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インナーブランディングとは?意味や手法・導入手順について解説!

投稿日:2024年1月23日 | 最終更新日:2024年1月31日

インナーブランディング(Inner Branding)とは、別名インターナルブランディング(Internal Branding)とも呼ばれるもので、主に企業の内部に対して行われるブランディングのことを指します。対象となるターゲットは経営層、マネジメント層などを含む社員全体となります。

その企業が持つブランドの価値や、理念などに関する正しい理解を広め、社員一人一人に共感してもらうことによって、企業全体に広げていくことがインナーブランディングの大きな目的となります。

ブランディングとは?詳しい記事はこちら↓

ブランディングとは?正しい意味や事例をわかりやすく解説

インナーブランディングの重要性

インナーブランディングの持つ大きな目的の一つに、「社内における価値観の共有」というものがあります。インナーブランディングを実施することによって、自社のサービスや商品がどのように顧客や社会にとって役に立つものなのか、その価値観が社内に広く浸透することができれば、社員ひとりひとりがその良さを多くの人に伝えることができるのです。

こういった社員のことを「エバンジェリスト(エヴァンゲリスト)=伝道師」とも呼びますが、まずは社内にエバンジェリストを作り出すことが、ブランディングにおいても大切になるということを意識しましょう。

アウターブランディングとの違い

「インナーブランディング」と並べて語られる言葉に「アウターブランディング」というものがあります。こちらは、株主や取引先といった外部に対するブランディングであり、企業だけではなく顧客や採用活動においては応募者・候補者などを対象としているためターゲットそのものが大きく違うという点が挙げられます。

アウターブランディングとは?詳しい記事はこちら↓

アウターブランディングとは?意味やインナーブランディングとの違いについて解説!

インナーブランディングのメリット

インナーブランディングの成功は、社内への限定的な効果と思いがちですが、アウターブランディングにもメリットを生み出す点があります。

そんなインナーブランディングが生み出す効果をさまざまな角度から見ていきましょう。

従業員満足度の向上・モチベーションの向上

商品やサービスを扱う企業においては「社員が最も身近なファンであること」が大切。従業員が商品やサービスに対して特段の興味も愛着もない企業と、商品に対する愛情・愛着に溢れている企業とでは、明らかに後者の方がすべてにおいて物事が上手く運ぶということは容易に想像いただけると思います。

「愛社精神」という言葉でくくってしまうと一見古い言葉にも思えますが、商品・サービスに対する愛着は、どのような企業にとっても必要となるのです。

愛着のあるものだからこそ、社員は熱意を持って商品やサービスを語ることができます。そしてその「熱意」が無ければ社外の人の心を打つことはなかなか難しいもの。愛着のある商品、そして愛着のある企業だからこそ従業員のモチベーションは向上し、ブランド全体・会社としての魅力の向上、そしてそこで働くことに誇りを感じる従業員はより高い満足度を感じることへとつながっていきます。

顧客満足度の向上

インナーブランディングによって、社員が「会社全体をより発展させるために」という意識を持つことが出来れば、サービスを提供する接客業であれば顧客に対する接し方、商品を生産する企業であればクオリティや機能性、デザイン性を高めようといった意識が自然と働くようになります。

「少しでも給与水準を上げたい」や、「上司から怒られるから」といったマイナスなきっかけではなく、自ら積極的にクオリティを上げていこうとする行動が起これば、それは直接顧客サイドの満足度の向上にもつながるようになるのです。

ターゲットが違うことから、直接的なつながりはあまり無いと思われがちですが、インナーブランディングにおける成功が、そのままアウターブランディングの成功と対になっている点はきちんと理解しておくことも重要です。

従業員定着率の向上

従業員満足度やモチベーションの向上とも大きく関連しますが、愛着のある会社であればより長く勤めたいと考えるのが従業員の心情というものです。インナーブランディングに成功すれば、従業員の定着率というのは自ずと向上します。長期間勤務する人材が多くなれば、業務に関する技術の熟練や、ノウハウの蓄積を進めることが可能に。新たに加わる人材に対する教育という面でも充実した内容を提供できるため、会社全体の生産性の向上というメリットも生まれます。

採用活動に有利となる

社員が勤めていて満足度の高い企業であれば、知り合いの優秀な人材が就職・転職を考えている場合には自分の会社を紹介したいといった流れも生まれてきます。自然と良い人材が集まる可能性が向上するという点でも、採用活動に有利につながります。

また、近年では転職・就職する際に企業で働く人材の声というのは容易に検索が可能となっています。現役社員や、すでに退職した社員の声などが多数掲載されているサイトは、会員登録さえすれば詳細な口コミ情報まで読めてしまうため、会社の内情をある程度応募者・求職者は把握することが出来るのです。

インナーブランディングが出来ていて、社員の満足度が向上していればこのようなサイトで悪評を広げられるといったリスクも低下し、採用活動においてプラスにも働きます。

インナーブランディングの代表的な社内施策例

インナーブランディングには、社内向けメディアの作成やイベントの実施などさまざまな手法が存在します。ここでは、施策例からどのような効果があるかを紹介します。

社内報・ポスター

インナーブランディングの一つの手法としてあるのが「社内報」です。特に社員の人数が多い場合には、誰がどの部署でどのような仕事をしているのか?といったことを全員が把握できない規模だったり、直接関係していない業務に関しての知識が薄いといった傾向もみられます。そのような場合には、定期的に社内報を発行して企業やブランドとしての動向、今後についてなどを社員向けに広く啓蒙するということも有効です。

また、ポスターは社外向けのものではなくあくまでも社内向けのものであるため外部などに依頼せず簡単に作成が可能となります。社内に掲出することで多くの社員の目に触れますので、会社全体の士気向上にもつながります。

従業員向けWebサイト

社内報やポスターといったアナログな形での施策ではなく、会社の情報が一か所に集約された社員/従業員向けポータルサイトといったものもインナーブランディングの一つの有効な手段と言えます。

全社的な情報の共有がしやすくなるだけではなく、紙ベースとのインナーブランディングメディアと比較しても情報のアップデートが容易ですので、一度システムを構築してしまえば、ランニングコストも低く抑えることができるでしょう。

社内イベント・表彰

新型コロナウィルスの感染拡大などもあり社内イベントを実施する企業はそこまで多くない状況ではありますが、社員総会をはじめ、社員旅行などを通じて社員同士の親交を深めていくきっかけづくりも大切です。自社の状況を深く理解してもらうとともに、社内表彰などもおこなうことによって、より社員のモチベーション向上にもつながることになります。

社内研修・セミナーの充実

社員に対し、より会社全体の業務やサービスについて理解を深めるという意味で、社内研修やセミナーを充実させるというのは非常に需要なことです。

またこういった場面で役に立つのが、企業出版でもあります。都度資料を作成するといったことをしなくても、経営者の考え方や企業としてのあるべき姿がまとまっている書籍があれば、それを事前に配布しセミナーの教科書として読んでもらうことによって会社としての根幹部分に関して大きく説明を省略することも可能です。

先に書籍を読んでもらうことで、社員の理解を深めやすいだけではなく、より研修やセミナーを充実したものにすることができるのです。

インナーブランディングのまとめ

ここまでご覧いただいたように、組織強化や採用活動における合理化というものがインナーブランディングによって実現することができるのです。多くの企業にとってまずは社内にむけたブランディングに取り組むということがとても重要であることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

良質なWEBコンテンツを発信することが社外のマーケティングのみならず、社内のインナーブランディングにも寄与することにもなるのです。

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