投稿日:2021年8月29日 | 最終更新日:2023年6月13日
新型コロナウィルスの感染拡大によって、「人との接触機会の低減」が広く求められました。いきなりリモートワークになったり、それこそリモートワークの準備など全くしていなかった会社に所属している方は多いに影響を受けたことでしょう。
本稿では、コロナ禍によって変化を遂げたマーケティング手法について触れるとともに上手な付き合い方について考えていきたいと思います。
恐らくこの後もベーシックになる「ウェビナー」
実際に多くの人を集めて開催するイベントはどのようなジャンルでも開催自粛が求められてきました。会社の会議室や、貸会議室、大規模な会議場などでセミナーに集客して有益な情報を顧客に提供しつつ、リストやリードを獲得するというビジネスモデルは一定の効果を発揮するものであることから採用している企業も多くありました。
しかし、コロナ禍によってその様相は一転。実際に人を集めて開催することが難しいことからウェビナーへと多くの企業がシフトしていった状況です。
ウェビナーについては特に顧客側からしてみれば歓迎すべきポイントが多くあるのです。
顧客側から見た、ウェビナーの利点
・実際に会場に足を運ぶ必要がない
PCもしくはスマホでも参加できる形式であれば、移動が必要無いため公共交通機関を利用する際の感染リスクや、会場自体での感染リスクにさらされることもありません。
そして、その便利さを一度経験してしまうと「えっ?会場まで行かなきゃいけないの?ウェビナーで十分だと思うけど…」と思う参加者も増えるはず。もちろん、生で話を聞いてみたい非常に魅力的な登壇者がいる場合には、例外かも知れません。
・より気軽にさまざまな情報収集ができる
セミナーが開催されるのは、大抵は東京もしくは東京近郊。そして、大阪、名古屋程度がほとんどだったかと思います。より開催回数が多いセミナーでも、札幌、仙台、福岡などの会場が追加されるのがせいぜい良い所だったでしょう。しかし、ウェビナーが浸透したことによって、どんな地方に住んでいる人、企業でも気軽に参加できるようになったというのは大きなメリットです。
また、複数のセミナーに参加するのにはそれだけ参加する側にも負荷が大きかったわけですが、自宅などから参加できるという点を考えれば有益な情報をより気軽に収集して、比較・検討をする機会が多くの人に与えられたということになります。
主催する側から見るウェビナーの利点
・ビジネスの対象が日本全国へと広がる
限られた範囲でビジネスを展開していた企業にとっては、会社や商材をより広く知ってもらう機会を得たことになります。もちろん、会社の規模感として全国対応は難しいという企業もあるかも知れませんが、より広い範囲の顧客を相手にビジネスチャンス自体が広がるというのは一つの利点です。
・登壇者のグレードを上げられる可能性が向上する
会場を借りて行うようなセミナーであれば、人気の登壇者やより集客力のある人物の招へいには、スケジュール調整などの面からも難しい部分はあったはずです。しかし、ウェビナーであれば登壇者もPCと安定した回線さえ準備できる環境であればリモート登壇が可能になるのです。
・会場費のコストが必要無い
座席のセッティングをおこない、資料を印刷して配布するといった工数はウェビナーでは必要無くなりました。さらに、会場そのものがWEB空間であるわけですから大規模な会議場や、貸会議室などは必要がありません。ホストとして進行するためにはある静かな環境さえ準備できれば、それだけでウェビナーは開催できてしまいます。もちろん、ホストも会社でなければ開催できないというわけではありませんので、自宅でも安定した回線速度が確保できていれば十分でしょう。
主催者側が感じるウェビナーの問題点
・商材に対する本気度をはかりにくい
実際に会場まで足を運ぶタイプのセミナーであれば、「わざわざ時間をつくって」「会場にまで来て」といったハードルがある中で来場しているという時点で興味・関心の深度があるていどふるいにかけることができている状態でした。しかし、ウェビナーはその気軽さもあって、「無料で参加できるのなら」と軽い気持ちで参加しているユーザーも一定程度存在するという点は主催者としては問題と感じることもあるでしょう。
・セミナー会場での1対1の営業活動ができない
「1対1の対面営業にこそ、より力を発揮できる」といった営業が在籍しているような場合には、対面セミナーの時にはセミナー後にそのままの流れで顧客の抱えている問題点をヒアリングしたり、具体的な商談に入るといった形を取っていた企業も多かったかとは思います。よりホットな状態で対面交渉に持ち込めればその方が
一度便利なものを知ってしまうと、人間は後戻りがなかなかできないものです。ウェビナーはやセミナーとウェビナーのハイブリッド開催というものは、今後もベーシックな手法として残り続けるのではないでしょうか。
会場を借りておこなうセミナーだけという形式を採用するのであれば、「本当に会場に足を運ばなければ得られない情報」というプレミアム感を出すなど、セミナーとウェビナーで得られる情報の出し分け、棲み分けといった工夫が求められるようになるでしょう。
「オンライン商談」はこれからも続く?
