投稿日:2022年4月1日 | 最終更新日:2023年6月13日
新感覚のSEO「トピッククラスター」を聞いたことはありますでしょうか?2020年くらいから注目されてきている言葉で、特定トピックの集合体を意味します。
トピッククラスターモデルをWEBサイトに活用することで、検索エンジンから高評価を得られます。特定トピックのメインキーワードの順位向上のみならず、サブキーワードの順位向上が期待できる効果があります。関連するコンテンツ整理・配置することで、ユーザーのページビューを高めることもできます。今回は、トピッククラスターモデル・戦略のメリット、構成方法までわかりやすく解説致します。
SEO対策の新しい考え方「トピッククラスター」とは
トピッククラスターとは、幹となるメインのトピックと、枝のようなサブトピックの集合体を意味します。最近のコンテンツマーケティング、コンテンツSEOでは避けて通れてないトピックの整理方法です。
キーワードを例にして、わかりやすく解説します。
キーワード:「ダイエット」:検索ボリューム 301,000/月 のコンテンツをメイントピックとすると
キーワード | 検索ボリューム |
ダイエット 食事 | 165,000 |
ダイエット 運動 | 22,200 |
ダイエット 方法 | 14,800 |
↑上記のキーワードで作成されたコンテンツがサブトピックとなります。
「ダイエット」に関するコンテンツで、トピックが広すぎると感じた場合は「ダイエット運動」で作成されたコンテンツをメイントピックとすることも可能です。
キーワード | 検索ボリューム |
ダイエット 運動 おすすめ | 880 |
ダイエット 運動 時間 | 1,600 |
無酸素運動 おすすめ | 720 |
こちらがサブトピックに該当するコンテンツという意味になります。
トピッククラスターに関わる用語としましては、メイントピックのページを「ピラーページ」サブトピックのページを「クラスターページ」と呼ばれています。
ピラーページとは
ピラーページ(ピラーコンテンツ)とは、トピッククラスターモデルのメイントピックを意味します。
アテネのパルテノン神殿の柱を映像や漫画で見たりしたことはありませんでしょうか?いくつもの柱が屋根を下支えしており、その柱をブロックがまた下支えしております。ピラーとは、「柱」という意味を従来持っており、ピラーページはまさに柱、核となるコンテンツです。
上記の例を受けて解説しますと、キーワード「ダイエット」が柱となるメイントピックになります。
「ダイエット」というキーワードですと抽象度も高く、様々な意味が込められております。それを補足するのがクラスターページ(クラスターコンテンツ)です。SEO的な考えで補足致しますと、従来「ビックキーワード」と言われている単語がピラーコンテンツに相当すると考えるとわかりやすいです。親子関係で例えると「親:親記事」に相当するのがピラーページです。
クラスターページとは
クラスターページ(クラスターコンテンツ)は、メイントピックを補足するサブトピックのページを意味します。「ダイエット 運動」のトピックをピラーページとした場合
ピラーページ
キーワード | 検索ボリューム |
ダイエット 運動 | 22,200 |
クラスターページ
キーワード | 検索ボリューム |
ダイエット 運動 おすすめ | 880 |
ダイエット 運動 時間 | 1,600 |
無酸素運動 おすすめ | 720 |
こちらが相当します。
柱を支えるブロックに相当するページがクラスターページの役割という意味です。親子関係で例えると「子供:子記事」がクラスターページです。
トピッククラスターモデルを導入するメリット
トピッククラスターモデルは、「新感覚のSEO」とも言われております。なぜ?ここまで注目されているのでしょうか?SEOの観点で考えた際に導入するメリット3つについて解説します。
サイト構造が整理される
1つ目のメリットとしては、サイト構造が整理されることです。サイト利用をするユーザー側の観点だけでなく、検索エンジンの立場から見た場合を考えてみましょう。コンテンツ構造が整理されていることは、内容の把握が明快になり、サイト全体の評価にもつながります。
