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ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)とは?意味や手法・メリットをわかりやすく解説!

投稿日:2024年1月9日 | 最終更新日:2024年1月22日

マーケティングを担当されている方であれば、ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)という言葉は一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。中小以上の規模で商品の単価がそれなりに大きい企業に向いているマーケティング手法であるABMについて、その意味や取り組むことによって生まれるメリットを考えてみたいと思います。

ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)とは

Account Based Marketing(アカウント・ベースド・マーケティング)の頭文字を取ったABMは、BtoBのマーケティング手法の一つです。

「自社が展開するビジネスにおいて『より価値が高い』と思われる顧客を割り出し、その顧客に対して集中的かつ最適なアプローチをおこなう」というのがABMの意味となります。

ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)が必要な理由

ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)の意味を考えてみた時、考え方としては至極全真っ当で昔からある考え方のマーケティング手法だとは感じると思います。

しかし、これを実現しようとする時には対象となる企業の絞り込みや多くの工数が必要になるため、なかなか運用に成功する企業がみられなかったというのが現実です。

なぜ、その手法が今必要とされているのか?

それは、MA(マーケティングオートメーション)やSFA(営業支援システム)など、ABMをスムーズに実現できるツールが、多くの企業が気軽に利用できるような価格で、広く普及し始めたというのが大きな理由です。実現にハードルの高い「理想」だったものを、「現実」にすることができるシステムが登場したことで、ABMは絵に描いた餅ではなくなったのです。

ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)とインサイドセールス

内勤が基本となるインサイドセールスはビデオ会議ツールなどを活用し、非対面による営業活動をおこなうこととなります。外勤型の営業(フィールドセールス)が別でいる場合には、顧客分析などのサポートを行う場合も。新型コロナウィルスの感染拡大という社会状況からもフィールドセールスだった人材をインサイドセールスに集中する企業も増加しています。

ABMにおいて重要なのは顧客の情報を収集し、優良なアカウントか否かをより正確に判断するということ。インバウンドセールスは顧客のBANTC(予算有無、権限有無、需要有無、タイミング、競合有無)を巧みに入手し、顧客が抱えている経営や業務における課題などから戦略を立てるため、ABMの成否を左右する非常に重要な存在であると言えます。

マーケティングオートメーションとの違い

ABMとMAについて考えた時、マーケディングにまつわる業務を自動化するという大きな視点から見れば両者は非常に似通ったものと言えます。

MAが「個人」を単位としている一方で、「企業」を単位として考えるという意味では違いが生まれてきます。MAでは一人のユーザーが何度もサイトにアクセスしてきていたり、資料請求をしているといったことをより見込み客としての可能性が高いと判定するでしょう。

ユーザーが一度サイトを訪れて、すぐに離脱した場合などはMAの場合ではあまり見込みがない顧客と判定されてしまうはずです。

一方、企業として捉えるAMBの場合には、アクセスしてすぐ離脱した場合でも同じ会社からのアクセスが複数あった場合の評価が大きく変化します。

その企業が抱えている問題点や課題を解決するために、自社のサイトを多数のユーザーが訪問している場合には、そこから大きなビジネスへとつながる可能性が生まれるという考え方になるためです。

MAの尺度で考えれば箸にも棒にもかからないと思われるユーザーが、ABMでは非常に重要なユーザーとみなされるということからも、両者は似て非なるものであるということがおわかりいただけるかと思います。

マーケテイングオートメーションについてもっと詳しく知りたい方はこちら

マーケティングオートメーション(MA)とは?メリットや効果をわかりやすく解説! 

