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スローガンとは?企業の事例やタグライン、キャッチコピーの違いをわかりやすく解説

投稿日:2025年3月20日 | 最終更新日:2025年3月21日

街中の看板やテレビCM、製品のパッケージなど、日常生活には多くの「スローガン」が溢れています。皆さんも何気なく目にしている企業の一言メッセージですが、「スローガン」と「タグライン」や「キャッチコピー」の違いを正確に理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。

本記事では、それぞれの違いを明らかにするとともに、コンテンツマーケティングでの効果的な活用方法にもふれながら、企業がどのようにこれらの言葉を組み合わせているのかをご紹介します。自社のブランディングやマーケティング戦略を見直す際、きっと役に立つはずです。

スローガンとは何か?その役割と目的を解説

スローガンは、企業や組織が自らの理念や目標を短いフレーズで表現したもの。いわば“旗印”のような存在で、企業の方向性や価値観を打ち出し、内外に向けてメッセージを伝える役割を担います。ここではスローガンの具体的な目的について解説します。

企業の価値観やビジョンを伝える

スローガンは、企業が大切にしている価値観や将来のビジョンを凝縮した言葉です。たとえば、環境保護に注力する企業なら「地球と共に、未来へ」といったスローガンを掲げることで、「私たちは環境を大切に考えています」という姿勢を端的に示すことができます。

スローガンは企業の『旗印』とも言えるでしょう。人間関係でも第一印象が大切なように、企業にとってもスローガンは重要な自己紹介の手段です。

ブランド認知度を高める

強力なスローガンは、そのフレーズ自体がブランドイメージと結びつき、一種のシンボルとして機能します。たとえば、ナイキの「Just Do It」を見聞きするだけで、スポーツウェアや挑戦する姿勢が自然に連想されるはずです。

想像してみてください。スーパーの棚に並ぶ似たような商品の中で、あなたが知っているスローガンの商品を見つけたとき、つい手が伸びてしまうことがありませんか?これこそがブランド認知度の力です。

ターゲット層への共感を生む

スローガンがターゲット層の価値観やライフスタイルに沿ったものであれば、共感が得られやすくなります。若者向けブランドなら「自由を着こなそう」、ファミリー向けなら「家族の笑顔が未来をつくる」など、想定する顧客の“気持ち”をとらえるメッセージが効果的です。

例えば、若者向けのブランドなら「自由に、大胆に」といったスローガンで、若者の冒険心や自己表現欲求に訴えかけるかもしれません。これは、友達との会話で共通の話題を見つけたときのような感覚です。「この企業は私のことを分かってくれている」と感じさせることで、顧客との絆を深めることができるのです。

スローガンとタグラインの違いとは?

スローガンに似た用語として「タグライン」がありますが、実は目的や使われ方に微妙な違いがあります。

スローガンは企業全体の理念を示す

スローガンは企業全体の理念や長期的な方向性を端的に表すもので、社内外で共通の認識となるケースが多いです。「環境を未来へ」「地球と共に生きる」など、企業理念やビジョンを強く打ち出すものが典型です。

例えば、マクドナルドの「I’m lovin’ it」は2003年から現在まで使用され続けています。これは、家族の中で代々受け継がれる家訓のようなものです。時代が変わっても、その精神は変わらず受け継がれます。

タグラインはブランドを短く要約

一方、タグラインは企業や製品の“本質”をより簡潔に示すものとされます。スローガンとの違いは、主にブランディング要素が強い点でしょう。たとえば、BMWの「The Ultimate Driving Machine」は、車の運転そのものが“究極”であることを示すタグラインといえます。

タグラインは、名刺に書かれる肩書きのようなものです。短い言葉で、その人(この場合はブランド)の特徴や役割を端的に表現します。

使われる場面の違い

スローガンは広告や採用ページ、社内報など、比較的幅広いシーンで使われます。一方、タグラインはロゴと一緒に印刷物やWebサイトのヘッダー、パッケージに添えられるなど、よりブランドの象徴として近い位置に置かれることが多いです。

広告キャンペーン、企業のウェブサイト、社内文書など、多岐にわたる場面で登場します。対して、タグラインはより限定的な使用に留まることが多く、主にロゴと共に使用されます。スローガンが企業の全体的な「物語」を語るのに対し、タグラインはその「要約」や「ハイライト」を提供すると考えると良いでしょう。

スローガンとキャッチコピーの違いとは?