- 大トピック
- 中トピック
- 小トピック
というように分類されるために、このサイトは何の特定テーマに対して言及しているか?が明快になります。よって、記事単体の評価のみならず、ドメイン、サイト全体で評価される点につながります。
関連ページの検索順位の向上が見込める
2つ目のメリットは、クラスターページとピラーページの検索順位の向上が見込める点です。
ピラーページ(ピラーコンテンツ)は、メイントピックのキーワードで構成されていますので、メインキーワードが突然上昇する傾向は少ないです。サブトピックとしてのクラスターページは詳細コンテンツのため、サブキーワードの順位は向上しやすい傾向があります。関連ページとして、いくつものサブトピックで構成されているため複数のページの検索順位が向上します。仮に1つのページが評価を受けると、その他ページの評価も向上し、結果としてピラーページの順位も向上につながります。
トピッククラスターモデルを採用していないメディアは、記事同士の関連性が希薄です。そのため、1つのページが評価を受けて別ページの順位の向上は起こりにくいです。トピッククラスターモデルの採用する点は、メディア運営の効率性を高めます。
サイトのページビュー、滞在時間が向上する
3つ目のメリットは、WEBサイトのページビュー、ユーザーの滞在時間が向上することです。
Amazonのレコメンド商品(おすすめ商品)を見て、ついつい他のページも訪問した経験はありませんでしょうか?メディアを例として考えた際に
「ダイエット 運動」がメインコンテンツで「ダイエット 運動 時間」がサブコンテンツとなります。
そもそも、ダイエットに効果的な運動に興味がある方がページを訪れているので、ダイエットに適した運動時間について興味がないわけがありません。関連ページがあることで、次のページに読者を引き込むことができ、メディアのページビューや滞在時間を向上が見込めます。ユーザーの立場で考えると、網羅的にほしい情報が含まれているためメディアの利便性が向上します。
結果としてより多く、より長くメディアを閲覧してもらうことにつながります。
トピッククラスターの作成方法
トピッククラスターモデルの作成方法について解説します。メディアにある程度記事が含まれている場合と、これから作成していく場合で作成方法は異なります。
投稿記事が複数メディアにある場合は、テーマ単位で記事をグループ分けします。そこで、ピラーページとなる「親記事」とクラスターページの「子記事」を選定します。 親記事を軸に子記事を関連ページとして内部リンクでつなぎます。
これからメディアの立ち上げを予定する場合や、記事がまだそれほどないない場合は次の工程を参考にしましょう。
ピラーコンテンツを決定する
これから記事を書いていくのであれば、メイントピックとなるピラーページ(ピラーコンテンツ)を作成していきます。ビックキーワード(検索ボリュームのあるキーワード)の検索上位化を目指すために、抽象的なトピックを選定しないことが重要です。
例:キーワード:ダイエットを例にして考えて
ピラーコンテンツと設定すると、広範囲過ぎてしまいます。この場合は、ピラーコンテンツというよりも、ドメイン単位でテーマを捉えたほうが良いかもしれません。
キーワード | 検索ボリューム |
ダイエット | 301,000 |
具体的に、「ダイエット」の何のテーマなのか?を落とし込むほうが良いです。 漠然と「ダイエット」に関する記事は、意味が広すぎてしまいます。
ターゲットユーザーのペルソナ設計を行うことをおすすめします。年齢×ダイエットを例とした際に、20代、30代、40代では全く異なります。若々しさを保ちながらも基礎代謝力も落ちてくる40代の年齢は、ダイエットの意識が非常に高いです。健康食品やサプリメントのコアなユーザーと言えましょう。
例としては、
【ピラーページ:キーワード候補】
キーワード | 検索ボリューム |
40代 ダイエット | 12,100 |
等
ピラーページのメイントピックは、「ダイエット」ではなく、「40代 ダイエット」ともう少し絞り込んだ方が良いです。
クラスターコンテンツを選定する