 

ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)のメリット

ABMであれば事前にターゲットをある程度絞り込む戦略も取ることができるため、無駄打ちや人事の無駄が少ないというメリットが存在しています。多くの企業が抱えている営業的な課題の解決にもつながりますので、具体的なポイントをみていきましょう。

営業活動の無駄を排除できる

ABMをおこなううちに、「どのアカウントに対して積極的に営業をするべきか?」というのが明確になっていきます。営業のリソースを集中投下するべきアカウントが自ずとしぼられることにもつながりますので、リソースの無駄を減らし、より効率的な営業活動を展開することができるのです。

売上の高い、利益貢献の高い顧客に注力できる

マーケティング用語として広く知られている「パレートの法則(2:8の法則)」から考えてみればわかるように、顧客全体のうち20%ほどの利益貢献の高い顧客が、売上のうち80%を生み出しているということになります。

つまり安定した売上を維持しようと思えば、2:8のうちの「2」である非常に利益貢献度有が高い優良顧客に対しての対応をより厚くするべきなのです。

ABMを活用すれば、本当に注力して対応すべき顧客の見極めということが可能になりますので、リソースのさらなる有効活用にもつながります。

営業部門とマーケティング部門の連携が図りやすい

多くの企業において、マーケティング部門と営業部門の連携がなかなか上手く図ることができないという課題を抱えているのが実情です。

マーケティング部門が折角プロモーションによって見込み客を見出すことが出来たにも関わらず、営業部門は自らの顧客対応に追われてしまい後手に回るといったパターンもよく見られています。

営業・マーケティング双方が共通認識としてABMを重要な指標だと認識することができれば、「この顧客にアプローチすべき」という結論がより明確になり、部門間の連携もよりスムーズに運ぶ結果を生み出します。

ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)の具体手的手法とは

ここからは、具体的にABMを進めていく際に重要なポイントと具体的な手法について考えてみたいと思います。企業のリストアップから、キーマンの特定、チャネル選定、効果測定まで流れを追うことで自社でABMをする際のイメージをしてみてください。

企業のリストアップ、キーマンの特定

部署や事業部ごとに点在している顧客データを統合したり、名刺管理ソフトや顧客リストなどに基づいてまずはターゲットとなり得る企業の情報をリストアップします。また、優良顧客か否かを判定する上ではその企業の持つ「ポテンシャル」と、受注にどれだけ近づいているのか?というステータスを考慮してリストアップを進めていきましょう。

商談を行う上で重要なのは決定権を持つ「キーマン」とのやり取りをおこなうことです。全く決定権の無い相手に対してどれだけ熱意を持ってアプローチをかけたとしても、多くの場合数回は商談を重ねなくてはならないという状況になります。

逆に、最初から決定権を持っている人物と商談することができれば、意思決定までのスピードを短くすることができるという大きな利点があります。

選択したチャネルの選定

さまざまなプロモーションチャネルが存在する現在においては、動画やサイトをはじめとするWebメディア、メール、紙媒体メディア、テレビ・ラジオなどのマスメディアなどからより意思決定に近い人間や、社内で発言力・影響力を持っている人が触れると想定されるプロモーションチャネルを駆使してプロモーションを実施することが有効です。

プロモーション施策の効果測定と改善

どのようなプロモーション施策においても当然ですが、仮説を立てプロモーションを実施した後にはかならず効果測定と成果を検証することが大切です。どんな施策でも「やりっぱなし」では何の意味もありません。

「ターゲットとする企業をはじめ、自社にとって価値のある企業へのアプローチができているのか?」、「狙っている企業とのコネクションやエンゲージメントの強化にはつながったか?」といった部分を中心に施策の評価を行い、PDCAサイクルを繰り返してよりプロモーションの効果を高めていきましょう。

ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)まとめ

ここまではABM(アカウント・ベースド・マーケティング)の具体的な手法について紹介してきました。どれだけアカウントに関する詳細な情報を収集し、見込みがある顧客のキーマンにアプローチをかけられるのか?という部分が大きな勝負となる手法ではあります。商品単価があまり低い企業には合わない手法ではりますが、自社に向いている手法だと感じる方は一度試してみても良いのではないでしょうか。

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