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ホワイトペーパーとは?マーケティングの活用方法や意味をわかりやすく解説

ホワイトペーパー

投稿日:2022年4月15日 | 最終更新日:2024年1月11日

BtoBを主軸とした事業を展開している企業にとって、ホワイトペーパーの存在は重要なマーケティングツールとなっています。今回はホワイトペーパーとは何か?そしてどのような場面において、どのように用いることが効果的なのか?ついて解説していきます。

ホワイトペーパーとは?

日本語で「白書」と聞くとイメージしやすいかも知れません。ホワイトペーパーは政府などの機関が発行する「経済白書」「防衛白書」などの「白書」を意味するものが語源となっています。

近年になってWEBマーケティングの世界では主にBtoB事業で使われることの多い「顧客にとって有益な情報や自社の商材に関する情報をまとめた資料」を指す専門用語として広く使われています。

マーケティングにおける3段階のホワイトペーパー活用場面

「リードの獲得」「ナーチャリング」「顧客満足度の向上」大きく分けて3段階においてホワイトペーパーを有効に活用することができます。各段階においてどのような使い方があるのか見ていきましょう。

ホワイトペーパーを配布することのメリットには、より深く商材やサービスを説明する機会を得る可能性が高まるという点にあります。

サイトで説明しようとしてもつい長くなってしまいがちなものや、簡易的な資料では伝えきれないといった部分もホワイトペーパーとしてまとまっていれば、ユーザーにとっても嬉しい資料となるでしょう。リードの獲得、ナーチャリング、営業効率の点から、ホワイトペーパーについて考えてみましょう。

リードの獲得

見込み客をより多く集めるためにホワイトペーパーを活用するのが、まず第1段階。見込み顧客を多く集めることは、最終的な顧客化の数を高めることに直結しているものです。

「ホワイトペーパーのダウンロード」という顧客にとっての利益が存在することで、フォームからの問い合わせや、メールによる連絡、電話での問い合わせなどと比べると顧客が自らの情報を提供するハードルは自然と下げることが可能になります。

「まずはメールドレスや名刺の情報などを提供いただく代わりにホワイトペーパーをダウンロードしてもらう」という仕組みがリードを獲得しやすくします。

ホワイトペーパーをダウンロードしたいユーザー=自社の商材・サービスや競合商材に興味を持っているユーザーであるということが簡単に推測できるため、ユーザーデータを蓄積しておけばより精度の高いリードのリストが作成できるというのは企業にとって、プロモーションにおける大きなポイントとなるでしょう。

ナーチャリング

見込み客をより受注確度を高めた顧客へと育て上げていくことが「ナーチャリング」です。獲得したリードに対し、メールマガジンなどを通して定期的に連絡するルーティーンを構築。その中で、リード獲得の際に利用したホワイトペーパーよりサービスに関する情報を掘り下げた内容のホワイトペーパーを提供することも有効な使い方の一つです。

資料をダウンロード形式にした場合は、そもそも興味が無ければフォームへの情報入力といったハードルをユーザーが超えてこないので、それだけでも顧客となる見込みが大きな顧客であると言えます。

提供している商材が幅広い会社の場合には、ホワイトペーパーを複数用意すればリード顧客がどの分野に対して興味・関心を持ち、検討しているかをより明確にすることができる利点があります。

より詳細な情報を欲しがっているユーザーの絞り込みができるため、温度感の高いユーザーを見極めるためのバロメーターとしてもホワイトペーパーは使用できます。ナーチャリングにおいては「次に顧客化すべきユーザーの見極め」と「検討中ユーザーの背中を押す装置」としての機能をホワイトペーパーに持たせることも重要です。

また、資料のダウンロードから時間がたったユーザーに対して、新しく作成したホワイトペーパーがあればメールマガジンなどの形式として添付ファイルとして配信するというのも一つのナーチャリングの有効な手法と言えます。

一度資料をダウンロードをする段階まで来ているユーザーは、顧客になる可能性がそれだけ高いため、しっかりとリストとして管理し、「しつこい」と感じられない程度にアプローチをすることで、しっかりと「顧客を育てる」という意識を持つことが重要です。

顧客満足度の更なる向上と、契約の継続・解約防止

顧客化ができたユーザーに対しても業界全体の最新の動向や、自社サービス・商材の最新のアップデート情報なども含めたホワイトペーパーを提供することがマーケティングにおいて重要なポイント。「釣った魚に餌をやらない」のようなスタイルでは、解約につながりかねません。月次で送るレポートなどのほかにプラスアルファとして頻度が低くてもかまいませんので既存顧客に向けたホワイトペーパーの提供も行うことはより顧客満足度を高めることにつながります。

自社の商材を絡めたホワイトペーパーであれば、アップセルやクロスセルも見込めることとなりますので既存顧客をより大切にする意味でもホワイトペーパーを活用しましょう。

営業の受注率を上げることができる

新型コロナウィルスの感染拡大といった状況もあり、旧来行われてきた「飛び込み営業」といった手法はどの会社も控える傾向になってきています。飛び込みだけではなく、そもそも対面での営業というのが難しい現状においては、電話でアポイントメントを取って訪問といった方法もなかなか厳しい状況であると言えるでしょう。

そもそも、新規顧客の開拓のために電話のリストから架電をして、自社の商品のサービスにたいして興味を持ってもらえるという確率はどれだけあるでしょうか?

