投稿日:2022年5月16日 | 最終更新日:2022年10月27日
リライトとは英単語として見ればわかりやすく「rewrite」=「書き直す」「書き換える」ということです。SEOにおいては一度公開したブログや、オウンドメディアコンテンツを書き直すことを意味しています。書き直すといっても、ちょこちょこと「てにおは」などの細かい部分を直した小手先のものではありません。
では、リライトにはどのような効果があるのか、どのようなコンテンツはリライトをすべきなのかなどについて見ていきましょう。
「リライトすべき記事選び」のコツはどこにある?
例えば、あなたのサイトの中で特定のキーワードにおいて1ページ目(1~10位)に表示されているコンテンツがあるとします。あなたはこの記事をリライトしますか?それともしませんか?
本当の正解というのはGoogleなど検索エンジンにしかわかりませんが、少なくとも私ならリライトの対象とは考えないでしょう。現状の順位に仮に満足できておらず、少しでも上の検索順位を目指したいとしても、「1ページ目に表示されているということ」はそれだけでも十分な価値があるものと捉えるべきです。ここで欲を出し過ぎて、仮に順位が下落してしまっては元も子もありません。同一のワードにおいてより上位に表示されているページの傾向などを掴みづらい検索ワードの場合、リライトには慎重になるに越したことはありません。
リライトにはどのようなコンテンツが向いているのか?
では、リライトにはどのようなコンテンツが向いていると言えるのでしょうか。
それは「ある程度評価を受けているコンテンツ」ということになります。「検索結果1ページ目までの表示は達成できていない。でも2ページ目から5ページ目くらいまでの順位はついている。」といった状態のコンテンツはリライトの候補とすべきでしょう。そして重要なのは、数か月同じような順位で上位の気配が見込めていないようなものがよりリライトに向いています。検索エンジンとしては「悪くない」くらいの評価・反応はしてくれている。しかし、1ページ目に表示する決定的な何かが足りない。そんなコンテンツはテコ入れをすれば化ける可能性に賭けてみるのも悪くないはずです。
ユーザーの反応を基準にリライトコンテンツを選ぶのもあり
検索順位を基準とした方法について紹介しましたが、ユーザーがクリックなどの反応を示している記事か否かというのもリライト記事を選ぶ基準の一つとして考えてみてもいいでしょう。
例1)検索順位は高い。でもユーザーのクリック率は低い。
検索順位としてはそこまで上位にあるにも関わらず、極端にCTRが低い場合にはコンテンツそのものをリライトする必要は無いかも知れません。しかし、ユーザーに興味や関心を抱かせることができていないのであれば、タイトルやディスクリプションについてはリライトを考える候補とするのも悪くはないはずです。ここで慎重になるべきは、「あくまでも上位獲得できている」という重要な事実です。タイトルやディスクリプションも検索結果表示の順位決定アルゴリズムに関わる可能性のある要素ではありますので、こういったコンテンツのリライトの優先順位はそこまで高く設定しない方がいいかも知れません。
例2)検索順位は対して高くない。でもユーザーのクリック率は高い。
検索順位としてはそこまで上位には無いものの、興味を惹きやすいタイトルが付いていたり、気になるディスクリプションの文章などになっていたりするとCTRは上がる可能性があります。こうった記事であれば、より上位表示を達成することが出来れば、より多くのユーザーの目に触れ、オーガニック検索によるユーザーの流入数に貢献する可能性が大いにあると言えるでしょう。上位表示されている競合サイトなどの要素を分析しつつ、リライトの対象とするのも良い選択となります。
「徹底的な分析」から始まるリライト
リライトをする上でまずすべきは、リライト対象として選定したコンテンツの分析です。そのようなポイントを押さえていく必要があるのか整理していきましょう。
ユーザーの検索意図にきちんと沿った内容なのか?
