投稿日:2022年5月12日 | 最終更新日:2024年10月12日
一般に広く使われている言葉というわけでもありませんので、まず「トンマナ」という言葉の意味がわからない方も多いかも知れません。トンマナとは広告やコンテンツの制作において用いられる言葉。トーン(tone)には「色調/調子」、マナー(manner)には「様式/作風」という意味があり、元々は「トーン&マナー」を略したことから始まっている「文章のライティングやデザインなどの一貫性を保つこと」を指している言葉であり、「トンマナを合わせる」「トンマナを揃える」といった形で用いられます。
「ライティング」と「デザイン」それぞれで使われる「トンマナ」には共通する部分もあれば、若干異なる点もあるものとなりますので、この記事では2つの場面で使われる「トンマナ」について考えていきます。
トンマナの意味と背景
トンマナは、日本語のライティングにおいて非常に重要な要素です。トンマナとは、文章や文脈において適切な言葉や表現を使い分けることを指します。つまり、相手や読者に対して適切な印象やメッセージを伝えるために、言葉の選び方や表現方法に気を配ることです。
トンマナの背景には、日本語の豊かな表現力と敬語の文化が関係しています。日本語では、状況や相手に対して適切な言葉や表現を使うことが重要視されます。また、正しいトンマナを使うことで、文章や表現の信頼性や説得力を高めることができます。
トンマナの重要性と効果
トンマナの重要性は、相手に対して適切な印象やメッセージを伝えることにあります。正しくトンマナを使うことで、相手とのコミュニケーションを円滑にし、信頼関係を構築することができます。
また、トンマナの効果を最大限に活かすためには、状況や相手の背景を考慮する必要があります。例えば、ビジネス文書では丁寧な敬語を使い、友人同士の会話ではカジュアルな言葉遣いをするなど、相手に合ったトンマナを使い分けることが求められます。
さらに、トンマナが重要である理由として、以下の3点が挙げられます:
- ブランドの認知度向上
一貫したトンマナは、顧客のブランド認知を高めます。例えば、特定の色やロゴを見るだけで、その企業を瞬時に思い浮かべることができるようになります。 - 信頼性の構築
統一されたメッセージや対応は、企業の専門性や信頼性を高めます。これは特にB2B(企業間取引)の分野において、取引先との信頼関係を築く上で重要な要素となります。 - 差別化
独自のトンマナは、競合他社との差別化を図る上で重要な役割を果たします。トンマナを効果的に活用することで、顧客の心に残る独自のブランド個性を作り出すことが可能です。
トンマナは、単なるデザインの統一にとどまらず、ブランドの「人格」を形作る重要な要素なのです。
トンマナの正しい設定方法は、まずは日本語表現や敬語のルールを学ぶことから始めましょう。また、実際のコミュニケーションや文章を作成する際には、相手や状況に合わせて適切なトンマナを意識することが大切です。
トンマナを使いこなすことは、日本語のコミュニケーションにおいて非常に重要なスキルです。相手との良好な関係を築き、的確なメッセージを伝えるために、トンマナの意味や設定方法を理解し、磨いていきましょう。
ライティングにおけるトンマナとは?
まず、WEBや新聞・雑誌などコンテンツライティングにおけるトンマナを紹介してみたいと思います。なぜライティングにトンマナが必要となるのでしょうか?
