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BtoBとBtoCの意味とは?営業手法とプロセスの違いを解説

BtoBとBtoC

投稿日:2021年9月3日 | 最終更新日:2023年6月13日

BtoBとBtoC、ターゲットが異なるということは理解している方は多いと思います。しかし、アプローチの方法に明確な違いが存在するということはそこまで強く意識できていないという方はいらっしゃるかと思います。本稿ではそれぞれの意味と、アプローチの手法について考えていこうと思います。

BtoB、BtoCそれぞれ営業担当はどのような対応をするのか?

ランディングページや、電話、メールなど顧客からの問い合わせはさまざまなチャンネルが存在しています。

営業担当者は、問い合わせが発生してから商談や見積書などによる提案などを経て最終的に購入や申し込みにいいたるまでさまざまなステップを踏んで顧客とのコミュニケーションをおこない、案件化、顧客化へと落とし込んでいくことになるのです。

BtoB(Business To Business)が企業対企業であるのに対し、BtoC(Business to Customer)の場合には企業対消費者となるため、当然そのアプローチ方法が大きく異なってきます、まずはそれぞれの営業におけるプロセスにどのような違いがあるのかを考えてみます。

BtoBにおける営業プロセスとは

企業間において、商品や原材料などのやりとりを行うビジネスが「BtoB」企業同士の取引であることから一度でも顧客化することができれば、その後複数回に渡って取引を行うといったことに繋がりやすいのが大きな特徴です。BtoBの取引が多くなれば売上の安定化にもつながると考えられます。

BtoB営業プロセスの流れ

問い合わせ → 商談(提案) → 担当者による比較・検討 → 社内稟議による決定 →購買

企業が相手となる営業の場合、問い合わせをしてきた人物が案件や取引に関する決裁権を持っているとは限りません。現場の担当者がさまざまな企業に対して問い合わせをおこない、比較・検討を重ねているというパターンがほとんどです。そういった理由から、商談や提案、コンペなどリード獲得した企業とのやり取りが複数回に及ぶことも非常に多いのもBtoBの特徴と言えるでしょう。

複数の提案機会が与えられる場合、営業担当は顧客のニーズに寄り添いながら、競合他社の商材との比較した際の強みなどをわかりやすくまとめていくことも。商談を通じて、より先方の希望に沿った提案を出来る場合には、通常のメニューを超えて要望を叶えるオーダーメイドの提案をしてみることが重要になります。

BtoCにおける営業プロセスとは

企業と個人の間で商品やサービスを販売するビジネスが「BtoC」となります。街中に溢れているスーパーマーケットや、コンビニエンスストアなどのチェーン店などはすべてBtoCであると言えます。また、実店舗以外のネットショップなど一般ユーザーが利用することのあるサービスのほとんどがBtoC事業であると考えても間違いはありません。

取引の単価がそこまで高くない場合が多いため、どれだけ多くの顧客を獲得し商品を販売することができるか?ということに重きを置く必要があります。

BtoC営業プロセスの流れ

問い合わせ → 商談(提案) → 購買

基本的には、このような流れでBtoCのプロセスは進みます。企業対企業であるBtoBとは違い、社内稟議などは存在しない分シンプルです。

仮に問い合わせをしてきた本人に、決定権などが無い場合でもBtoCにおいてはほとんどが家族・親族などの範囲に限定されることから、比較検討や意思決定までのスピードというのはBtoBよりも短くなる傾向にあります。

「企業対個人」という関係性から、会社自体のネームバリューやブランドの知名度などによって購買の決定が早まるなども考えられます。より名の知れた企業であれば、それだけ安心感を抱きやすくなったり、最初からある程度購入や申し込む前提での問い合わせというパターンも起こり得るのです。実際に商談へと移行する前に、大きく難易度が下がっているという可能性もあるため、BtoCの場合にはブランディング戦略などによってに影響されやすいということも押さえておきましょう。

BtoBとBtoC、営業プロセスにおいて考慮すべき違い

ここまでそれぞれの営業におけるプロセスを紹介してきたことで、ビジネスをする相手が企業か個人かという単純な違いだけではないということはわかっていただけたと思います。担当者がそれぞれの違いとして、営業活動において考えておくべき点はどのようなことでしょうか。

取り扱う商材の価格

まず大きく異なるのはこのポイントです。完成した商品の取引だけではなく、商品を作るための原材料などがBtoBで扱われる場面もしばしばあります。こういった場合には、商品の金額や注文数量なども大きくなり、取引額の規模というのが必然的に大きくなる傾向にあるのは間違いありません。BtoBは複数回交渉を重ねるパターンが存在するため、交渉の中で先方の予算感を探り、より条件に合致した見積や商品を提案することが大切です。