ユーザーが検索してたどり着いたコンテンツとして重要なのは、検索したユーザーが求めている情報を本当に提供できているのか?という点にあります。検索エンジンとしてはユーザーがどうしてこのワードで検索をしているのか?、どのような答えを欲しているのか?という部分について仮説を立て、それに一番最適な情報が載っているサイトを検索上位に候補として提示するために日々アルゴリズムを更新しつづけているのです。
「このページさえ見れば、ユーザーの検索意図に沿った答えが載っている」という情報が網羅的に紹介されているといった状態が作れることが理想的ではあります。
自らのコンテンツの分析をしたら、同時に「上位表示されているコンテンツにあって、自分のコンテンツに無いもの」を洗い出すことをしてみましょう。必要だと感じた要素は不自然にならないように注意しながら、プラスアルファしていくことでアップデートをすることも重要です。
欠かせない「独自性」
検索エンジンの評価において、重要なのは誰かのコピーや模倣であることはプラスには働きません。上位表示を達成しているコンテンツを分析して、足りないものを足すというのはもちろん大切ですが、コンテンツの持つ独自性が失われてはならないのです。自社が取り組んできた事業に関する具体的な事例であったり、これまで培ってきた土台の上にたった目線や切り口など、あなたにしか作れないコンテンツを提供することを意識しておくべきなのです。
ユーザーの検索意図をリサーチしながらリライトする
リライトにおいて競合サイトの分析をすることはもちろん大切です。そして、もう一つ大切なのは、ユーザーがどのような情報を欲しているのか?ということに対して常に敏感になっておくことです。長い期間更新されていないコンテンツの場合、掲載されている情報自体が古くなっていることもしばしば。一気にすべての記事を書き直すことは難しいでしょうが、特によく見られている記事などについては着手できるものから内容をアップデートしていきましょう。
また、ユーザーがどのようなワードで検索しているのか?という部分には特に注意を払いたいポイント。検索エンジンのサジェストワードなどにはユーザーの検索数が多いものがより表示される傾向にありますので、サジェストワードや検索トレンドなどを参考にしながら自らのコンテンツに含まれていない語句などがあればリライトの参考とすることもより検索意図に沿ったコンテンツを提供するためには押さえておいて損はありません。
リライトする上で注意すべきこと
リライトは「根本を無くしてしまうこと」ではない
「書き直す」「書き換える」という単語から、「コンテンツの構成はある程度引継ぎながらゼロベースで書き直す」と考えてしまう人も中にはいるかも知れません。しかし、そんな、勿体ないことは絶対にすべきではありません。
既存のコンテンツを見直した上で、上位に食い込むためには何が足りないのか?を考える。基本は「足し算」です。
もし、リライト対象となっている記事に足りない要素が、自らが作った別の記事に存在するのであれば、2つの記事を掛け合わせて違和感のない1つの記事へと昇華させるといった方法も考えられます。あくまで、一定の評価を得ているベースは保ちながらリライトをしていきましょう。
リライト後には順位を継続して観察
記事をリライトした後は、より注意深く順位経過を見守りましょう。前後2~3位程度のブレの範囲内であればそこまで気にする必要はありませんが、仮に10位以上大幅に順位下落が見られた場合にはすぐに内容をリライト前の状態へと戻すことができるよう、バックアップを取っておくことも大切です。WordpressなどのCMSを利用している場合には、自動的に編集履歴を記録しておく機能(Wrodpressの場合は「リビジョン」)がデフォルトでついているものもありますので、利用すると便利でしょう。
順位の上昇も下落もしばらく起こらないといったこともよくありますので、短期的に結果が出なかったからすぐに元の状態に戻したりすることなく、数カ月スパンで順位の動向を観察しリライトの効果を見極めていくことが大切です。
リライトまとめ
SEO効果を期待することはもちろん大切ですが、リライトするにあたって何より重視にしたいのは読み手にとって有益な情報が載っていることであり、読みやすいコンテンツであることではないでしょうか。
「順位がなかなかついていない」と感じるコンテンツに関してはリライトを検討し、加筆・修正を繰り返すという行動は、サイトに掲載されているコンテンツのクオリティを引き上げることにもつながります。
カッティングエッジ株式会社 代表取締役 竹田 四郎
WEBコンサルタント、SEOコンサルタント。WEBサイトの自然検索の最大化を得意とする。実績社数は3,000社を超える。
営業会社で苦労した経験より反響営業のモデルを得意とし、その理論を基に顧客を成功に導く。WEBサイトやキーワードの調査、分析、設計、ディレクションを得意とする。上級ウェブ解析士、提案型ウェブアナリスト、GAIQの資格を保有する。著書:コンテンツマーケティングは設計が9割