営業のリソースを本当に有効に活用するという視点に立てば、サイトやランディングページなどのWEBからの問い合わせやホワイトペーパーをダウンロードしたユーザーに優先的に連絡することのほうが、営業効率の向上、受注率の向上を図ることができます。

ホワイトペーパーに存在するパターン

ホワイトペーパーにはさまざまなパターンが存在しています。ここでは大きく分けて5つほどの種類を紹介していきます。

専門用語・業界用語集

サイト制作でコンテンツマーケティングなどにも使われるものとはなりますが、ホワイトペーパーにおいても有効な種類の一つです。特定の業界に特化して関連する用語や、商材の説明において頻出する専門用語などをわかりやすくまとめることが大切です。業界に詳しくないリード顧客がダウンロードする可能性も高いホワイトペーパーですので、より平易な表現で解説するよう心がけましょう。

自社商材の紹介

自社の商品・サービスに関して、網羅的に掲載するタイプ。カタログのような形式と考えて問題ありません。特長やどのような課題解決に役立つものなのかなどをポイントを絞って紹介していきます。初期に配布するタイプのホワイトペーパーでは商材ごとにはあまり深堀りしない形としておき、後日配布するものに関しては商材一つずつに対してスポットを当て深堀りとしながら、他社商材との比較なども掲載するというのも有効な方法です。情報に関しては、常に最新のものが掲載されている状態が望ましいので、ホワイトペーパーの更新は小まめに行うようにしましょう。

導入事例集

実際に自社の商品・サービスを利用されているユーザーの声を紹介するタイプのホワイトペーパーです。ユーザーに取材をおこない、導入によってどのような成果が上がっているのか、導入までの流れ、導入によってどのような課題解決につながったのか?などより具体的な声を届けるのに有効です。この際、導入企業に協力してもらえるようであれば写真やロゴなどの使用に関する許可がもらえれば尚説得力がアップするでしょう。

実際に使っている人の声を参考にして契約を決定する顧客も多いことからナーチャリングにもつながるものとなります。

調査結果のレポート

業界全体の動向や商材に関連した内容に関してのアンケートやリサーチを実施した際、その中で見えた傾向などを部分的にホワイトペーパー化するというパターンも存在します。アンケートやリサーチが実施できる=「比較的業界の中でも信用性が高い」または「業界の中でもそれなりのポジションにある」という印象を抱くユーザーも多いのでブランディングの一環としても利用できるでしょう。自社で大規模なリサーチを行おうとすると、非常に大きな工数が必要となるので、リサーチやアンケートについては専門の業者に依頼・発注するという方法も存在します。

ファーストステップガイド

商材に関する基本的な内容をカバーする入門ガイドとしてのホワイトペーパー。操作などの基本に加え、よくある質問などもホワイトペーパーに掲載しておけばユーザーフォロー

のためのツールとしても使用することができます。

実際に商品やサービスを導入する前に、どのような機能があるのかを詳しく知った上で比較・検討してみたいというユーザーも。

基本構成:5パラグラフの法則

顧客をより引き込むためのホワイトペーパー作りのため活用すべき手法として「5パラグラフの法則」というものがあります。これはよくエッセイであったり、論文などにも使われる基本的な文章の構成となります。

ホワイトペーパーでは「導入・要約 > 問題提起 > 解決策 > 製品・サービス情報の提示 > 結論」という流れで文章を展開していく形となります。ここからは、各パラグラフの詳細について紹介していきます。

導入・要約

まず第一パラグラフには、ホワイトペーパーの導入と要約を記載していきます。

読む方は「この資料を読むことによって、どのような課題を解決してくれるのか?」「この資料を読むとどれだけ有益な情報を得ることが出来るのか?」などについて知りたいと感じながら導入部を読むことになります。

「要約」がなぜ必要か?と言うと、時間が無い人の場合には要約部分だけを読んで先に概要を理解し、自分に必要な部分だけを抜粋して読みたいという可能性もあるためです。

これらを意識しながら、さまざまな読者にとって読みやすい文章というのを意識しましょう。

問題提起

読者が抱えているであろう問題・課題に寄り添いつつ、その問題をより掘り下げることを第2パラグラフではおこなっていきます。

ホワイトペーパーを通し、読むまでは気付いていなかった課題を読者に気付かせる、読むうちに強く共感するといった感情が読み手に湧き起こるような文章を書くことによって、解決や、商材に関するパラグラフ、結論といった部分にも説得力が増していきます。