先方の予算が低すぎたり、あまりに条件に合わない商品しか用意ができないと思う場合には、ある程度の段階で交渉を断念することも重要です。

一方BtoCの場合には、商品自体の価格はそこまで高いものは多くありません。単価が低いが故、勢いで購入まで一気に至るということは十分にあります。しかし、BtoCの中でも不動産や自動車、高級腕時計やブランド品など一部の単価が非常に高い商材に関しては例外です。フラっと店に立ち寄って、その時の気分などで購入するといったことはなかなか起こらないものとなりますので、営業担当者のスキルが大きく結果を左右するでしょう。

購入に対する決裁権の所在

BtoBにおいては問い合わせをしてきた人物がそのまま案件に対する業者の選択権や決裁権をもっているという可能性は非常に低いと言えます。中小企業の代表者が直接問い合わせをしている場合などは話が早く進むかもしれませんが、そのような状況は極めてレアケースとなります。

商品の購入や、サービスの導入を現場が希望する場合には、まず社内で稟議を提出し、それに対して直接の上司だけではなく、さらに上席の役員や最終的には社長なども含めた商品を得ることができなければ決裁、契約には至らないのです。

BtoBにおいてはこの「決裁権」を持っているキーパーソンの存在というのが非常に重要となります。同じ会社から同時期に、複数の人間から問い合わせを貰っているといった場合にはより決裁権に近い人物とのパイプを強化していくことが交渉をスムーズに進める上で鍵を握ります。より優秀な営業担当はこの点に関する嗅覚に優れ、交渉を重ねる中でより決裁権に近い人物とのコネクションを作り上げることに長けていると言えます。

では、BtoCの場合はどうか?と言えば、基本的には「購入者=決裁者」である場合がほとんどとなります。営業担当自身が対峙している人物を説得することに成功さえすればそのまま購入まで繋がるというパターンなのです。企業の担当者との交渉とは異なり、購入の意思決定と本人の感情が大きくリンクすることもBtoCでは起こります。「この担当さんの感じがすごくいいから、どうせ買うならこの人から商品を買いたい」などの指名買いのような現象が起こりやすいのもBtoCの特色。商品がデザイン的にカッコいい、この商品を持つことにステータスを感じるといった感情を起点にして、衝動的に購入まで至ることもあるため営業は、購入者の感情を揺さぶるようなアプローチ方法を取ることも有効な手段と言えるでしょう。

購入意思を決定するまでの検討期間

取り扱う商材にもよりますが、BtoBの検討期間は非常に長くなる場合が多いです。長期的な計画に採用する商品の選定などについては、1年近く検討を重ね、さまざまな企業からの提案を聞きながら、徐々にふるいにかけて吟味していくといったパターンも非常に多くなります。ロングスパンでの交渉によって、大きな契約を獲得するためにはしつこくならない程度に担当者との良好な関係性を維持しながら、根気強く長距離走のランナーのような姿勢で交渉を重ねることが大切です。

BtoCの場合には、このリードタイムはBtoBと比較すると大幅に短いものがほとんどとなります。価値観は人によって異なるため、一概には言えない部分ももちろんありますが、コンビニで目にした新商品を衝動的にカゴに入れてしまうような人はそこそこ存在するように、認知から瞬間的に購入の判断に至るというパターンも存在するのがBtoC
の世界なのです。短いものでは数分、低単価の商品であれば長くても1週間程度で購入するか否かを判断する消費者は多いでしょう。
価格の項でも触れましたが、BtoCにおいて例外的に検討期間が長くなるのは、単価の大きい商材(不動産、自動車、ブランド品)が中心です。単価がそこまで高く無い場合にでも、検討期間が長くなる可能性があるものとしては家電製品が挙げられるでしょう。
次々に新しい製品が発売され、競合商品も多数存在、機能の違いや本当にその機能が自分に必要なのか?などを考えた時、型落ちのモデルなども比較検討対象となることが期間を延ばす要因にもなっています。
顧客と対峙する営業担当は、短期間の勝負を多数こなすことが求められるのがBtoCです。

まとめ

BtoBとBtoCそれぞれの特色を押さえた上で、営業をするのと闇雲に営業をおこなうのでは大きく異なります。顧客の傾向や、価格、検討期間などについてもきちんと理解して営業アプローチをすることが売上にもつながるということを意識していくことが重要なのです。

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