投稿日:2024年1月10日 | 最終更新日:2024年1月22日
マーケティングオートメーションは、デジタル時代のマーケティング戦略に革命をもたらします。顧客とのコミュニケーションを自動化し、パーソナライズされた体験を提供することで、リードの獲得から顧客の維持に至るまでのプロセスを効率化します。このツールを駆使することで、ビジネスはリソースを最適化し、成果を最大化できるのです。今回は、マーケティングオートメーションについてご紹介します。
マーケティングオートメーション(MA)とは?
新規顧客の開拓・獲得や見込み顧客の育成といったマーケティングの施策を、パソコンにインストールしたり、クラウドサーバーに接続して使用するソフトウェアのことをマーケティングオートメーション(MA)ツールと呼びます。
MAツールを利用することによって、手動でおこなってきた非効率な業務をある程度自動化することができ、営業部署における社員の顧客情報や営業ステータスを自動で共有することによって、より効率的なマーケティングをおこなうことができるという利点があります。
マーケティングオートメーション(MA)が普及した背景について
MA普及の背景には「高速インターネット網が広く普及した」ということが大きく影響を与えています。インターネット登場以前までは、各社の商圏というのは限られたものでした。もちろん、大企業は全国に支社や営業所などの拠点を設けて大規模に展開していましたが、地場の企業は、地域ごとにチラシやコマーシャルの放映などをすることで認知してもらいそこでビジネスを展開するというのが主流であったはずです。
しかし、インターネットの登場によりユーザー側は自ら膨大な情報から取捨選択し、自らが望む商品やサービスの選択肢を広げるようになったのです。
企業側からしても、商圏を気にすることなく情報発信をすることができるようになり、獲得できるリードもより多くなっていきました。
こうして膨大にリードを獲得できる企業は増加していき、顧客情報や営業ステータスを効率的に管理するために、マーケティングオートメーションのツールが広く普及していきました。
マーケティングオートメーション(MA)に適した業種や業態
マーケティングオートメーションはさまざまな業種・業態でも活用が可能です。それは「BtoB」でも「BtoC」であっても変わりません。導入するツールを選定する際に、「BtoB」向けのツールか、それとも「BtoC」向けのツールなのか?といった部分考慮して考えていくようにしましょう。
さまざまな企業がMAツールを展開していますが、ECサイトのBtoCだけに特化したMAツールを提供する企業も。しかし、一般的にはMAツールの導入が向いている商材というのは、それなりの条件が揃っているものであると言われます。
・ユーザーがネットによる情報収集を積極的に行うもの
・ある程度リードの数が多く集まるもの
・単価が大きい商材であること
これらの条件が揃っているものであれば、MAを導入した際により大きな効果をもたらす可能性があります。
例えば、ユーザーがネットで情報収集をする可能性が高いものだとすれば、情報通信機器の導入や、名刺のデータベースソフト、デジタル請求書サービスなどです。導入の際の費用も大きくなるものであることから非常にMAとの親和性が高いものだと言えます。
また、「BtoC」で考えるとすれば、人材紹介や求人関連のサービスもMAには向いていると思われます。今や求職者は、ハローワークに足を運んで求人票を見るだけではなく、さまざまな求人サイトから情報を収集・比較検討をおこなっています。企業が欲しい人事と、膨大な求職者のデータを人力でマッチングさせることは非常に手間も時間もかかってしまうことを考えても、MAツールを導入し有効活用することが業務効率化にも大きく寄与すると考えられます。
マーケティングオートメーション(MA)が急成長し、注目されている理由
「働き方改革」などが声高に叫ばれるようになった昨今、特に問題になるのが営業部署の働き方です。売り上げを上げるために時間帯問わず働くといった状況に陥る営業マンも多く、業務において効率を高めるというのは多くの企業にとっての課題でした。
特にインターネットの普及によって、多くのリードを獲得できるようになったにも関わらず顧客管理は営業マンが各自で管理しているといった場面もまだ見られています。組織全体としてのマーケティングの強化ということを考えた時、MAツールの導入に注目が集まったのは、必然的な流れと言えるでしょう。
インターネットの普及による、ターゲット顧客の購買行動の変化
高速インターネット回線が普及し、全国どこからでもユーザーが商品やサービスの情報を気軽に入手できるようになりました。また、それによって比較検討のための情報収集もより簡単になっています。また、企業側としても自社サイトだけではなく、広告出稿なども含めたネットメディアからのリード獲得ができるようになりました。
ある調査データでは実際に企業と接触を図る前に、すでに購買行動を決定しているというユーザーも多く存在するため、ユーザーが他社などへ接触を図る前、検討段階で顧客にアプローチを図ることも重要です。
MAツールを活用し、メールなどによってアプローチをかけ、必要であればZOOMなどのビデオ会議室システムを活用するなど、迅速にユーザーとの接触を持つことが大切になってきています。
従来の法人営業の手法の効果が得られにくい環境に変化
営業マンがバリバリに電話によるテレアポをするといった営業手法は、近年営業をかけられる側に敬遠される傾向がより強くなりました。より熱意をもって伝えたいという営業マン側と、電話を受ける側の温度差は高いだけではなく電話自体を苦手に感じる人、電話に対応することによって取られる時間を無駄と感じる人などその営業効率というのは決して高いものとは言いづらい状況です。
また、コロナ禍ということもありフルリモートワークや、週に数日しか出勤しないなど部分的なリモートワークの導入をしている企業も多くなっており、テレアポによるアプローチをかけようとしても、電話をしたい相手がそもそも社内にいないという確率も高くなっています。
マーケティングオートメーション(MA)で得られる効果・メリットとは?