解決策

3つめのパラグラフでは、第2パラグラフで提起した問題・課題についての解決策について紹介していきます。

その際重要なことは、ただ解決策について書き連ねるだけではなく、実際の事例などを織り交ぜ紹介しながらの文章にすることが大切です。その際、問題の背景などより丁寧にストーリーを伝えることも意識しておくと良いでしょう。

製品・サービス情報の提示

このパラグラフでは、第3パラグラフで提示した解決策として、自社の商品/サービスがどのように役立つか?といった部分を紹介していきます。読者がカスタマージャーニーでどの段階にあるのか?といったものも意識した上で、客観的なデータも提示しながら自社商品/サービスの優位性などについても触れていきましょう。

結論

ここまでのパラグラフで紹介してきた問題・解決策の中で、どうして自社の商品/サービスが最良の解決策なのか?ということを簡潔に説明しましょう。結論部分には、会社の情報をはじめとして、ユーザーが行動を起こすことができる導線も記載しておきましょう。


ホワイトペーパー作成で押さえておきたいポイント

ホワイトペーパーにはさまざまなパターンが存在しています。ここでは大きく分けて5つほどの種類を紹介していきます。

物語性を持ち「共感できる」ホワイトペーパー作り

「どのような人に読んでほしいホワイトペーパーか?」というターゲットを明確にすることから始めましょう。そのユーザーにどのようなストーリーで構成されたものが刺さるのか?を考えていけば自ずと良いホワイトペーパーにつながります。

読み手が自分のこととして捉え、課題に共感し、それを解決するまでを目標としたストーリーをなぞることができるような内容となっていれば、読み手により伝わるホワイトペーパー作りが可能になるのです。

「読む気が起こる」ホワイトペーパーに

ホワイトペーパーには高い専門性とクオリティなども求められますが、ただただ文章びっしりと書かれていた場合、ユーザーは読む気になれないはずです。

ユーザーが求める効果などの分析データがあったとしても、それに付随するものを論文のようにつらつらと文章で書き連ねても逆効果となる可能性があります。

自らがアピールしたいポイントはもちろん、ユーザー側が興味を抱きそうな数値などがあればピックアップして掲載するのが有効です。

例)導入により担当者の残業が平均〇時間低減、〇時間要した作業が〇分で完了…

適度な文章量による的確な情報の提供と、図やグラフ、写真なども交えながら文章全体にリズムを持たせることも心がけましょう。

ホワイトペーパーを手に取るユーザーの目線に立つ

自分がホワイトペーパーをダウンロードする場合、どのような情報が載っているのが嬉しいでしょうか? 導入した際の利点が載っていることはもちろんですが、逆に提供する企業にとって都合のいい情報しか載っていなければ疑いや落胆を生むかもしれません。ビジュアル的に読み手のことを考えることはもちろん、中身に関してもユーザー目線に立った情報を提供できるようにしていくことが大切です。

ホワイトペーパー作成の注意点・やってはいけないこと

ここからは、ホワイトペーパーを書く上で注意しておいた方がいいポイント、これはしない方がいいことというのを紹介しようと思います。ホワイトペーパーの制作にこれから着手するという方や、すでに制作したホワイトペーパーについて見直そうと考えている方は参考にしてみてください。

なるべく難しい言葉を使わない

ある程度専門用語が無いと伝わらない内容というのはもちろんあると思います。そして、それを使うことによって、より専門的な知識を有しているというアピールになると感じることもあるでしょう。しかし、専門用語や一般のユーザーにとってわかりづらい難しい単語を多用することは読み手に取って決して親切とは言えません。

ホワイトペーパーはなるべく平易で読みやすい言葉で表現することを意識しましょう。

サービス・商品を押し売りしない

ホワイトペーパーを自社のカタログとして捉えてはいけません。自社の商品やサービスの良さを伝えるというのも大切なポイントではありますが、ホワイトペーパーにおいては一歩引いた視点というものが必要となります。決して「押し売り」に終始するのではなく、冷静な視点から他社製品/サービスとの比較をしてみたりするというのも大切なことです。

ホワイトペーパーについてまとめ

ホワイトペーパーは、使い方もさることながら作り方、クオリティが重要であるという点をおわかりいただけたと思います。ホワイトペーパーを専門に制作している会社も存在しているので、制作に迷ったり、自己流のホワイトペーパー制作であまり効果が上げられていないという場合には、相談してみることも一つの有効な策となるでしょう。

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