投稿日:2025年3月17日 | 最終更新日:2025年3月17日
一昔前までは、他ドメインからの「外部リンク」対策がSEOで効果的だと考えられていました。しかし、スパム的なリンク手法が横行した結果、2025年現在ではGoogleアルゴリズムの高度化により、外部リンクによるSEO効果は以前と比べて厳しく評価される傾向です。
その一方で、サイト内部の構造を最適化し、クローラーやユーザーが情報を得やすいようにする「内部リンク」は、引き続き重要な要素として注目を浴びています。正しい内部リンクの設計は、検索エンジンがサイトを適切にクロール・インデックスし、ユーザーにとっても読みやすくなるなど、多くのメリットをもたらします。
ここでは、内部リンクがもたらす効果や具体的な貼り方のコツを、コンテンツマーケティングの観点を交えながら解説します。
全く内部リンクが設定されていなかったらどうなるのか?

サイト内のページ同士がほとんどリンクされていないと、検索エンジンのクローラーが適切にサイト構造を把握できません。新規ページを作っても認識されず、インデックスされにくいなどのデメリットが生じます。
クローリング頻度が他サイトと比べて低くなる
クローラーはリンクを辿ってサイト内を巡回します。内部リンクが不足していると、クローラーが一部ページだけで止まってしまい、新しいページや深い階層のページを見つけられないことも。結果、コンテンツ更新の反映が遅れたり、そもそもクロール頻度が下がっってしまいます。
意図しないページが上表示される可能性
サイト運営側が「このページを最重要ページにしたい」と考えていても、内部リンク構造が不十分だとクローラーにサイトの意図が伝わりにくく、思いもよらない下層ページが検索結果で上位に来てしまうこともあり得ます。
もちろん、上位表示されれば良いという考えもあるでしょうが、仮に内部リンクが全くない状態のページにユーザーがたどり着いたとして、それは果たして意味のあることでしょうか?アクセスしてもらったユーザーにより有益な情報を提供し、自社の商品やサービスを深く知ってもらうためには、内部構造は欠かせません。
新規コンテンツがインデックスされない
特にコンテンツマーケティングを積極的に行う場合、新規記事やコラムを頻繁に追加します。ところが、内部リンクを貼っていないとクローラーがその新規ページを認識できず、結果としてインデックスもされない危険性が高まります。せっかく書いた記事が検索結果に出ないのは大きな損失です。
内部リンクの生成は、SEOに効果があるのか?

「内部リンクを強化すれば、そのままダイレクトに順位が上がる」という単純な話ではありませんが、間接的なSEO効果は十分に見込めます。クローラーが回遊しやすくなり、評価対象のページを明確化できる点が大きいからです。
より評価を受けたいページにリンクを集中する
自社サイトで特にプッシュしたい商品ページやランディングページがあるなら、サイドメニューやブログ記事内にアンカーテキストリンクを設置して、ユーザー・クローラーともに誘導しやすくするのがおすすめです。
ただし、関連性のない箇所から無理やりリンクを貼るのはNGです。
検索エンジンは「あ、このページはサイト内でも重要なんだな」と認識しやすくなります。
新商品の紹介ページをサイドカラムに設置したり、ブログやコラムの記事で取り上げることをすればアクセスしたユーザーの目に留まるチャンスは自然と広がるでしょう。
リンク数が多いだけで高く評価するという単純なアルゴリズムではありませんが、WEBサイトの中で内部リンクが集中していれば、「それだけこのコンテンツが重要なものである」と検索エンジン側が捉える可能性は十分にあります。
不自然で過度な内部リンクにはリスクも
特定キーワードで上位表示を狙いたいがために、アンカーテキストを全ページから同じ文言で張りまくるなどの行為は避けましょう。2025年現在のGoogleは不自然なリンクに敏感であり、ペナルティリスクを伴います。内部リンクは自然な範囲内で配置し、ユーザーにも役立つ形で設定するのが重要です。
「ユーザービリティ」側面から考える内部リンク