広告などでしばしば混同されがちな「キャッチコピー」と「スローガン」。両者は似ているようで、企業における使われ方が異なります。

スローガンは長期的ビジョン

スローガンは前述のとおり、企業全体の価値観や方向性を示す長期的なメッセージ。社名やロゴとともに、何年も変わらず使われ続けることもあります。例えば、トヨタ自動車の「Let’s go places」というスローガンは、特定の車種ではなく、トヨタブランド全体を表現しています。

これは、企業全体の理念の象徴です。また、トヨタ自動車の「いいクルマづくりは、いい町・いい社会づくり」というスローガンは、企業の社会的責任を強調しています。

キャッチコピーは特定の製品やキャンペーン向け

一方、キャッチコピーは特定の製品・サービスやキャンペーンに向けて作られる場合が多いです。たとえば、新発売のドリンクのために「この一口が、明日の力になる」といったフレーズを作るイメージ。短期的あるいは限定的な訴求に使われ、状況やトレンドに合わせて次々更新されることが一般的です。

また、ある車のモデルに対して「都市生活に最適な1台」というキャッチコピーが使われるかもしれません。これは他の車種には適用されず、そのモデルの特徴を強調するためだけに使用されます。

キャッチコピーは、お店の看板に書かれる「本日のおすすめ」のようなものです。その日や期間限定の魅力を伝えるものなのです。

期間の長さ・スコープが違う

スローガンは企業の根幹的なメッセージを表現するため、長期間にわたって使用されることが一般的です。一方、キャッチコピーは特定のキャンペーンや製品のライフサイクルに合わせて変更されます。

  • スローガン:長期間使用、企業全体を対象
  • キャッチコピー:短期間使用、特定の製品・サービスに特化

    このように、期間やスコープが異なる点が両者の大きな違いです。

有名企業のスローガン事例を紹介

ここでは、世界的に有名な企業のスローガン事例を紹介します。これらの事例を通じて、効果的なスローガンの特徴を学んでいきましょう。

ナイキ:「Just Do It」

1988年に登場し、現在までナイキの代名詞として知られるスローガン。スポーツや挑戦に立ち向かう人へ、シンプルかつ強いメッセージを送ります。

長年愛される理由: 汎用性・インパクト・世界観の一貫性

「とにかくやってみよう」という意味のこの言葉は、スポーツをする人々の背中を押し、挑戦する勇気を与えています。

このスローガンの魅力は、スポーツの枠を超えて日常生活にも適用できる点です。仕事や勉強、新しい趣味の挑戦など、あらゆる場面で「Just Do It」の精神を活かすことができます。これこそが、長年愛され続けている理由の一つでしょう。

アップル:「Think Different」

1997年から使われたアップルのスローガン。革新的なアイデアや、“枠にとらわれない”企業文化を端的に表現しました。

長年語り継がれる理由: イノベーションの象徴・シンプルかつ先進的なイメージ

このスローガンは、アップルのイノベーティブな企業文化と、既存の枠にとらわれない製品開発の姿勢を端的に表現しています。

「Think Different」は、単にテクノロジー製品を売るだけでなく、新しい思考方法や生活スタイルを提案するアップルの姿勢を表現しています。これは、製品を買うことが単なる消費ではなく、新しい価値観への投資であるというメッセージを消費者に送っているのです。

コカ・コーラ:「Taste the Feeling」

2016年に導入された比較的新しいスローガン。コーラを飲むことで得られる楽しさや心地よさといった“感覚”にフォーカスしています。

印象的な理由: 機能面ではなく“感情・体験”に訴えるアプローチ

「Feeling(感覚)」という言葉を使うことで、コカ・コーラが単なる飲み物ではなく、幸せや楽しさ、爽快感といった感情と結びついていることを示唆しています。これは、製品の機能的な面だけでなく、感情的な面にも訴えかける現代のマーケティング手法をよく表しています。

これらのスローガンは、いずれもシンプルで覚えやすく, 企業の価値観やイメージを短い言葉で明確に表しています。

企業がスローガンを作る際のポイント

効果的なスローガンを作るには、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは、企業がスローガンを作る際に押さえるべき主要なポイントを紹介します。

近年、SNSの普及により、スローガンはハッシュタグとしても機能し、ユーザー参加型のキャンペーンに活用されていますのでこの点も考慮したいところです。

簡潔で覚えやすい

スローガンは多くの場合3〜5単語程度にまとめるのが理想です。長い文章では覚えづらく、インパクトも薄れやすいです。SNSやWeb広告など、短い表示領域でもユーザーに届きやすい表現を目指しましょう。

