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「KGI」「KPI」とは?似通った言葉の意味とその違いについて解説

KGIKPI

投稿日:2025年3月14日 | 最終更新日:2025年3月17日

マーケティングやWEB戦略に携わる人なら、一度は耳にしたことがあるKPIKGIという言葉。どちらもアルファベット3文字で略されるうえに、一文字違いなので紛らわしいと感じる方も多いでしょう。

この記事では、KPIとKGIの基本的な意味や違い、さらに設定のコツや注意点について解説します。また、コンテンツマーケティングにおいても指標設定が重要となるケースが多いため、そちらにも触れていきます。正しく指標を設定・運用すれば、チーム全体の目標意識が高まり、成果が可視化しやすくなるはずです。

KGIとは

KGI(Key Goal Indicator)は日本語で「重要目標達成指標」とも呼ばれ、組織やプロジェクトが最終的に目指すべきゴールをどれだけ達成できているかを示すための指標です。

「Goal」の単語が含まれるように、最終的に到達すべき目標や成果のことを指します。ビジネスにおいては、売上目標市場シェアの拡大など、最終ゴールとして設定されがちです。

たとえば、ECサイトなら「1年後に売上◯億円を達成する」「3年以内に会員数を5万人にする」などがKGIの例にあたります。

遠回しな表現になりましたが、「Goal」という単語が含まれていることからもわかるように最終的に目指すべき、達成すべき「ゴール」というのがKGIであるという理解で間違いはありません。

KPIとは

KPI(Key Performance Indicators)は「重要業績評価指標」と言われ、KGIを達成するために必要なプロセスや中間的指標を数値化したものです。

KPIは達成すべきゴール(KGI)に対して、どの程度進捗しているかを計測するための“道標”となります。例えば、ECサイトで「月間◯件の新規会員登録」「広告からのCVRを◯%以上」と設定すれば、それらを毎月ウォッチし、KGI達成に向けた進捗を管理するわけです。

KPIは “中間ゴール” とも言えます。KPIをしっかり設定し、モニタリングしながら改善を重ねることで、最終目標(KGI)へ近づいていきます。

WEBのマーケティングにおいては、ユーザーのセッション数や、バナーのクリック数などKPIとなる指標は無数に存在しますので、KGIを達成するために必要な指標を選択し、KGIから逆算して設定することとなります。

KPIとKGIの違いについて

両者の違いを簡潔にまとめると

  • KGI:最終ゴール(例:年間売上◯億円、会員数◯万人など)
  • KPI:ゴールへ到達するための中間指標(例:月間新規会員数◯人、広告CVR◯%など)

KGIが「結果」を評価する数値なら、KPIはその「過程」や「進捗」を評価する数値です。たとえば「1年後に売上1億円(KGI)」を達成するために、「◯件の新規顧客獲得」や「客単価を◯円アップ」などをKPIとして設定します。

KPIとKGIの関係性について

例えば、あるフィットネスクラブが新規店舗で「オープン後1年以内に会員3,000人獲得」というKGIを設定したとします。

  • KGI
    1年以内に会員3,000人
  • KPI(複数設定の例)
    1. 月間ノルマ:1ヶ月あたり250人(合計12ヶ月で3,000人)
    2. 広告施策の獲得数:リスティング広告で毎月100人、SNSキャンペーンで50人、近隣住民向けポスティングで20人 …etc
    3. 体験入会数:毎月最低300人達成し、その中から実入会100人を狙う …etc

こうした細分化されたKPIを達成していくことで、最終的なKGI(会員3,000人)に近づく仕組みです。

KGIに対してKIPは一つではありませんが、まず目標達成に関して言えば人数のKPIというのが存在することとなりますひと月に250人、半年後に1,500人獲得をクリアできていればギリギリKGIを達成することは可能でしょう。

KGIという大きな目標を掲げることは、向かうべき方向がきちんと明確になることによって、社員・従業員のモチベーションの向上も望むことができるでしょう。

KPIの設定はなぜ必要なのか?