次に子記事に相当するクラスターページを選定していきます。クラスターページは、ピラーページのトピックより詳細なページに設計します。
以下がサンプルキーワードです。
【クラスターページ:キーワード候補】
キーワード | 検索ボリューム |
ダイエット 40代 女性 | 1,600 |
40代 運動しても痩せない | 480 |
40代 ダイエット 食事 | 260 |
40代 ダイエット 方法 | 170 |
「40代 ダイエット」をピラーページとして設定した際、クラスターページのキーワード選定は非常に重要になります。併せて、GoogleサジェストのキーワードやGoogle関連キーワード(LSIキーワード)で派生されるキーワードも参考になります。こちらのトピックは、40代 ダイエットから派生される今のユーザーニーズを表現したキーワードです。
注意点としては、同じキーワードの記事が重複すると、どちらを検索エンジンが評価をすればよいかわからず、順位が安定しなくなるなどの事象も起こります。
キーワードのカニバリ「カニバリゼーション」が生じてしまうためです。カニバリとは、「重複する」「競合する」という意味です。ビジネス用語としては、良く使用します。
クラスターページは、ピラーページを下支えするコンテンツですので、対象キーワードの検索ボリュームは少なくなります。検索ボリュームが少ない記事同士のカニバリが発生してしまうと、記事に投下した労力が全く見合わなくなります。
その場合は、記事を統合する調整やクラスターページのトピック選定にもある程度調査や時間をかけることをおすすめします。
内部リンクの構造を決定する
ピラーページとクラスターページを内部リンクでつなぐとより効果的です。一見、地味に見えますがとても重要な役割を担っております。こちらの内部リンクが反映されていないと、トピッククラスターモデルの効果が減少します。注意点としては、ピラーページに対して無関係なクラスターページを配置しないこです。
あくまで、ピラーコンテンツを補足する上でのクラスターコンテンツの役割が重要です。
クラスターコンテンツの手抜きをしない
最後にクラスターコンテンツの手抜きは厳禁という点について解説します。 キーワードの検索ボリュームのみを基準とした際、検索ボリュームの少ないキーワードの記事の非効率さを感じるかもしれません。
同じ労力をかけるのであれば、「少しでも検索ボリュームが多い記事で検索エンジンに評価してもらうにはどうすれば良いだろうか?」とWEB担当者で思う方も少なくありません。
ついつい、下層ページはこの程度で良いのではないか?と記事コンテンツの内容や記事量を妥協するWEB担当者も多いです。トピッククラスターモデルは効果を得やすいですが、即効性に欠けるので根気も伴います。
絶妙なキーワード選定・記事制作をしたものの、想定よりもページが評価されなかったというケースも多く見られます。 その際は、記事が評価されるまでの時間経過も重要になりますので、長期間待つことも重要です。
それでも評価が得られない場合に関しては、トピッククラスターモデルにおけるピラーページの構造やクラスターページの構造が適切か否か?を点検してみましょう。可能性として、クラスターページの設計が不足している場合もあります。親記事を支えるための子記事としてのクラスターページの影響度は大きいので、イメージとしては、可愛い「娘」「息子」のような感覚を持って子記事を長期で育てて行く心構えが必要です。
ピッククラスターモデル作成に有効なツール 「ruri-co(るりこ)」
トピッククラスターモデルを時間短縮して作成できる便利ツールをご紹介します。CROCO株式会社が提供している「ruri-co(るりこ)」というツールです。会員登録も不要で、調査キーワードにキーワードを挿入するだけで調査分析が可能になります。
参照URL:https://ruri-co.biz-samurai.com/
キーワードの検索ボリュームはもちろんのこと、競合最大10社の獲得キーワードを比較することができます。キーワードデータのエクスポートも可能なため、自社や顧客にもデータとして提供することができます。無料ツールとしてのレベルを大きく超えているので、とても便利なツールです。
