投稿日:2025年2月19日 | 最終更新日:2025年3月2日
BtoBを主軸とした事業を展開している企業にとって、ホワイトペーパーの存在は重要なマーケティングツールとなっています。
特に、2025年現在はリモートワークやオンラインセールスが定着しつつあり、コンテンツマーケティングの観点からもホワイトペーパーの存在感がいっそう増しています。本記事では、ホワイトペーパーの概要や活用場面、作成時のポイントについてわかりやすく解説します。
ホワイトペーパーとは?

日本語で「白書」と聞くとイメージしやすいかも知れません。ホワイトペーパーは政府などの機関が発行する「経済白書」「防衛白書」などの「白書」を意味するものが語源となっています。
近年になってWEBマーケティングの世界では主にBtoB事業で使われることの多い「顧客にとって有益な情報や自社の商材に関する情報をまとめた資料」を指す専門用語として広く使われています。
コンテンツマーケティングの視点では、商品やサービスの魅力を深く理解してもらうためのダウンロード資料として、Webサイトやランディングページで活用されるケースが多いです。
マーケティングにおける3段階のホワイトペーパー活用場面

ホワイトペーパーは主に、「リードの獲得」 → 「ナーチャリング」 → 「顧客満足度の向上」 という大きく3つの段階で有効に機能します。それぞれの活用方法を詳しく見ていきましょう。
ホワイトペーパーを配布することのメリットには、より深く商材やサービスを説明する機会を得る可能性が高まるという点にあります。
サイトで説明しようとしてもつい長くなってしまいがちなものや、簡易的な資料では伝えきれないといった部分もホワイトペーパーとしてまとまっていれば、ユーザーにとっても嬉しい資料となるでしょう。リードの獲得、ナーチャリング、営業効率の点から、ホワイトペーパーについて考えてみましょう。
リードの獲得
まず、見込み顧客(リード)を増やすためにホワイトペーパーを活用します。
- ダウンロードフォームを設置し、ユーザー情報を入力してもらうことでリードを取得
- 企業サイトの問い合わせフォームや電話よりも、ハードルを下げられる可能性が高い
「ホワイトペーパーのダウンロード」という顧客にとっての利益が存在することで、フォームからの問い合わせや、メールによる連絡、電話での問い合わせなどと比べると顧客が自らの情報を提供するハードルは自然と下げることが可能になります。
「まずはメールドレスや名刺の情報などを提供いただく代わりにホワイトペーパーをダウンロードしてもらう」という仕組みがリードを獲得しやすくします。
ホワイトペーパーをダウンロードしたいユーザー=自社の商材・サービスや競合商材に興味を持っているユーザーであるということが簡単に推測できるため、ユーザーデータを蓄積しておけばより精度の高いリードのリストが作成できるというのは企業にとって、プロモーションにおける大きなポイントとなるでしょう。
こうして蓄積されたユーザーリストは、見込み度合いの高いリストとして、その後のマーケティング施策に役立ちます。
ナーチャリング
獲得したリードを、より購入(契約)意欲の高い顧客へと育成(ナーチャリング)する段階でもホワイトペーパーは効果的です。
- メールマガジンやMA(マーケティングオートメーション)ツールと連動し、段階的に追加情報を届ける
- より詳しい製品情報や導入事例など、複数のホワイトペーパーを用意して興味分野を把握
こうしたステップを踏むことで、温度感の高い顧客(=購入直前の顧客)を効率的に見極め、タイミングを逃さずに営業アプローチをかけられます。
獲得したリードに対し、メールマガジンなどを通して定期的に連絡するルーティーンを構築。その中で、リード獲得の際に利用したホワイトペーパーよりサービスに関する情報を掘り下げた内容のホワイトペーパーを提供することも有効な使い方の一つです。
提供している商材が幅広い会社の場合には、ホワイトペーパーを複数用意すればリード顧客がどの分野に対して興味・関心を持ち、検討しているかをより明確にすることができる利点があります。
より詳細な情報を欲しがっているユーザーの絞り込みができるため、温度感の高いユーザーを見極めるためのバロメーターとしてもホワイトペーパーは使用できます。ナーチャリングにおいては「次に顧客化すべきユーザーの見極め」と「検討中ユーザーの背中を押す装置」としての機能をホワイトペーパーに持たせることも重要です。
一度資料をダウンロードをする段階まで来ているユーザーは、顧客になる可能性がそれだけ高いため、しっかりとリストとして管理し、「しつこい」と感じられない程度にアプローチをすることで、しっかりと「顧客を育てる」という意識を持つことが重要です。
顧客満足度の更なる向上と、契約の継続・解約防止
顧客化ができたユーザーに対しても業界全体の最新の動向や、自社サービス・商材の最新のアップデート情報なども含めたホワイトペーパーを提供することがマーケティングにおいて重要なポイント。
「釣った魚に餌をやらない」のようなスタイルでは、解約につながりかねません。月次で送るレポートなどのほかにプラスアルファとして頻度が低くてもかまいませんので既存顧客に向けたホワイトペーパーの提供も行うことはより顧客満足度を高めることにつながります。
- 最新の機能活用事例
- アップセルやクロスセルのきっかけ
- 解約を防ぐための使用ガイド
などを提供することで、顧客満足度を維持しつつ追加契約を促進。解約を防止する効果も期待できます。
自社の商材を絡めたホワイトペーパーであれば、アップセルやクロスセルも見込めることとなりますので既存顧客をより大切にする意味でもホワイトペーパーを活用しましょう。
営業の受注率を上げることができる
コロナ禍以降、飛び込み営業やテレアポといった旧来型の営業はますます難しくなりました。一方、WebサイトやSNSからホワイトペーパーをダウンロードしてくれた「顕在化した見込み顧客」に優先的に連絡することで、
- 営業効率の向上
- 受注率アップ
を狙うことができます。限られた営業リソースを最も可能性の高いユーザーに集中させる施策として、ホワイトペーパーは非常に有用なのです。
そもそも、新規顧客の開拓のために電話のリストから架電をして、自社の商品のサービスにたいして興味を持ってもらえるという確率はどれだけあるでしょうか?
営業のリソースを本当に有効に活用するという視点に立てば、サイトやランディングページなどのWEBからの問い合わせやホワイトペーパーをダウンロードしたユーザーに優先的に連絡することのほうが、営業効率の向上、受注率の向上を図ることができます。
ホワイトペーパーに存在するパターン