「最終目標(KGI)があれば、そこを目指して頑張るだけでいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、現場レベルでスモールステップを踏んでいくためにはKPIの設定が重要になります。

KPIがもたらす効果①:目標をより明確にできる

KPIを定点観測しておくと、どれだけゴールに近づいているかが定量的に把握できます。月ごとの実績を振り返り、「今は目標の◯%達成」「余裕がある/遅れている」という判断が可能になります。

大きな目標を漠然と追いかけるのは簡単なことではありません。マラソンランナーも途中の5キロごと10キロごとに設定された目標を一つずつクリアし、ゴールへと近づいている実感を得られるからこそ走ることができるというもの。小さな達成感を積み重ねながら、確実に目標に向けて前進していると感じられることはモチベーションのひとつともなるのです。

KPIがもたらす効果②:達成度合いを俯瞰できる

KPIを定点観測しておくと、どれだけゴールに近づいているかが定量的に把握できます。月ごとの実績を振り返り、「今は目標の◯%達成」「余裕がある/遅れている」という判断が可能になります。

まさに、目標を「見える化」することにつながります。具体的な数値として「可視化」されれば、いつまでにこの目標を達成するのか?目標達成にどれだけ足りていないのか?といったことを客観的な「数値」として意識することにも繋がるため、目標に関わるすべての人が目標達成のための進捗状況を把握することが可能になります。

KPIがもたらす効果③:軌道修正が可能になる

もしKPIが予定より大きく下回っていれば、早期に対策を打つことができます。例えば広告予算を増やす、新たな施策を入れるなど、KGIへの遅れを最小化する戦略が立てやすくなります。

無我夢中で目標に向けて走り続けていたら、本来いるべき位置から大きく離され、なかなかこのビハインドを目標時期までに挽回できそうにないといった状況も訪れるでしょう。そんな時、早い段階で気付くことができれば他にどのような手法や施策を投入すれば少しでもそのギャップを埋めることが出来るのか?という対策を練ることができるのです。

また、あまりにKPIから大きく水をあけられているとすれば、そもそも「KGI」がきちんとした根拠にもとづいた設定だったのか?最初からかなり無理な設定だった可能性も出てきます。

後から振り返るとき、設定したKGIの妥当性を検証する上でも重要なデータとなりますので、KPIと実績の乖離データと言うのも重要なものなのです。

目標達成のためにKGIとKPIの設定のコツ

KGI/KPIを設定する際のポイントは、現場に根付いた具体的かつ実行可能な数字を定めることです。形だけの数値目標では意味がありません。

KGI、KPI設定に便利な「SMARTの法則」

SMARTの法則は、目標設定時にしばしば引用されるフレームワーク。以下の5つの基準を満たしているか確認するのがコツです。

  1. S(Specific) 具体的である
  2. M(Measurable) 測定可能である
  3. A(Achievable) 達成可能である
  4. R(Relevant) 関連性がある
  5. T(Time-bounded) 期限が明確

Specific

目標が曖昧だと行動に落とし込みにくいので、できるだけ数値や固有名詞などで具体化します。KPIやKGIに関わる人が共通の目標に向かいやすくなるという利点があります。SMARTの「S」は、「Specific=具体的な」の頭文字を取ったものです。

Measurable

結果を測定できる指標でなければ、成功かどうか判断できません。目標には定点かつ定期的に客観的な数値などで計測できるということが重要です。SMARTの「M」は、「Measurable=計測可能な」の頭文字を取ったものです。

Achievable

現実とかけ離れた目標はモチベーションを下げる可能性大になります。どんな目標であっても簡単にクリアできてしまうような目標設定では組織としての成長は望めませんが、「絵に描いた餅」や「机上の空論」と感じてしまうような現状とかけ離れたものが設定されてしまっては、それに関わる人の士気が低下してしまいます。

過去の実績や、景気などの要素を鑑みながら、達成できる可能性のある絶妙な高さの目標を定めることが求められます。SMARTの「A」は、「Achievable=達成可能な」の頭文字を取ったものです。

