることが可能になります。

ブランドアイデンティティまとめ

ここまで見てくれば、ブランドアイデンティティはより息の長く、顧客から愛されるブランドを作り上げる上では必要不可欠なものとおわかりいただけたと思います。ブランドとしての軸を丁寧に作り上げることが他社との明確な差別化という重要な役割を果たすことができるのです。

ブランドアイデンティティをより広く、今までは接点のあまり無かったユーザーにも広められるという点から考えれば「コンテンツマーケティング」といった方法も有効です。

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