ホワイトペーパーにはさまざまなパターンが存在しています。ここでは大きく分けて5つほどの種類を紹介していきます。
専門用語・業界用語集
特定の業界や製品分野で頻出する専門用語や業界用語をまとめたホワイトペーパーです。
- 用語解説をわかりやすく整理
- コンテンツマーケティングの一環で、初心者向けに情報提供
特に、業界に詳しくない見込み顧客には重宝されます。平易な表現での解説を心がけましょう。
自社商材の紹介
自社の商品やサービスを網羅的にまとめたカタログ的なホワイトペーパー。
- 基本的な機能や特長
- どんな課題解決に役立つか
- 競合との差別化ポイント
初期に配布するタイプのホワイトペーパーでは商材ごとにはあまり深堀りしない形としておき、後日配布するものに関しては商材一つずつに対してスポットを当て深堀りとしながら、他社商材との比較なども掲載するというのも有効な方法です。情報に関しては、常に最新のものが掲載されている状態が望ましいので、ホワイトペーパーの更新は小まめに行うようにしましょう。
導入事例集
実際に自社商品・サービスを導入したユーザーの具体的な声や成果をまとめたホワイトペーパー。
- 実名企業の事例インタビュー
- 写真や図解を使った導入プロセス紹介
実際の利用イメージを伝えやすく、ナーチャリングにも有効です。この際、導入企業に協力してもらえるようであれば写真やロゴなどの使用に関する許可がもらえれば尚説得力がアップするでしょう。
実際に使っている人の声を参考にして契約を決定する顧客も多いことからナーチャリングにもつながるものとなります。
調査結果のレポート
業界動向や製品分野に関するアンケート調査・リサーチ結果をまとめたレポート形式。
- 市場調査データをグラフやチャートでわかりやすく可視化
- 一次データの信頼性が高いと、ブランディング効果も期待できる
業界全体の動向や商材に関連した内容に関してのアンケートやリサーチを実施した際、その中で見えた傾向などを部分的にホワイトペーパー化するというパターンも存在します。
アンケートやリサーチが実施できる=「比較的業界の中でも信用性が高い」または「業界の中でもそれなりのポジションにある」という印象を抱くユーザーも多いのでブランディングの一環としても利用できるでしょう。自社で大規模なリサーチを行おうとすると、非常に大きな工数が必要となるので、リサーチやアンケートについては専門の業者に依頼・発注するという方法も存在します。
ファーストステップガイド
商品やサービスの導入前に知っておきたい基本的な使い方や設定手順をまとめたガイド。
- 初心者向けに操作マニュアルやQ&Aを掲載
- 「導入前に不安を解消してもらう」役割
実際のユーザーサポートツールとしても活用できます。実際に商品やサービスを導入する前に、どのような機能があるのかを詳しく知った上で比較・検討してみたいというユーザーにも有効です。
基本構成:5パラグラフの法則