例えば、ナイキの「Just Do It」は3単語で、とても覚えやすいですね。これは、短いフレーズが記憶に残りやすいという心理学的な原則に基づいています。

企業のビジョン・価値観を反映

「かっこいい」だけではなく、企業が長年培ってきた文化や方針に合っているかを確認することが大切です。曖昧な言葉を避け、明確かつ自社らしさを盛り込むのがポイント。

単に耳障りの良い言葉を並べるのではなく、その企業が何を大切にし、どのような未来を目指しているのかを表現することが重要です。

例えば、環境に配慮した製品を作る企業なら「地球と共に、未来へ」といったスローガンが適しているかもしれません。これは、企業のDNAをスローガンに込めるようなものです。

ターゲット層への共感を重視

スローガンは顧客との“共感”を生むきっかけにもなります。ターゲット層のライフスタイルや価値観を具体的にイメージし、「自分のためのブランドだ」と思ってもらえるようなフレーズを選びましょう。

例えば、若者向けのブランドなら「自由に、大胆に」といったスローガンで若者の冒険心に訴えかけるかもしれません。一方、家族向けの製品なら「家族の絆を深める」といったメッセージが効果的かもしれません。

これは、友達と話すときに相手の興味に合わせて話題を選ぶのと同じです。相手の心に響く言葉を選ぶことで、より強い共感を得ることができるのです。

スローガン・タグライン・キャッチコピーの選び方のコツ

スローガン、タグライン、キャッチコピーはそれぞれ異なる役割を持っていますが、選び方には共通するコツがあります。ここでは、これらを効果的に選ぶためのポイントを紹介します。

企業の長期的な目標と整合性をもたせる

特にスローガンとタグラインは10年、20年先を見据えたメッセージである必要があります。一時的なブームに流されることなく、企業の根本的な方向性を示す言葉にしましょう。

例えば、アップルの「Think Different」は、技術の進歩に関わらず常に革新を追求するという企業の長期的なビジョンを表現しています。これは、企業の「北極星」のようなもので、どんな時代でも方向性を示し続けるものです。一方で、キャッチコピーはより柔軟に、その時々の製品やキャンペーンに合わせて変更することができます。

短く力強い表現を意識する

SNSやデジタル広告の時代では、瞬時に目を引く力が重要です。

  • “5〜7文字程度”
  • “英語なら3語程度”

などの簡潔さを意識することで、印象に残りやすくなります。

スローガン、タグライン、キャッチコピーのいずれも、短く力強い表現が効果的です。長い文章は覚えにくく、インパクトも弱くなりがちです。できるだけ少ない言葉で、強いメッセージを伝えることを心がけましょう。

例えば、L’Oréalの「Because you’re worth it(あなたにはその価値があるから)」は、わずか5単語で、ブランドの哲学と顧客への敬意を表現しています。これは、川柳のように短い言葉で深い意味を伝える日本の伝統にも通じるものがあります。

競合との差別化を明確に

「健康」をテーマに掲げる企業が多い中、自社ならではの視点をどこで打ち出すかが重要です。スローガンやキャッチコピーで差別化された価値をわかりやすく伝えましょう。

他には、BMWの「The Ultimate Driving Machine(究極の駆動マシン)」は、他の自動車メーカーとは一線を画す、運転の楽しさを重視するBMWの姿勢を明確に表現しています。これは、お祭りで着る法被のようなもので、一目で「あ、あの企業だ」と認識させる効果があります。

スローガンとは?:まとめ

スローガン・タグライン・キャッチコピーは、それぞれ役割や使われ方が異なるものの、企業のコミュニケーション戦略を支える重要な柱です。今回のポイントを振り返ると、

  • スローガン:企業全体の理念や長期的ビジョンを簡潔に表す
  • タグライン:より短くブランドの本質を示し、ロゴなどと一緒に使われることが多い
  • キャッチコピー:特定製品やキャンペーンの短期的訴求用で、状況に応じて変更されやすい

これらを正しく使い分けることで、ブランドイメージを強固にし、顧客との信頼関係を築くことが可能です。さらに、コンテンツマーケティングの文脈でも、スローガンを起点としたメッセージやストーリーを発信すれば、企業が目指すビジョンをより広く深く伝えられるでしょう。

自社のメッセージがなかなか定着しないと感じる方や、新しいスローガンの導入を検討している方は、この機会に改めて自社のビジョンや価値観を見直し、それを一言で表す言葉を探ってみてはいかがでしょうか?

「スローガン」は、あなたのブランドの旗印を高く掲げるための、最も力強い武器となるはずです。

この記事を参考に、自社のスローガンを見直してみましょう。顧客の声に耳を傾け、時代の変化を捉えながら、企業の本質を表現する言葉を探求し続けることが、ブランド力向上の鍵となるでしょう。

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