投稿日:2021年9月9日 | 最終更新日:2023年6月13日
サイトのリニューアルをすることで、ユーザーに与える印象やサイトの機能にも大幅な改善を加えることが可能です。そしてそれ以上の波及効果も多数存在しています。サイトリニューアルを実施する際、どのようなポイントに気をつけるべきかなども紹介します。
まずは既存のサイトの問題点を洗い出すべし
サイトのリニューアルのきっかけとなるのは、反応率の悪さやそもそものアクセス数が低いといった根本的な問題を改善することにもあるはずです。既存サイトと同じ轍を踏まないためには、まず「既存サイトにどのような問題点が存在しているのか?」ということを徹底的に洗い出すことから始めていきましょう。
問題点例)そもそものサイトが古い
サイトのデザインがコロコロ変わりすぎるのも決して良いとは言えませんが、5年以上まったく何も変えず同じデザインのサイトを使い続けているというは正直最悪です。もはやそのようなサイト自体は大幅に減っていますが、スマートフォン向けの表示に対応していなかったり、SSLに対応していなかったり、CMSの更新がされていなかったりするとセキュリティにおける不安もどんどん大きくなっていきます。思い当たる場合には、すぐにサイトのリニューアルを。
問題点例)触り過ぎて、デザインに無理が出てきた
最初にサイトを作成した時点では「これでいい」と思っていても、あとからどんどん「こんな機能が欲しい」「ここにバナーを載せたい」「ここに、こんなテキストが欲しい」といったことを繰り返していくと、当初のデザインテイストやバランスというのは当然崩れていきます。部分出来な改修や機能の追加を何度も繰り返すことはサイト自体の統一感にも影響を及ぼし、どんどんコストもかさんでいきます。大きなテコ入れを入れたりする場合には思い切ってリニューアルしてしまうというのも一つの手段と考えましょう。
問題点例)コンバージョンの著しい低下
同じようなユーザーに対してアプローチをしているにも関わらず、コンバージョンが低下してくることがあります。バナーデザインに対してテコ入れしてみたり、リスティングのテキストを変更したりなどの対応を策を打ってもコンバージョンが改善しないという場合にはサイト自体のリニューアルをすることで見せ方を変えることが効果を発揮する場合も。
リニューアルすることによって生まれるメリット
リニューアルには問題点を解消するということはもちろん、さまざまなメリットが生まれます。リニューアルのタイミングで意識しながら取り組むべきメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
デザインの大幅なアップデート
WEBサイトのデザインには数年周期で新たな流行が生まれています。あまり流行を追いすぎると「あ、あの時期に作ったサイトだ」といった印象を与えてしまう可能性もありますが、いつまでも古臭いイメージのまま放置しておくことも良くはありません。
ユーザーに対して与えるイメージを一新することができるので、企業イメージやブランドイメージを刷新することも可能となります。商品のリニューアルや、リブランディングなどの機会に、サイト全体もリニューアルをおこなうということも、もちろんいいタイミングと言えるでしょう。
この際、各種SNSのアイコンなどが古いままだったりすると与える印象の統一ができなくなりますので、サイトデザインのリニューアルの際にはSNS周りについても気を遣うことが重要です。
コンテンツの整理
長期間継続して運用しているサイトの場合、定期的にコンテンツを追加作成していると、本当に重要なことが開設当初と比べると埋没して見えてしまったり、よりユーザーに対してアピールしたい内容や商品が生まれてきたりします。どんなサイトでも、長期に渡る運用をしていれば見せ方自体にゆがみやひずみが生まれてしまいますので、コンテンツの構成や見せ方という部分についてもじっくり考えた上でリニューアルに取り組みましょう。
サイト機能面と管理面における強化
UI(ユーザー・インターフェース)・UX(ユーザー・エクスペリエンス)の部分においてのリニューアルをできれば、ユーザーにとってより使いやすいサイトとすることが可能です。
