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インバウンドマーケティングとは?「追いすぎること」が「嫌われる」時代に考えるべき事とは

インバウンドマーケティング

インバウンドマーケティング(Inbound Marketing)とは、顧客に自らが発信する情報を見出してもらい自社のサイトへと迎え入れるマーケティングの手法です。海外から来日した観光客による「インバウンド需要」といった言葉から連想するとわかりやすいと思いますが、自らの意思で訪問してきたユーザーを顧客化するという試みです。

立場逆転。「追われる」ようになるのがインバウンドマーケティング

・自社が保有しているサイトでの情報発信

・ブログに優良なコンテンツを投下

・eBookやホワイトペーパーなど有益な情報をまとめた資料をWEB上に提供

・ニュースリリースによる情報の積極的な発信

・専門的な内容に関する動画を作成し、YouTubeなどへと公開

これらを展開して、GoogleやYahoo!の検索上位に表示されるような対策をおこなったり、

より多くのユーザーに興味や共感を抱いてもらうことで所謂「バズり」や情報の拡散をしてもらうような仕組みを作ることがインバウンドマーケティングの主な施策となります。

WEB上のユーザーの行動を徹底的に追いかけ何度も広告を表示させることで「押しつけ」「見せつけ」「強制的に記憶に刻む」ような従来型の「アウトバウンドマーケティング」とは一線を画し、むしろユーザーによって「見つけ出してもらう」というのがインバウンドマーケティングの基本姿勢。

一見攻撃的・積極的ではなく、守備的・消極的な施策にも見えるため「アウトバウンドマーケティング」に慣れている人からしたら、違和感やその効果に対する不安・疑問が出てくるかもしれません。しかし「インバウンドマーケティング」こそが時代にフィットしたマーケティング手法なのです。

「追いかけられ過ぎる」と「逃げたくなる」のは人間の心理

こんなことをされたら、あなたはどう感じるでしょうか?

・執拗に後ろからつけられる

・知らない人から急に街中で声をかけられる

・「この商品きっと好きでしょ?」と訳知り顔で急に勧められる

・テレビを見ていたら飽きるほど同じCMを見せられる

・自分の知らないところで名簿の売買がされていて、全く関わりの無い会社から突然連絡が来る

現実世界でこんなことが次々と起こったり、これらが一気に降りかかってくる人はそんなに多くはいないでしょう。しかし、WEB広告の世界ではこれに近い状況が「アウトバウンドマーケティング」によって起こっていたわけです。

サイトの回遊状況を分析されたり、閲覧した商品ページの履歴からレコメンド広告で商品をおすすめされたり、興味の無い広告を何度も目にする、あるサイトを閲覧したらそれ以降競合業者と思われるバナーがバンバン表示されるようになる。

「あっ!買うの忘れてた」「へ~。こんな商品あるんだ」「おっ、新商品だ!買わなきゃ」そんな風にプラスに捉える人ももちろんいますし、便利な世の中になっていると思う瞬間もきっとあることでしょう。しかし、これらの状況を諸手を挙げて受け入れている人ばかりではないのです。人によっては「気持ち悪い」と感じたり、「もういい加減にしてくれ」と嫌悪感を抱くような人が出てくるのも当然ではありました。

さまざまな背景からもアウトバウンドマーケティングが敬遠されているのは明らかな状況

サイトを横断した「クロスサイトトラッキング」に対して規制がかかるようになってきたり、Cookieデータの利用許可のポップアップを利用サイトが多数登場。Appleはアプリからのトラッキングに対して許可を得る仕組みを導入することで、ユーザーのWEB上におけるプライバシーを侵されたり、監視されたりすることに対して、厳しい意見を持つ社会になりはじめたというのが大きな背景となっているのです。

執拗に追いかけられると逃げ出したい、嫌だと感じるのは人間の心理からすれば当然。全く追いかけないというやり方は難しいですが、「追いかけ過ぎない」ことが広告には求められ始めています。

なぜここまでアウトバウンドが嫌われてしまったのか?

WEB上での行動という非常にプライバシーな情報が用いられているというのももちろんですが、アウトバウンドが煙たがられるようになった背景にはユーザー側に起きた変化ということも間違いなく要因のひとつとして存在しています。

WBEやSNSがここまで発達する前は、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などのマスメディアが情報発信の中心であり、主役でした。人々はメディアから与えられた情報を享受し、それによって流行が生まれたりもしていたのです。

例えば、主婦向けのテレビ番組で「ココア」が健康に良いと紹介されれば、翌日にスーパーの売り場からココアが姿を消すといった現象が起きていた時代もあります。もちろん、今でもテレビをはじめとするメディアの影響は大きく、それによって流行の波が作られる側面はあります。

しかし、現代においてユーザーはWEB検索やSNSの検索機能を用いて自らが能動的に情報を探すことができるようになりました。そして規模を問わない企業や好きなブランド、情報を積極的に発信する個人などとSNSを通じて直接つながりを持つことも出来るようになったのです。