トピッククラスターモデルの親記事、子記事設計にご活用いただければと思います。前述したダイエット関連のキーワードもこちらの「ruri-co(るりこ)」から抽出しました。本ツールの注意点や活用方法を少しだけ解説したいと思います。
シーズナリティ(季節要因)キーワードの検索ボリュームの平均化
注意点としては、季節単位の検索ボリュームが平均化して表示されることです。こちらの「ruri-co(るりこ)」は、12ヶ月合計データの平均データが表示されるようです。
通常、Googleキーワードプランナーは、対象キーワードを月別の検索ボリュームで検索できます。通年を通して、検索ボリュームに差異がないキーワードはわかりやすいですが、「母の日」「父の日」等のアニバーサリーキーワードは、4月、5月の検索回数が異常値になります。
ruri-co(るりこ)は、「エアコン工事」等の夏に検索ボリュームが向上するキーワードの月間検索回数が、通年(12ヶ月)の合計検索の平均値で出されている点が注意するべき点です。キーワードの所感を掴むためには、十分だと思いますので、この点を加味して活用いただければ幸いです。
類似率について
「ruri-co(るりこ)」の検索で類似率という列について解説します。
「40代 ダイエット」と検索窓に入力してみます。そうしますと、「40代 ダイエット」で10位以内にランクインしている競合URLが9つあるという点がわかります。
「40代 ダイエット」から派生される、サブワードが同時に検索10位以内にランクインしている場合は獲得キーワードとしてみなします。
「40代 ダイエット」で、競合URLも併せて獲得しているキーワードの傾向を見ていきますと、「ダイエット 40代 女性」の類似率が高い事がわかります。競合URLも併せて獲得しているキーワードとなり、「40代 ダイエット」と関連性の高いキーワードと言えます。
「40代 ダイエット」では、男性よりも女性のほうが多く検索されており、「40代 ダイエット」の検索キーワードは、女性向けに設計してもよいかもしれません。
その他、GoogleサジェストのキーワードやGoogle関連キーワード(LSIキーワード)も参考になる点を別途ご紹介します。
効果的なトピッククラスターモデルの設計 おさらい
最後に、効果的なトピッククラスターモデル設計のおさらいをしてみましょう。
STEP1:ピラーページを決定する
中核となるピラーページ(コンテンツ)のペルソナ設計を行い、幹となるページの具体性を決定する。
STEP2: クラスターページを決定する
枝葉となるクラスターページ(コンテンツ)を決定する。各種検索ツールを駆使し、ピラーページとの関連性を補足する形で設計を行う。検索ボリュームの少ないキーワードの記事であったとしても、記事の簡素化をしない。
STEP3:各記事を内部リンクでつなぐ
設計された、ピラーページとクラスターページを内部リンクでつないでトピッククラスターモデルが完成となります。既存に記事がある場合は、どの記事群をまとめあげていくか?この点も整理されてみてはいかがでしょうか?
まとめ
トピッククラスターモデルは、初期設計と継続的な運用が重要になります。全体を把握しながらも細部に注意して取り組むことが大切です。
自社で制作していくこともできますが、中々ハードルの高さを感じた場合は、設計から記事の納品までをサポートすることも可能です。カッティングエッジ株式会社は、長年のWEBマーケティング経験で得たノウハウを提供するSEOコンサルティング会社です。鋭く研ぎ澄まされた槍(やり)のような感性で、WEB集客やWEB戦略をサポートします。コンテンツ制作やコンサルティングをご希望の方はお気軽にご相談ください
カッティングエッジ株式会社 代表取締役 竹田 四郎
WEBコンサルタント、SEOコンサルタント。WEBサイトの自然検索の最大化を得意とする。実績社数は3,000社を超える。
営業会社で苦労した経験より反響営業のモデルを得意とし、その理論を基に顧客を成功に導く。WEBサイトやキーワードの調査、分析、設計、ディレクションを得意とする。上級ウェブ解析士、提案型ウェブアナリスト、GAIQの資格を保有する。著書:コンテンツマーケティングは設計が9割