ブログ

マーケティングファネルとは?分析を実施するメリットを解説 

セールスファネル

投稿日:2021年9月4日 | 最終更新日:2023年6月13日

「ファネル」という言葉はマーケティングに携わる人であれば耳馴染みのある言葉かも知れません。しかし、その意味を正確に理解し、実際にしっかり活用できているという人はそこまで多くないのではないでしょうか。

今回は「ファネル」の意味と、その活用法について紹介していきます。

ファネルとは?

どうしても英語だとあまり聞きなれない言葉と思ってしまいますが「漏斗」と日本語にすれば何となくわかるかも知れません。液体などを口の細い容器に移す場合などにも用いることがあったり、理科の実験などに用いられる器具でもある漏斗は、ろ紙を乗せ、液体とその中に含まれる粒子をろ過してビーカーに液体を落とす役割を果たしています。

上部は広く、先が徐々に細くなっていく逆円錐型の漏斗の形状が、広くのユーザーにむけて発信された情報から、最終的にコンバージョンに至るまでに絞り込まれていく様子に例えることができることからマーケティングにおいては「マーケティングファネル」という言葉として用いられるようになりました。

マーケティングに用いられているファネルの種類

ファネルの名の通り「漏斗」のように、上が大きく、そして徐々に下に向かうにつれて小さくなっていくというのが一般的な「ファネル」の形です。しかし、近年においてはシンプルなファネルの形に収まるものだけではないという状況になっています。ここでは近年におけるファネルの種類について考えていきたいと思います。

パーチェスファネル

パーチェスファネルは「AIDMA」をそのままファネルとしてもので「Attention(認知)」「Interest(興味・関心)」「Desire(欲求)」「Memory(記憶)」「Action(行動)」がファネル化されている状態のものです。

広告や口コミなどを通して商品・サービスを認知したユーザーの中から、情報を収集するユーザーが現れ興味や関心を抱くように。さらにその一部は商品・サービスを使ってみたいと欲求を感じるようになり、より深く記憶に焼き付いたユーザーが最終的に購入や利用といった具体的なアクションを起こすようになる。もっともシンプルなファネルと言えるでしょう。

インフルエンスファネル

このファネルは商品を購入したユーザーが、その後にどのような行動をするのかについて考えられているファネルとなります。Twitter,Facebook,Instagram,TikTok,YouTubeといったソーシャツネットワーキングサービスをはじめとして、多くの人が能動的に情報を発信できる世の中となり、多くのフォロワーを抱えている人は「インフルエンサー」として情報を拡散するようになりました。また、通常のネット検索ではなくSNSの検索機能を通じて情報を獲得しようとするユーザーが以前と比較しても各段に多くなったことから、その重要性が増しているファネルと言えるでしょう。通常のファネルとは真逆の形状をしているのがその特徴です。

商品を購入または、サービスを利用したユーザーはそれを「継続」します。その中でその商品に対する愛着を抱き、商品のファンつまり「好きになる」のです。そして、SNSや口コミを通じてその良さを「共有・紹介したい」と感じるようになり、最終的には「情報を発信する」という行動に移行していきます。

ダブルファネル

これは、パーチェスファネルとインフルエンスファネルを縦につなげたものを指しています。近年においてはこのワンセットが何度もループを繰り返すことによって、情報が徐々に拡散していくことになっていることがお分かりいただけると思います。

芸能人や著名なインフルエンサーによって紹介されることから始まり、それを直接フォローしている人間が再び情報発信へのファネルへと情報を流していく。2次フォロワーへと情報は波及していき、3次、4次へと波のように情報が伝播していくのです。3次4次へと情報が伝わっている時点では、起点から分岐した複数の情報源からユーザーへと情報が到達している可能性もあり、より説得力や信憑性、流行していると感じる度合いも大きくなっている可能性があります。

SNSが発達する前まではアナログで情報が伝わることが多く、商品やサービスに関してはマスメディアなどによる影響力が大きかったわけですが、直接そして身近な存在から豊富な情報を得ることが容易になった現代においてはダブルファネルを重視することも大切なのです。