それは、WEBメディアや、新聞・雑誌などは多くの人間がライティングの業務に関わる分業制であるということが関係しています。各々が好き勝手な語調・口調で文章を書いたり、極端に長い原稿が上がってきたりすれば、後々編集する立場の人間には面倒な仕事が増えてしまうことになるのが一因と言えるでしょう。
最初の段階で基本的なルールとなる「トンマナ」が決まっていれさえすれば、複数の人間が関わったとしても一定の範囲に収まった統一感のある文章に仕上げることが容易になるということです。
表記統一のためのルール
文章を書く上で基本となるのが「表記」です。例えば文中で「〇〇という」と書いている箇所もあれば「〇〇と言う」という表記をしている箇所もあるといった状況が見られればそれは「表記ゆれ」という現象となります。「こと」と「事」、「問合せ」「問い合わせ」などゆれが起こりやすい表記などについては注意しましょう。
また、文中に使用される可能性のある記号「!」や「?」であったり、数字の表現において全角のものを使用するのか、半角のものを使用するのかなども事前にルール決めておくことが表記統一においては重要なトンマナとなります。
雑誌や新聞の執筆・編集の際に使用されている「記者ハンドブック」というものも購入が可能ですので、表記の統一を図るにあたり執筆・編集をおこなう人が持っておくのも良い選択でしょう。慣れないうちは都度基準となる表記を確認しながら、コンテンツ執筆をすれば「ゆれ」が起こりづらいトンマナが整った制作環境を作ることにもつながります。
文字数のルール
同じサイトに掲載されているコンテンツで2000文字のものもあれば、20000文字のものもあるとすれば、それはもうトンマナが合っていないということになるはずです。
また、ページで横並びになる要素がある場合にも文字数を統一しておくことも重要となります。文字数が違いすぎると見た目の上でもガタつきが生まれてしまい、不揃いな印象を読み手に与えてしまうこととなります。
コンテンツには極端な長短が起こらないように、基準となる文字数を設け、前後何文字まで許容するかといった部分まで設定することが大切なのです。
語尾における統一感
「〇〇です。」「〇〇ます。」「〇〇でしょう。」などの語尾をメインに使っている文章の中に「〇〇だ。」「〇〇である。」「〇〇だろう。」が突然混在していたら読み手に大きな違和感を生みます。それが誰かによる発言を文中に挿入したものであれば違和感は無い場面かも知れませんが、語尾表現においてもトンマナを決めておきましょう。
また、トンマナを決めたからといって「〇〇です。〇〇です。〇〇です。」といった連発をしてしまうと、文章としての面白みや、読む際に適度なリズムを生み出しにくくしてしまうという弊害も。場面によっては「体言止め」だったり、違和感のない範囲で語尾のバリーションを考え、「です」や「ます」の中に織り交ぜることも必要になります。
コンテンツを利用したブランディングに必要となるトンマナ
コンテンツライティングといっても、自社サイトやコラムなどのオウンドメディアばかりではありません。SNSにおける発信などにおいても企業をどう見せたいのか?ユーザーとどのようなトーンでコミュニケーションを図るか?といったことを考えるときに必要になります。複数でSNSを運用する場合はもちろん、担当者が一人の場合にも企業やブランドを「どのような人格として認識して欲しいのか?」と考える時、トンマナが求められるのです。
トンマナとブランディングの相互関係
トンマナとブランディングは、別々の概念ではなく、互いに密接に関連しています。トンマナは、ブランディング戦略の一部として機能し、ブランドの個性や価値観を具体的に表現する重要な役割を果たします。具体的には、以下のような関係性があります。
- ブランディングがトンマナを規定する
ブランディング戦略で定められたブランドの本質や価値観に基づき、適切なトンマナが設定されます。ブランドがどのように見られたいかがトンマナによって反映されるのです。 - トンマナがブランディングを強化する
一貫したトンマナは、ブランドメッセージを効果的に伝え、ブランドの認知度や信頼性を向上させます。トンマナを適切に使うことで、ブランドの印象が確立されやすくなります。 - 相互作用的な発展
ブランディング戦略の変更に伴い、トンマナも適宜調整されることがあります。また、トンマナの効果が大きくなることで、逆にブランディング戦略に影響を与えることもあります。
つまり、トンマナはブランディングの「表現方法」であり、ブランディングは「何を表現するか」を決定するものだと言えるでしょう。両者が連携することで、より効果的なブランド構築が可能となります。
こういう言動はしない「NG」を考える
禁止項目を設けることでブランドイメージを保つことは非常に重要です。「炎上」などを避けるという意味においても運用マナーを定義しておきましょう。
〇効果・効能など誇張表現や、法に抵触する可能性のある表現は決まった言い回しに限定する
〇競合他社や競合製品・サービスに関しては絶対に否定的な表現をしない
〇政治や国際情勢に関しては一切言及しない
〇ルッキズムに繋がるような表現はしない
〇ジェンダーやLGBTQに関する表現に細心の注意を払う
重要なことは、少しでも誰かが不快な思いや、反感を抱くような要素は極力排除するという姿勢でしょう。もちろん、尖ったキャラクターを打ち出すというのもありではありますが、自社の商品・サービスなどを自嘲気味に紹介するのと誰かを下げるような下品な言動するのは全く意味合いが変わります。多くの反感を生むようなことだけは、最低限のマナーとして設定しておく必要があるでしょう。
デザインにおけるトンマナとは?