内部リンクはユーザーがサイト内をスムーズに回遊するための道しるべでもあります。ここでは、具体的な配置例をいくつか紹介します。
グローバルナビ、サイドメニュー、フッターへのリンク設置
- グローバルナビ:各ページ共通で表示されるメインメニュー。
- サイドメニュー:ブログ記事一覧、カテゴリー一覧など。
- フッター:お問い合わせ、利用規約、サイトマップなどを配置。
ヘッダーやサイドメニュー、フッターなどページに共通のものとして設置されるメニューたち。「ページ」単体としてではなく「サイト」全体として運用していく上ではページ同士を円滑に繋ぐことができる装置として必要不可欠であることはおわかりいただけるかと思います。
原則、全ページに共通のメニューとして上部に設置される「グローバルナビ」と呼ばれるものや、複数カラムのサイトの場合にはサイトの右側もしくは左側にサイドメニューを設置することによって、ユーザーがサイト内にどのような内容が掲載されているのか?をよりわかりやすくすることが可能に。ユーザーの閲覧ページ数や滞在時間を伸ばすことができ、より深く商品やサービスのことを理解してもらえるという意味でも大きなプラスにつながります。
コラムやブログのようなコンテンツの場合には、掲載記事の下部に「前の記事へ」「次の記事へ」などの回遊を促すようなリンクを設置したり、サイドメニュー内に月ごとのアーカイブや、記事カテゴリー、タグごとのアーカイブへのリンクのほか記事検索機能などをサイドメニューに掲載しておけば、ユーザーのサイト内回遊にも貢献してくれます。
追従型のグローバルナビを設置していても、固定ページが多く存在する場合にはメニュー数を絞り込んでいることもあるかと思われます。スマートフォンやタブレットではハンバーガーメニューとして折り畳まれ、表には見えていないとユーザーとしては他ページへの導線を見逃す可能性もありますので、フッターにも網羅的にページリンクを設置するというのも良い選択だと言えるでしょう。
WEB検索からサイトへたどり着くユーザーが必ずしもサイトのTOPにランディングするとは限りませんので、わかりやすい内部構造の設定が必要です。
これらを整備することでユーザーは全ページから主要ページにアクセスしやすくなり、サイト内での離脱を防ぎやすくなります。
パンくずリストを設置する
「ホーム > カテゴリ > サブカテゴリ > 現在のページ」というように、自分がサイトのどの階層にいるのかを表示する仕組みです。大規模サイトやECなど階層構造が深い場合は特に有効。
- ユーザーにとっては迷子防止
- クローラーにとってもサイト構造を理解しやすい
グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」で主人公の兄妹が森の中を進むうちに、迷ってしまわぬように帰り道の道標として森に落としていた「パンくず」が語源となっているWEBサイトにおける「パンくずリスト」。サイトの上部に設置しなくてはいけないというものではありませんので、パンくずリストが上部にあることによってデザインを極端に損なうと感じるのであれば、ページの下部に設置しても構いません。
アンカーテキストリンクの設置
記事本文の中で商品名や関連記事にリンクを貼る方法です。ユーザーにとって自然な流れで「もっと詳しい情報はこちら」と誘導できるので、サイト内回遊率や滞在時間もアップしやすいです。
テキストコンテンツの中で、関連商品やサービスを紹介する場合などには商品名に商品紹介ページのリンクを必ず設定しておくといったことも重要です。
内部リンクとコンテンツマーケティングの関係

内部リンク設計は、コンテンツマーケティングとも深く関わります。特に「トピッククラスター」や「ピラーコンテンツ」を意識した構造では、中心となる主要記事(ピラー記事)と関連するサブ記事を内部リンクで繋ぐことで、検索エンジンとユーザー双方に「このジャンルに関する専門的・網羅的な情報を提供しているサイトだ」と認識してもらいやすくなります。
- ピラー記事:ターゲットテーマの全体像や概要を扱う中心コンテンツ
- クラスター記事:ピラー記事と関連性のある個別トピックを深掘りした記事
- 内部リンク:ピラー記事とクラスター記事を双方向で相互リンク
こうした構造を整備することで、コンテンツの深掘り度や網羅性をGoogleが評価し、「E-E-A-T」(Experience・Expertise・Authoritativeness・Trustworthiness)**の向上にも繋がる可能性があります。
参考記事:トピッククラスターモデルとは?実施方法やメリットをわかりやすく解説
まとめ
内部リンクは、検索エンジンのクロール効率向上やユーザーが欲しい情報にたどり着きやすくなるなど多面的に効果を発揮する重要な仕組みです。もちろん、リンクを貼りすぎると逆効果になる場合もあるため、自然かつ必要十分な導線を設計することが肝心。
- クローラー視点:適切にリンクが張られていればサイト構造を正しく理解しやすい
- ユーザー視点:必要な情報へスムーズに移動できる
- コンテンツマーケティング視点:主要記事と関連記事を繋いでトピッククラスターを構築しやすい
自社サイトを改めてチェックし、内部リンクの最適化が不十分な箇所があればぜひ改善してみてください。検索結果での評価向上だけでなく、ユーザビリティの改善やサイト全体の滞在時間UPにも繋がるはずです。
アクセスを生むコンテンツ制作に興味のある方は、下記特典を参考にしてください。内部リンクのことも触れています。


カッティングエッジ株式会社 代表取締役 竹田 四郎
WEBコンサルタント、SEOコンサルタント。WEBサイトの自然検索の最大化を得意とする。実績社数は2,500社を超える。
営業会社で苦労した経験より反響営業のモデルを得意とし、その理論を基に顧客を成功に導く。WEBサイトやキーワードの調査、分析、設計、ディレクションを得意とする。上級ウェブ解析士、提案型ウェブアナリスト、GAIQの資格を保有する。著書:コンテンツマーケティングは設計が9割