顧客をより引き込むためのホワイトペーパー作りのため活用すべき手法として「5パラグラフの法則」というものがあります。これはよくエッセイであったり、論文などにも使われる基本的な文章の構成となります。
ホワイトペーパーを作成するとき、「5パラグラフの法則」を意識すると構成がわかりやすくなります。
- 導入・要約
- 問題提起
- 解決策
- 製品・サービス情報の提示
- 結論
それぞれのパートでどんな内容を盛り込むべきか、順を追って見ていきましょう。
導入・要約
まず第一パラグラフには、ホワイトペーパーの冒頭で、「どんな課題を解決する情報がまとめられているか」 を簡潔に示します。
- 興味を持ったら続きを読み進めてもらう設計
- 時間がない読者も導入・要約だけ読んで内容を把握できるようにする
読む方は「この資料を読むことによって、どのような課題を解決してくれるのか?」「この資料を読むとどれだけ有益な情報を得ることが出来るのか?」などについて知りたいと感じながら導入部を読むことになります。
「要約」がなぜ必要か?と言うと、時間が無い人の場合には要約部分だけを読んで先に概要を理解し、自分に必要な部分だけを抜粋して読みたいという可能性もあるためです。
これらを意識しながら、さまざまな読者にとって読みやすい文章というのを意識しましょう。
問題提起
読者が抱えている(あるいは気づいていない)問題・課題を明確化するパート。第2パラグラフではその問題をより掘り下げることをおこなっていきます。
- 「なぜこの課題が重要か」
- 「解決を先延ばしにするとどんなリスクがあるか」
読者にとって身近で差し迫った問題であるほど、興味を引き付けやすくなります。
ホワイトペーパーを通し、読むまでは気付いていなかった課題を読者に気付かせる、読むうちに強く共感するといった感情が読み手に湧き起こるような文章を書くことによって、解決や、商材に関するパラグラフ、結論といった部分にも説得力が増していきます。
解決策
3つめのパラグラフでは、問題に対する具体的な解決策や考え方を示します。
- 一般的な方法論、導入事例などを織り交ぜる
- 読者が「なるほど、自社でも使えそう」と感じる内容が理想
その際重要なことは、ただ解決策について書き連ねるだけではなく、実際の事例などを織り交ぜ紹介しながらの文章にすることが大切です。その際、問題の背景などより丁寧にストーリーを伝えることも意識しておくと良いでしょう。
製品・サービス情報の提示
この第4パラグラフでは、自社の製品・サービスがどのように上記の解決策をサポートできるかを紹介します。
- 主観的な自慢に終わらないよう、客観的なデータや実績も示す
- 競合と比較して優位性があれば、数字や事例でわかりやすく提示
読者がカスタマージャーニーでどの段階にあるのか?といったものも意識した上で、客観的なデータも提示しながら自社商品/サービスの優位性などについても触れていきましょう。
結論
この第5パラグラフでは、最後に結論をまとめ、読者が次に取るべき行動(問い合わせ、セミナー参加など)への導線を明示します。
- 簡潔に要点を再掲して「自社サービスを利用するメリット」を締めくくる
- 会社情報や連絡先もわかりやすく提示
ここまでのパラグラフで紹介してきた問題・解決策の中で、どうして自社の商品/サービスが最良の解決策なのか?ということを簡潔に説明しましょう。結論部分には、会社の情報をはじめとして、ユーザーが行動を起こすことができる導線も記載しておきましょう。
ホワイトペーパー作成で押さえておきたいポイント