ファネルを活用した、マーケティング施策の分析

1,000人のユーザーに向けてダイレクトメールを郵送する施策をしてどのような効果があったか?どの部分を改善すべきかと考えるときにファネルを活用する場合を考えていきます。

①ダイレクトメールをリストから1,000名に発送

②DMを受け取ったユーザーのうち、400人がサイトにアクセス。

③サイトにアクセスしたユーザーのうち、20人が資料請求をおこなった。

④8人が商品を実際に購入した。

①→②に移行する段階では600名が離脱、②→③へと移行する時点では380名が離脱、③→④では12名が離脱して最終的なコンバージョンに至ったのが8名だった。といった形で、どの段階でどれだけのユーザーが離脱してしまったのか?という離脱の時点とその割合をファネルによって明らかにすることになります。

この施策をファネルとした場合、最も離脱率の高かったダイレクトメールの発送、さらにアクセスしたユーザーが資料請求する段階で離脱したユーザーが多かったという点を見直していく必要があるとなるでしょう。

「ダイレクトメールからサイトへのアクセス」という、アナログからデジタルへの移行の段階で離脱しているユーザーが多いのであれば、郵送のダイレクトメールで実施していた部分に関してはリストとして保有しているメールアドレスへのメルマガ発信という形に変えるという案に変えてみれば、郵送や印刷にかかっていたコストも圧縮できるというのも選択肢でしょう。また郵送したリストからアクセスしてくれたユーザーの傾向を分析し、よりアクセスしてくれそうな割合の高いユーザーへと新たな郵送リストを抽出した上で施策を再度実施して、離脱するユーザーに変化があるのか?という点を分析してみるというのも改善案になると思われます。

②→③の段階で離脱してしまったユーザーに対する施策としては、ランディングページの訴求ポイントの見直し、CTAの内容や配置などの見直し、資料請求フォームの項目に関する検討などをおこなうことで、ここの数字の改善につながる可能性も見込めるでしょう。

ファネルを活用することによるメリット

ユーザーが離脱しやすいポイントが可視化できる

先ほど紹介した事例でも活用した通り、マーケティングにおいてどのポイントでユーザーがより「離脱」しやすいのか?ということを、よりわかりやすくすることができるというのがファネルの大きな特徴。

施策精度の向上につながる

離脱のポイントが明確になれば、そこにどのような対策をすればいいのか?というのが明確になります。また、ファネルを繰り返すことによって、情報を送るべきユーザーのペルソナはその精度を高め、より反応する可能性の高いユーザーに対して適切な情報を届けることができるようになるのです。

商品やサービスに関して、一度このペルソナを具体的にすることが出来れば自社でリストを保有していないユーザーに対するアプローチの場合にも施策成功の確率を高めることが可能となります。

ファネルはBtoCに活用できる?

インフルエンスファネルやダブルファネルなどはあるものの、ファネルというのはユーザーが認知からコンバージョンに至るまでの行動が基本的に直線的な動きであるという考えを前提としています。しかし、実際人間が行動する際にはより多くのソースから情報を得ようとすることからもわかるように複雑な動きをして最終的にコンバージョンに至っている人がほとんどであると言えるでしょう。

そう考えた場合、特にBtoCの商品やサービスの場合には、BtoBの場合と比較した場合必ずしもファネルに当てはまらないというパターンが多くなるという傾向となるはずです。

もちろん、BtoCに全く使えないということではありませんが、よりBtoBに向いている分析の手法だということだけは頭に置いた状況で活用することが必要です。

ファネル分析に関するまとめ

徐々に絞り込まれていくユーザーの様子を漏斗状の逆ピラミッドとして捉えることが基本となるファネル分析は、「離脱のポイント」を明確にすることにより優れている分析手法であり、BtoBにより向いてマーケティングの分析の方法です。BtoCにおいてファネルを活用する場合には、他の分析手法などと組み合わせて使うことがより効果的かも知れません。

PAGE TOP