ウェビナーもそうですが、1対1の対面での商談についてもZoomなどのビデオ通話サービスによって代替が可能となりました。
もちろん、その傾向はコロナウィルスの影響が続けばこれからも継続はするでしょう。ただ、コロナウィルスによる感染リスク等の影響が徐々に薄まっていけば、ここはあくまでも商談の入り口だけとして残るかも知れません。
企業としては顧客の本気度を最初の商談で図り、興味関心の度合いも高く案件化につながると感じた顧客にはより手厚いフォローアップを提供するため実際に訪問して対面で話をしたりという形へと変化をしていくかもしれません。
営業リソースの有効活用と言う点からしても、オンライン商談は企業側にも大きな利点があります。移動時間を考えれば1日に数件しかできなかった営業活動が、より多くの件数こなすことができるという大きなメリットがあるからです。限られたリソースの、営業チャンスを最大化するという意味では、オンライン商談を有効に活用することは売上アップへと直結するとも考えられます。
コンテンツマーケティングの重要性には変わりない
コロナウィルスの影響が今後も続ようであれば、やはりWEBを通じたコンテンツマーケティングというものに重点を置いて取り組むことが必要になるでしょう。ただ、これに関して言えば、たとえコロナウィルスの感染拡大による経済活動に対する影響が薄くなってきた場合にも、その重要性に大きな変化はありません。
あなたの会社が展開しているビジネスがBtoBであってもBtoCであっても、有益な情報を発信することによって、ユーザーとの接点を創出し、そこから獲得したリードを最終的には顧客化するという流れは、この先もずっと続いていくことでしょう。
自社サイトでの情報発信や、SNSを通じた情報の拡散などコンテンツによって集客を行うというマーケティングは引き続き力を入れていくべき施策です。
ワクチン普及は真のゲームチェンジャーとなるのか?
世界的にも大きな経済的損失を生み続けている新型コロナウィルスの感染状況。そんな中でワクチンが登場したことは一つの光明として捉えている人も多いのが現状です。
国内でも人口の50%が2度のワクチン接種を受けたという状況も報じられ、経済活動を再び本格的に再開しようとする動きも出ています。
しかし、さまざまな変異株の登場やブレイクスルー感染、ブースター接種によるより多くの抗体獲得などハードルはまだまだ存在しています。経済活動の再開には慎重な人々も多く、安価で処方してもらえるような治療薬が登場するまでは、本当に安心して過ごせる日々までは遠い道のりなのかも知れません。
コロナ禍によって大きく変化を遂げた営業やマーケティングの手法に、試行錯誤しながら徐々に順応してきたようにこれからも多くの人が新しい日常や新しい常識を受け入れながら経済活動は続いていくのです。
まとめ
仮にどんな状況になったとしても、ビジネスを止めないためには新たな技術を活かしながら、巧みに集客をするためのツールを考える必要があります。ウェビナーやコンテンツマーケティング、オンライン商談などのデジタルツールと、アナログによる対応を上手に組み合わせながら売上の最大化を果たしましょう。
カッティングエッジ株式会社 代表取締役 竹田 四郎
WEBコンサルタント、SEOコンサルタント。WEBサイトの自然検索の最大化を得意とする。実績社数は3,000社を超える。
営業会社で苦労した経験より反響営業のモデルを得意とし、その理論を基に顧客を成功に導く。WEBサイトやキーワードの調査、分析、設計、ディレクションを得意とする。上級ウェブ解析士、提案型ウェブアナリスト、GAIQの資格を保有する。著書:コンテンツマーケティングは設計が9割