ホワイトペーパーにはさまざまなパターンが存在しています。ここでは大きく分けて5つほどの種類を紹介していきます。
物語性を持ち「共感できる」ホワイトペーパー作り
「どのような人に読んでほしいホワイトペーパーか?」というターゲットを明確にすることから始めましょう。そのユーザーにどのようなストーリーで構成されたものが刺さるのか?を考えていけば自ずと良いホワイトペーパーにつながります。
読み手が自分のこととして捉え、課題に共感し、それを解決するまでを目標としたストーリーをなぞることができるような内容となっていれば、読み手により伝わるホワイトペーパー作りが可能になるのです。
- 読者が自分事として捉えられる課題の提示
- 具体的なエピソードやケーススタディ
共感を得やすい流れがあるほど、最後まで読んでもらえる可能性が高まります。
「読む気が起こる」ホワイトペーパーに
ホワイトペーパーには高い専門性とクオリティなども求められますが、ただただ文章びっしりと書かれていた場合、ユーザーは読む気になれないはずです。
ユーザーが求める効果などの分析データがあったとしても、それに付随するものを論文のようにつらつらと文章で書き連ねても逆効果となる可能性があります。
- 適度な図やグラフ、イラストを入れて視覚的に飽きさせない
- 重要なデータはポイントを絞って強調表示
文章量やデザインレイアウトを工夫し、分かりやすさを最優先に考えましょう。
自らがアピールしたいポイントはもちろん、ユーザー側が興味を抱きそうな数値などがあればピックアップして掲載するのが有効です。
例)導入により担当者の残業が平均〇時間低減、〇時間要した作業が〇分で完了…
ホワイトペーパーを手に取るユーザーの目線に立つ
自分がホワイトペーパーをダウンロードする場合、どのような情報が載っているのが嬉しいでしょうか? 導入した際の利点が載っていることはもちろんですが、逆に提供する企業にとって都合のいい情報しか載っていなければ疑いや落胆を生むかもしれません。ビジュアル的に読み手のことを考えることはもちろん、中身に関してもユーザー目線に立った情報を提供できるようにしていくことが大切です。
読者が疑問や不安を解消できるよう、誠実な内容を心掛けることが信頼獲得につながります。
ホワイトペーパー作成の注意点・やってはいけないこと

ここからは、ホワイトペーパーを書く上で注意しておいた方がいいポイント、これはしない方がいいことというのを紹介しようと思います。ホワイトペーパーの制作にこれから着手するという方や、すでに制作したホワイトペーパーについて見直そうと考えている方は参考にしてみてください。
なるべく難しい言葉を使わない
ある程度専門用語が無いと伝わらない内容というのはもちろんあると思います。そして、それを使うことによって、より専門的な知識を有しているというアピールになると感じることもあるでしょう。しかし、専門用語や一般のユーザーにとってわかりづらい難しい単語を多用することは読み手に取って決して親切とは言えません。
- 業界内では当たり前の言葉も、読み手にとっては馴染みが薄いかもしれない
- できるだけ平易な表現を使い、必要があれば用語説明を添える
ホワイトペーパーはなるべく平易で読みやすい言葉で表現することを意識しましょう。
サービス・商品を押し売りしない
ホワイトペーパーを自社のカタログとして捉えてはいけません。自社の商品やサービスの良さを伝えるというのも大切なポイントではありますが、ホワイトペーパーにおいては一歩引いた視点というものが必要となります。決して「押し売り」に終始するのではなく、冷静な視点から他社製品/サービスとの比較をしてみたりするというのも大切なことです。
- 一方的な売り込みではなく、読者が抱える課題を解決するための情報提供
- 他社製品との客観的比較や独自視点の考察で「中立性」を感じさせる
「押し売り」感が強いと、ユーザーの信頼を損ねる恐れがあります。
ホワイトペーパーについてまとめ
ホワイトペーパーは、BtoBマーケティングをはじめ、コンテンツマーケティング全般において非常に有力な資料です。
- 作り方: 5パラグラフの法則やストーリー性を意識し、読み手に寄り添う
- 使い方: リード獲得、ナーチャリング、既存顧客の満足度向上など多様なシーンで活用
- 注意点: 難解な用語や押し売りは避け、信頼性と読みやすさを重視
もし自社での制作が難しいと感じるなら、ホワイトペーパー制作を専門とする会社に相談するのも一つの手です。効果的なホワイトペーパーを複数展開すれば、見込み顧客を効率よく育成・獲得し、ブランド価値や売上の向上に繋げる大きなチャンスとなるでしょう。


カッティングエッジ株式会社 代表取締役 竹田 四郎
WEBコンサルタント、SEOコンサルタント。WEBサイトの自然検索の最大化を得意とする。実績社数は2,500社を超える。
営業会社で苦労した経験より反響営業のモデルを得意とし、その理論を基に顧客を成功に導く。WEBサイトやキーワードの調査、分析、設計、ディレクションを得意とする。上級ウェブ解析士、提案型ウェブアナリスト、GAIQの資格を保有する。著書:コンテンツマーケティングは設計が9割