MAの導入によって、営業部門には非常にさまざまな効果をもたらすことが考えられます。売上や効率など以外に、社内における労働環境の改善という点にも注目し、導入を検討してみてはどうでしょうか。
営業効率の改善
営業マンが各自で見込み顧客の管理をしていると、見込み顧客に対するアプローチ状況や検討状況がブラックボックスになってしまうというマイナス点もありました。転職などによって営業マンの入れ替わりがあった場合、本来であれば獲得・案件化ができた見込み顧客の情報が正しく引き継がれないという状況が起こる可能性も。MAツールで見込み顧客のリストを一元管理することによって、これらのマイナスポイントは解消することができるのです。
また、営業マンが持つリストに被りが起こっていたりすると、同一の顧客であったり、同じ企業の別の人物に対してアプローチしてしまうといった非効率な状況が回避できるようにもなりました。MAツールの導入によって、営業効率の面で大きく改善できる企業はまだまだ多くあると考えられます。
見込み顧客を取り逃さない
MAツールの多くには、見込み顧客の情報にランクやフラグの設定ができるものが多くあります。アプローチから数か月経過した場合などででも、顧客の検討状況のステータスを確認することによって、追客(後追い営業)も可能となるので、一度獲得したリードを無駄にすることが少なくなるというポイントがあります。
商談化・受注率のUP
MAツールによって、見込み顧客の情報を組織的に共有できることはより具体的に案件を前に進めていくことにもつながります。
また、営業成績があまり高くない社員の案件を、受注率の高い社員がアドバイスやサポートしたりすることによって組織全体として見込み顧客との商談設定機会や、受注率を向上させることも見込むことができます。
離職率の低下、従業員満足度の向上
企業の中でも「売上」や「成果」がより具体的かつ強く求められる営業部署において、離職率が高く、社員の入れ替わりが早くなってしまうという傾向もあります。
個人成績が高い社員にとってはノルマの達成率などが評価基準になっていることはプラスでありモチベーションにもなるため、それを競わせることによって売上を上げていくという方法もあります。
しかし、過度な個人ノルマ至上主義は営業メンバーに対して強い心理的負荷を与えることにつながるのです。個人のノルマも大切にしつつ、組織全体の営業効率や受注率というのも基準とすれば営業部署に所属する社員にとって満足度の上昇につながるほか、離職率が下がることになれば、組織的営業ノウハウの蓄積などのよりプラスの効果をもたらす可能性を秘めています。
マーケティングオートメーション(MA)と出版
営業手法やユーザーの行動変化に伴い、マーケティングオートメーションを導入することが非常に重要になっています。インターネットにおいては能動的にユーザーが検索をすることによって商材やサービスとの出会いというものが起こるほか、広告出稿によって新たなリードを獲得することも可能です。しかし、ネットだけがリード獲得の機会を創出するというわけでは決してありません。
駅や電車・バスなどの社内広告や雑誌広告、テレビCMなどマーケティングにはまださまざまな手法があります。そして、出版というのも、有力なマーケティング手法の一つと言えるでしょう。
書店の売り場という空間やAmazonなどネット書店のレコメンドでも、ジャンルなどによって興味・関心をある程度絞り込んだユーザーにアピールが出来るという利点があるほか、軽く情報を仕入れるというのではなく、専門的な知識に触れたり、自身の知識を深めたいという意思を持ったユーザーが多く集まる傾向も見られます。
書籍を読んで興味を抱いたユーザーを、WEBサイトに誘導。そこでさらにホワイトペーパーのダウンロードや、資料請求といったリードの獲得にもつながる可能性が高いのが出版の魅力とも言えるでしょう。
コンテンツマーケティングにおけるWEBコンテンツからのWEBサイト誘導も同様に言えます。
マーケティングオートメーション(MA)のまとめ
自社サイトやさまざまな広告手法とともに、出版、コンテンツマーケティングなども組み合わせて活用することで獲得できるリードを最大化することが大切です。MAツールは営業部署全体で上手く使いこなすことができれば、獲得した大量のリードを無駄にすることなく、営業効率や売上のアップを期待することができるでしょう。
カッティングエッジ株式会社 代表取締役 竹田 四郎
WEBコンサルタント、SEOコンサルタント。WEBサイトの自然検索の最大化を得意とする。実績社数は3,000社を超える。
営業会社で苦労した経験より反響営業のモデルを得意とし、その理論を基に顧客を成功に導く。WEBサイトやキーワードの調査、分析、設計、ディレクションを得意とする。上級ウェブ解析士、提案型ウェブアナリスト、GAIQの資格を保有する。著書:コンテンツマーケティングは設計が9割