多くのユーザーにとって「情報を与えられ、それをありがたく思うだけの時代」はもう終焉を迎えたのです。SNSなどを通じて流行の波を作ろうとする個人も増加し、今やメディアがSNS上の流行を追いかけるようにもなりました。

ユーザーが時代の変化に伴って、与えられ追いかけられる側から、発信し追う側へと急速に変化を遂げていることこそがアウトバウンドマーケティングに対する嫌悪にもつながっていると言えるでしょう。

インバウントマーケティングに用いられえるフレームワーク

インバウンドマーケティングには次の4段階のフレームワークが多く用いられています。

  • 「ATTRACT(惹きつける)」
  • 「CONVERT(転換する)」
  • 「CLOSE(顧客化する)」
  • 「DELIGHT(満足させる)」

ATTRACT(惹きつける)

まず、最初の段階で顧客から見つけてもらわないことには始まりません。そのためには、顧客を引き付けるというのが重要となります。まず何も知られていない真っ新な状態から接点を生み出すことがスタート地点。自社のことや、商品・サービスすら知らないであろうユーザーをどのように惹きつけるのか?

この段階ではあまり自社のサービスや商品のことを押し付けるような訴求をするのはあまり得策では無いかも知れません。

興味関心を抱きやすいコンテンツとしては、ユーザーの持つ悩みを解消する商品やサービスだったり、ユーザーが待ち望んでいた画期的な機能や希望を叶えるようなサービスであることが重要となります。

過去に関係性のあったユーザーや顧客のデータを基にして、年齢層・性別・居住地・家族構成・職業などより具体的なペルソナを想定していきます。その人が抱えている問題点や悩みはどういったものであったか?そのユーザーはどんなキーワードでサイト流入する可能性があるのか?などを緻密に考え、すべてを逆算してコンテンツの制作をおこないます。まずは自分たちの存在を知ってもらうために、どういったコンテンツを用意すれば「見つけてもらえるのか」を考え、知ってもらうチャンスを得ることがこの段階では大切です。

CONVERT(転換する)

存在を認識してもらえたら、次の段階へとユーザーを導くための施策が登場します。「惹きつけた」ユーザーを逃すことなくリード(見込み顧客)へと「転換する」のがこの段階です。リードを獲得するためには、名前やメールアドレスや電話番号、住所などの情報を手にすることが求められる段階で有効になるのがホワイトペーパーやeBook提供といった手法。フォームから登録していただいたユーザーにはホワイトペーパー、eBookのデータを進呈します。と言う風にすれば、ただのカタログデータなどを貰える以上の価値を感じるユーザーも多く、個人的な情報を提供することへのハードルも下がることにつながります。

CLOSE(顧客化する)

獲得したリードを「顧客化する」のが次の段階。ホワイトペーパーをダウンロードしている以上、あなたが提供するものに対して興味を抱いていることは間違いありません。そして、それはサービスや商品にとても親和性の高い悩みや課題を抱えている人でしょう。

しかし、ここで考えておくべきことはユーザーがまだ取捨選択や比較検討といった段階にあるかも知れないということ。ここで相手の温度感を見誤って、ガツガツと営業をしかけてしまうと逆に相手が引いてしまったり、良くない印象を抱いてしまうということも考えられます。MAツールなどを活用できるのでれば、積極的になりすぎずより具体的な課題や温度感の情報のみを引き出して、しばらくは最適な距離感を図りながら付かず離れずの状態をキープして様子を見るということも大切でしょう。顧客化という重要な局面だからこそ慎重な対応が求められます。

DELIGHT(満足させる)

顧客化できたら、それで終わりと考えてしまいがちな営業マンもいるでしょう。ですが、ここからが、もう一段大切な部分となります。釣った魚に餌をやらないような状況はインバウンドマーケティングにはよくないのです。顧客満足を追求し過ぎて負荷がかかりすぎるのは決して良いこととは言えませんが、提供した商材によって顧客が満足を感じなければ何の意味もないのです。

継続的に商材に対して感じている不満や、さらに求めているものをサポートしながら顧客の満足度を上げるとともに、商品やサービスは磨かれていきます。それだけではなく、満足感を感じた顧客は新たな顧客を生み出す情報の発信地となり得るのがこのステージ。インバウンドで訪れた顧客が、新たな顧客を生み出すというのがインバウンドマーケティングの大きな特色なのです。

まとめ

「見つけてもらう」や「見出してもらう」という表現だと、やはり消極的なマーケティング手法だと捉える人は多いでしょう。しかし、インバウンドマーケティングというものは巧な戦略と練り上げられた計画によって生み出されるものです。

いかにして情報を「見つけさせるのか?」、「見出させ、思わず発信・拡散したくさせるのか?」ということを考えておこなう戦略だとすれば、巧に守備的と見せているだけで実は非常に狡猾な攻撃的手法とも捉えられるのではないでしょうか。

インバウンドマーケティングは、守りの皮を被った、攻めの手法とも言えるでしょう。

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