Relevant

企業全体のKGIと整合性があるか、あるいは部署同士で矛盾していないか。最終的な目標である「KGI」と中間目標として設定される「KPI」、そして目標達成に関わる人々が個人で掲げる目標はすべて関連性がある方がより目標達成に近づきやすくなります。SMARTの「R」は、「Relevant=関連した」の頭文字を取ったものです。

Time-bounded

期限を決めないと行動が先延ばしになりがちで、結局結果が出ないままになる場合が多いです。期限を決めなければダラダラと先延ばしになってしまう可能性も高くなります。SMARTの「T」は、「Time-bounded=期限を定めた」の頭文字を取ったものです。

KGI/KPIの具体例

例えば、化粧品メーカーが自社ECサイトを運営しているケースを想定してみましょう。

  • KGI:「2年後までにEC売上を20%増やす」
  • KPI
    1. 3か月ごとに売上を+5%上昇させる
    2. 新規顧客の獲得数を月間500人→600人に増加
    3. 客単価を平均3,000円→3,500円にアップ
    4. SNSフォロワー数を1年間で5,000→8,000に増やす …etc

このように複数のKPIを設定し、それぞれの数値目標を追いかけることでKGIの達成を目指します。データを収集・分析しながら、計画どおりに進んでいないKPIがあれば別途施策を追加・変更して対処します。

このように、最終的な目標「KGI」を達成するために、どのようなステップを踏めば良いのか?ということを考えながら「KPI」を設定することが大切です。

WEBマーケティングでよく用いられるKPIの指標

以下に、WEBサイトやコンテンツマーケティングでよく使われるKPIをご紹介します。いずれも具体的数値として設定でき、定期的にモニタリングしやすい指標です。

PV(ページビュー)

サイト全体がどれだけ閲覧されているかを示す基本的な指標。広告配信・SEO対策・SNS拡散などの施策効果を把握しやすいです。

広告配信などによってどれだけの集客ができているのか?ということを図る上でももっとも基本となる数値となりますので、PV数の増減というのには注目しておくことが求められます。

UU(ユニークユーザー)数

どのくらいの人がアクセスしているかを表す指標。重複せずユーザー数を把握できるため、PVより精度が高いです。

ひとりのユーザーが何度同じサイトにアクセスした場合にも、UU数は「1」とカウントされることになりますので、「のべ人数」ではないより正確なユーザー数をカウントすることができるのがこの指標です。

セッション

ユーザーがサイトを訪問して離脱するまでの一連の行動。「訪問数」と呼ばれることも多いです。

セッション数というのは、そのセッションが何回起こったのかを計測した数値です。セッションという言葉を用いることなく「訪問数」などの表現も存在します。

直帰率

訪問したページだけ見てサイトを離脱したユーザーの割合。高すぎる場合は、ランディングページの内容や誘導設計に問題があるかもしれないです。

この数値が高い場合にはページそのものに魅力を感じられていない可能性も出てきます。広告展開をしているのであれば、ランディングページ自体の見直しや、展開している広告との間に大きなギャップが生まれていないか?といった点を見直してみることも必要かも知れません。

回遊率

サイト内の複数ページを見てもらえているかどうか。回遊率が高いほど、コンテンツがユーザーの興味を引き、サイト内の導線設計が上手くいっている証拠とも言えます。

回遊率の高いサイトであれば、ユーザーの興味関心に対して応えるコンテンツが用意されているサイトであると考えることができます。

CVR(コンバージョンレート、コンバージョン率)

セッションの数から、設定したコンバージョンがどれだけ発生しているのか?というのがこの数値です。商品の購入や、資料請求などサイトによって異なるコンバージョンがどれだけ達成されているのかがわかるのがCVRとなります。