また、サイトのコンテンツ管理においては従来のサイトにおいて多かったHTMLファイルによって構成されている静的ページの場合には、社内に知識があるリソースが存在していない場合にはサイト制作を担当した会社にいちいち情報更新を依頼する必要がありました。
WordPressやMovableTypeなどのCMSを導入することができれば、WEBブラウザで管理画面にアクセスすることによって、軽微な情報の修正、掲載などは簡単にできるようになります。更新の際に都度費用が発生する管理の契約だった場合には、サイトの運用・管理にかかっていたコストの圧縮も実現できるでしょう。
各種SNSとの連携投稿といったシステムを組んでおけば、サイトとSNSの更新を同時に出来るようになるといった点などもリニューアルの際には検討しても良いのではないでしょうか。
SEOチューニングの実施
リニューアルを機に、よりコンバージョンに繋がりやすいワードや新たに対策した方が良いキーワードなどに対しても対応することが可能となります。タイトル、ディスクリプション、キーワード、hタグなどはもちろんより検索されやすいワードに最適化したコンテンツの投下といった施策をするには絶好のタイミングです。リニューアルのタイミングでデザインはもちろん内部のコンテンツもしっかりとSEOを逆算したものへとリニューアルしていくことができるのです。
リニューアルの際に注意すべき点とは
見た目などはもちろん、コンテンツの管理システムにおけるリニューアルなどここまでリニューアルすることに対しての利点について触れてきました。では、逆にリニューアルに慎重になるべきなのは、どのようなものでしょうか?
「そこそこ順位がついている」サイトのリニューアル
SEOの観点から言えば、リニューアルのタイミングでコンテンツ拡充などができればもちろんプラスに働くと考えられます。しかし、Googleが検索アルゴリズムとしているのは単純にキーワードの含有率だけではなくさまざまな要素が複雑に絡んでいるという点を考えれば、もしかするとリニューアル前のサイトの構成やコンテンツ量などが大きく評価をされていた可能性も完全に排除することはできないのです。
ナショナルブランドや、長年不動の検索1位となっているような、上位表示を達成しているサイトであればそこまで慎重になる必要は無いかもしれませんが、上位表示を狙っているキーワードでそこそこの評価を得ることができている場合には、そのワードが絡んでいそうなコンテンツに関しては、構成や内容を触りすぎない方がいい場合も考えられます。
リッチすぎるデザインが、足を引っ張る可能性も
若年層は変化に対して非常に柔軟な対応が可能です。また、他のサイトを訪問した際の経験則などで「だいたいこの辺りにこのメニューがある」といったことも推測することも高齢なユーザーと比べても得意であると言えるでしょう。
しかし、高齢なユーザーは見た目における大きな変化や、使い勝手が大きく変わってしまうと、それについていけないというユーザーも一定程度現れることもあるのです。
デザインはアップデートしつつも、リニューアル前と近い位置配置や、似通ったアイコンを使用するなど高齢なユーザーをメインにしたサイトにおいては一定の配慮も必要であると意識しましょう。
まとめ
WEBサイトをリニューアルすることによって、多くのメリットを享受することができます。しかし、大幅なリニューアルを実施する際にはこれまでに触れてきたような注意すべきポイントも存在するのです。慎重になりすぎて、思い切ったリニューアルが出来ないことも一つのリスクではありますが、SEOやページスピードにおける評価、特に高齢ユーザーが多い場合にはユーザビリティへの意識も含めてリニューアルに取り組んでみてください。
カッティングエッジ株式会社 代表取締役 竹田 四郎
WEBコンサルタント、SEOコンサルタント。WEBサイトの自然検索の最大化を得意とする。実績社数は3,000社を超える。
営業会社で苦労した経験より反響営業のモデルを得意とし、その理論を基に顧客を成功に導く。WEBサイトやキーワードの調査、分析、設計、ディレクションを得意とする。上級ウェブ解析士、提案型ウェブアナリスト、GAIQの資格を保有する。著書:コンテンツマーケティングは設計が9割