投稿日:2021年9月15日 | 最終更新日:2025年2月14日
英語の基礎的な段階で習う「5W1H」という言葉は誰しもイメージしやすい言葉であると思います。
・「いつ(When)」
・「どこで(Where)」
・「誰が(Who)」
・「どうして(Why)」
・「何を(What)」
・「どのように(How)」
このように項目ごとに整理して人間の行動を細かく分解するために、「5W1H」は非常に便利なツールとして活用することができるのです。
マーケティングでは4Pや4Cといった分析手法が有名ですが、より具体的に行動を起こす場面(商品開発・プロモーションの具体化・コンテンツ設計など)では「5W1H」を活用すると検討すべきポイントが明確になり、スムーズに実行に移せます。
本記事では、ビジネスはもちろん、2025年現在において特に重要性が高まっている“コンテンツマーケティング”や“SEO”の観点からも、「5W1H」をどのように活用できるのか、具体的な事例とあわせて解説していきます。
「5W1H」実はもっと多くなる?

前項では5W1Hと紹介しましたが、実は活用する場面などによっては、さらにプラスアルファされる要素があることにまず触れておきたいと思います。
それは
・「いくらで(How much?)」
・「いくつ(How many?)」
・「誰のために(Whom)」
などの要素です。
人間の消費行動を考える上で、避けては通れない「価格・費用・対価」ということにもフォーカスすることはマーケティングにおいて欠かすことはできません。
「5W1H(+1H)」や、「5W2H」と表現されるため、このポイントはまず押さえておいてください。
いくつ?や誰のためにというのは、更なる派生として登場している要素となるため、場合によっては使われない場面もあります。商品、サービスの特性などによっては「6W3H」と表現されるようなパターンも存在しているということも、併せて意識しておきましょう。
各項目ごとに、どのような分析が可能か?

前項で触れた「5W2H」について、商品開発やサービスの開発を例にして、それぞれはどのようなものかを改めて掘り下げ、各項目ごとにどういった分析ができるのかということについて一通り触れていきたいとおもいます。
When(いつ?)
「いつ商品の販売やサービスの提供をするべきか?」
提供する商品やサービスが、通年で普遍的に利用できるものであれば、あまり深く考える費用は無いかも知れませんが、季節的な要因や、需要の増減が明らかなものであれば、ここを強く意識することも大切です。Whenには販売スケジュール全体も含まれています。
どんな時に使いたくなる商品なのか?
- 年間において需要が高まる時期はいつか?
- 開発・製造スケジュールは無理なく設定できるか?
といった観点で考えていきます。
Where(どこで?)
「販売する店舗の種類や、ECサイトによる販売か?店舗立地はどこが理想か」
商品であれば、どのような方法でユーザーに届けるのかということを考える必要があります。大手の小売店で販売してもらうのか?ECサイトで公式通販を立ち上げることがいいのか?例えば、実店舗であれば、
- 駅前立地が良いのか?
- 郊外型のロードサイド店舗が良いのか?
といった内容で、理想的な商品販売場所/販売方法、サービス提供場所について検討が必要です。
Who(誰が?)
「商品を購入する/提供するサービスを利用するのは、果たして誰なのか?」
ターゲットとなる人物をより具体的なものとすることによって、戦略を立てやすくなるのが「Who」です。
年齢、性別、居住エリア、家族構成、職業、趣味など、既存の顧客や競合商品の顧客像をイメージして人物像を作り上げていくことが重要となります。
Why(どうして?)
「商品を購入する/提供するサービスを利用する動機は、どのようなところにあるのか?」
「Why」は、商品やサービスに対して顧客がどのような効果や期待を抱いているかということを明らかにする項目です。
商品やサービスを使うことによって解消される悩みはどんな点か、自社が提供する商品・サービスにおいて顧客がもっとも期待を抱くのはどのようなところにあるかということを考えてみましょう。
What(何を?)
「どのような商品やサービスを、提供するのか?」
一度明確にしていても、定期的に「What」を再点検することが大切です。すでに競合で売れている類似商品があれば、
- どのような特徴があるのか
- 自社が差別化できるポイントは何かを探り、改良・付加価値の創出につなげます。
提供する商品について深く掘り下げて考えることは何よりも大切なことです。その時購入の動機となる(Why)や、どういった人(Who)に向けたものなのかなどについてしっかりと意識することが重要になります。
How(どのように?)
「上質な商品・サービスであっても、広報・宣伝戦略が無ければ意味が無い」
どれだけ「良い商品ですよ!」と熱を持って伝えようとしても、それを知ってもらうための方法を考えなくては何もはじまりません。
ターゲットとなる層が、日常的にどのような媒体を目にしているのか?、どのような媒体を通じて広報・宣伝をすることがより多く、より質の良い顧客にアプローチできるのかを考えています。その際には、他社がどんな戦略で宣伝活動をしているかや、媒体ごとの費用対効果などについても議論が必要になるかも知れません。
How much(いくらで?)
「いくらで販売・提供することが適正価格なのか?」
商品購入やサービス利用において、いくらならお客様も、そして自社も満足ができる価格なのかということを考えて価格の設定をしていきます。
競合商品などの価格設定を見て、おおよその平均的な価格に設定することが無難ではあります。
自社にかかるコストや利益率なども意識するほか、他社商品やサービスとの差別化・付加価値の創出などをすることによって、もっと価格を上げることはできないか?なども考え、最終的な価格決定をしていきます。
さまざまな場面においての5W1H