顧客単価

1回の購買での平均購入金額。ECだと「まとめ買い促進」「セット販売」などで単価アップを図る施策がポイントになります。

特にECサイトなどにおいて重要な指標となるのがこの顧客単価です。ユーザーが一度に購入する金額というは売上を伸ばすためには必要不可欠です。複数の取り扱い商品がある場合には合わせ買いや、セット割引などの施策によって単価上昇を見込むことができるでしょう。また、単一商材のECサイトの場合には定期購入などの方式を導入することで顧客単価を上げ、より長期的に利用してもらえる仕組みを工夫してみることも大切です。

資料請求数、問い合わせ数

単価の高い商材やBtoBでよく用いられる。CVRと合わせてモニタリングすると施策効果がわかりやすいです。

単価が比較的高く、検討期間が長い商材の場合には、資料請求や問い合わせの数をKGIやKPIとして用いる場面も出てきます。より多くの問い合わせを生み出し、見込み顧客から最終的に顧客へと育てていくことが最終的に売上へとつながります。

CPA(顧客獲得単価・成果単価)

1件の購買・問い合わせを獲得するまでにかかった広告費や施策コスト。CPAが高騰すると投資効率が悪化し、早めの対策が必要です。

CPA(Cost per AcquisitionもしくはCost per Action)が低く抑えられている場合には、広告の費用対効果が非常に良い状況だと言うことが可能です。顧客が獲得できていても、1件当たりのCPAが全く見合わない状況であると感じたなら、広告施策に関して大きく転換する必要が出てくる可能性も考えられます。

リピート率

一度購入したユーザーが再購入した割合。サブスク商材などで特に重要です。ロイヤルカスタマーの存在は売上の安定に直結します。

売り上げを伸ばすためには新規顧客を開拓するだけではなく、既存顧客が繰り返し購入し、 固定客が増えることによって、売上のベースを形成することでより安定した状況を生み出すことになります。リピート率が非常に高い商品であれば、既存顧客に対する手厚いサービスやキャンペーン展開なども視野に入れても良いでしょう。

メルマガの開封率・クリック率

メール施策の効果を見る上で必須のKPI。タイトル付けや配信タイミング、セグメント配信の工夫などで数字が大きく変わります。

配信しているメールのタイトルや、配信時間帯、などパターンを変えて効果を検証することで、配信の最適化を図ることがメルマガの施策では非常に重要となります。メール配信などの機能があるMAツールなどを利用することが可能であれば、より正確な分析が可能となりますので、導入を検討してみることもおすすめです。

KGIとKPIを理解して、正しく運用しよう

KGI/KPIは、単に「数値を掲げるだけ」で終わるものではありません。大事なのは、その数値設定に納得感があるかどうかと、それを社員や関係者全員が共有し、モニタリングしながら適切に軌道修正していくこと。

  1. 現実的かつ挑戦的な目標をSMARTの法則に沿って設定
  2. 部署や個人ごとにKPIを割り当て、モニタリングを仕組み化
  3. 定期的な会議やレポートで進捗確認し、必要ならプランを修正
  4. KGIに到達したら評価やフィードバックを行い、次の目標づくりに活かす

また、コンテンツマーケティングにおいては、記事のPVやSEO順位、SNS上のエンゲージメントなどをKPIに設定し、最終的には「リード獲得数」や「購買・申し込み数」(KGI)を目指すケースが多いです。

KPIに「これまで利用していなかった手法で、新規顧客を20名獲得したい」といった目標を掲げるのであれば、コンテンツマーケティングを実施することで顧客を増やすということももちろん可能となります。

まとめ

KGIは最終ゴール、KPIはそのゴールに向かう“道しるべ”です。

  • KGI=「結果(達成すべき大目標)」
  • KPI=「プロセス(中間指標)」

設定時にはSMARTの法則を活用しながら、組織の現状と目標をすり合わせることが重要です。WEBマーケティングでよく使うKPI(PV、CVR、顧客単価など)を適切に選べば、データドリブンな運用が行え、軌道修正のタイミングも逃しません。

KGI/KPIを正しく設計・運用すると、組織が同じ方向を向き、目標に向かって進捗を共有しながら着実に成果を上げられるでしょう。ぜひ自社のプロジェクトにも活かしてみてください。

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