5W1Hの基本的な順番は、いつ、どこで、だれが、どうして、何を、どのようにという順番ですが、活用する場面によっては順番を入れ替えて考えてみることも有効です。ここからは活用シーンによって考えてみましょう。
ビジネスにおける報告の場面での5W1H活用
When→Where→Who→Why→What→How

特に上司に対する報告や、情報の共有の場面ではこの基本を使うのが、やはり一番伝わりやすいと言えるでしょう。情報を受け取る側も、この基本的な順番が身体に馴染んでいるためスッと情報が入ってくるのが特徴です。
プロモーション戦略の場面での5W1H活用
Who→When→What→Why→How

どのような方法でプロモーションを展開していくか?(How)を導き出すために5W1Hを使う場合はこのような順番で考えていくのがより有効でしょう。
ますは商品のコアな購買層となるのはどのような人物なのか(Who)というのを考え、商品の購入意思をどのタイミングでしているのか(When)を探ります。この際、いつ商品に関する情報を収集しているのか、どのような時間帯にどういった媒体に接触してるのか、なども考えると非常に有効です。
そこから顧客はどんな(What)商品をより好んでいるのか、なぜ(Why)それを選んでいるのか?という部分も考えれば、最終的にどのような(Houw)プロモーション戦略をとればより顧客に商品の良さや情報を届けることができるのか?という答えを導き出すことがより容易になってくるのです。
プレゼンの場面での5W1H活用
Why→How→What(Who)(When)(Where)

プレゼンでは5W1Hを丁寧になぞる必要性は無いという考えもあります。
アップルの創業者である故ビル・ゲイツがプレゼンする際にも用いられた方法としてよく知られていますが、社内や社外向けのプレゼンにおいては、敢えて「Why」を一番最初に持ってくるといった戦略も必要です。
「なぜこのプランなのか?」という冒頭で違和感を生む順番をつかうことで聞き手を惹きつけることによって、より聞いてもらう空気を作り上げてから、「どのように?」そして「何を?」という流れで話を進めていくと、効果的なプレゼンになるというものです。WhoやWhatというも完全に無視してしまうのではなく、Whatに内包させてWhoやWhereに補足として触れることもポイントです。
5W1Hとコンテンツマーケティング・SEO
近年(2025年時点)では、コンテンツマーケティングの重要性がさらに増しています。 情報が溢れる中でユーザーの求める情報を的確に、かつ魅力的に伝えるには、コンテンツ構成の段階で5W1Hをしっかり押さえておくことが大切です。
- 情報の整理と網羅性
5W1Hを取り入れることで、読み手が疑問を抱きそうなポイント(Who、What、Whyなど)を漏れなくカバーできます。 - SEO効果の向上
体系立てた情報を記載すると、検索エンジンが内容を理解しやすくなり、キーワード配置も自然になります。結果として検索順位の向上が期待できます。 - ユーザーエンゲージメントの向上
欲しい情報がわかりやすく並んでいると離脱率が低下し、滞在時間が伸びます。これはサイト全体の評価向上やコンバージョン率アップにもつながります。 - アイデア発想のスムーズ化:
企画立案や新規プロジェクトのプランニング時に5W1Hを意識すると、アイデアを具体化しやすくなり、実践的な施策につなげやすいです。
コンテンツマーケティングを支援する立場では、記事構成や企画段階で5W1Hを踏まえると、「誰に向けた情報を、どのような切り口・タイミングで発信するか」を明確化できるため、質の高い記事やプロモーションを効率的に作りやすくなります。
5W1Hについてのまとめ
5W1Hを意識してビジネスに応用することは、プレゼンや計画立案、商品開発、マーケティング・プロモーション戦略などにおいてより具体的な行動計画を立てることに非常に便利なものです。
決められた順番があるわけではありませんので、ベーシックな順番に必ずしも固執する必要はありません。活用するシーンなどによって適宜順番を入れ替えて考えてみると、より適切に活用できることも意識しておきましょう。
2025年以降も、ユーザーの検索意図や情報ニーズは多様化が進むと予想されます。だからこそ、情報の過不足をなくし、ユーザーの疑問に的確に答えられる「5W1H」のフレームワークを取り入れることで、ビジネスやコンテンツの競争力を高めることが期待できます。ぜひ一度、あらためて「5W1H」を活用してみてください。


カッティングエッジ株式会社 代表取締役 竹田 四郎
WEBコンサルタント、SEOコンサルタント。WEBサイトの自然検索の最大化を得意とする。実績社数は2,500社を超える。
営業会社で苦労した経験より反響営業のモデルを得意とし、その理論を基に顧客を成功に導く。WEBサイトやキーワードの調査、分析、設計、ディレクションを得意とする。上級ウェブ解析士、提案型ウェブアナリスト、GAIQの資格を保有する。著書:コンテンツマーケティングは設計が9割