デザインにおいてのトンマナはブランドや会社のイメージなどをそのまま表すものともなり得ます。色味やフォント選び、線や影のつけ方など細かな部分までトンマナを規定しておけば、この色ならこの会社、このフォントならこのブランドなどといったように統一感を高め消費者にイメージ付けや認知をしやすくさせるといった効果も。ターゲットとなるユーザーを想定してデザインのトンマナを決めておくことで、デザインに関する工数の圧縮なども実現できるという利点も存在しています。
・高級車、ハイグレードマンションなどのトンマナ
高級車の広告を思い浮かべてみてください。もし、ラグジュアリーなイメージをユーザーに与えたいのであれば大きな参考になるはずです。
ベースカラーはブラックや、ダークブルー。テクスチャとしては深い赤のベルベットのような素材感のものを使用するのも良いでしょう。フォントは、明朝体。見出しには金文字や銀文字などのメタリックなフォントを用いるのも効果的かも知れません。
・女性向けコスメブランドのトンマナ
女性向けコスメのブランドは、ターゲットとする層によってトンマナが異なるので非常にわかりやすいサンプルと言えます。
「若年層向けプチプラコスメ」の場合、中学~高校生をターゲットとしているので、ベースカラーはピンクなどの明るい色を用いるパターンが多く見られます。リップ、チーク、アイシャドウなどの商品に関連した制作物などにおいては、商品の発色をそのままイメージできるような色味を使うことも。
フォントについてはかわいさを演出する目的もあり、角を落とした「丸ゴシック」系のフォントを用いる場面が多いほか、若干上の世代にも訴求したい商品などの場合には明朝系のフォントを用いるクリエイティブも確認できます。
「無添加系コスメ」の場合、あまり多くの色味を用いないというクリエイティブが特徴的です。白をベースにしているブランドや、色が使われている場合にもグレーや水色、薄目のグリーンなど淡い色をベースにするケースが多く、見受けられます。
華美な装飾をせずシンプルなデザインをすることで「添加物などのまじりっけが無いもの」というイメージをクリエイティブでも体現していくのが無添加コスメのクリエイティブ。画像イメージも水・空・土・緑などの自然を想起するようなものが用いられることがあり、ユーザーの好む傾向に合わせたクリエイティブと言えるでしょう。
ステレオタイプに縛られすぎないことも大切
ここまでは実際にあるデザインのトンマナ傾向に関して少し紹介してきましたが、これはあくまでも一例です。逆に言えば「ターゲットとしている対象が似ている商品やサービスであれば、競合を研究して作成されるものが多いのでデザインのトーンが似通ったものに陥りがち」という側面があるのも事実。
似たようなデザインのものが並んでいるだけであれば、競合との差別化をうまく打ち出しづらい状況であり、ユーザーの目にも止まりづらくなるという状況です。
商品やサービスを提供する側からすれば「一定程度のユーザーから広く受け入れられやすい」という先例があるものは非常に使いやすく、楽ではあります。
しかし、クリエイティブにおいては既存の成功例をなぞることも大切ではありますが、それだけでは新たなものが生まれづらく、クリエイターにとってもジレンマを抱えることにも繋がるでしょう。
通常のトンマナとは異なるようなものを敢えて使い大きな違和感やギャップを生み出すことで、逆に注目や話題を集めるという方法も当然選択肢となります。「こんな色や、こんなデザインがきっと好まれる」という先入観やステレオタイプを参考にすることは決して悪くありませんが、縛られすぎてしまう事はいい結果を生むとは限りませんので注意も必要です。
トンマナを使った効果的なライティングのポイント
ライティングにおいてトンマナを効果的に活用するためには、次のポイントに注意することが重要です。まず、謙虚すぎる表現や控えめな表現は、自信や信頼性を欠いていると受け取られることがあります。
日本人は謙虚を美徳に捉える傾向もありますが、自信を持つことを心がけてください。適切な自己表現や主張をすることで、相手に適切な印象を与えることができます。
また、敬語や丁寧語を不適切に使用することは、場にそぐわない印象を与えることがあります。相手の立場や関係性に応じて敬語を使うことは大切ですが、過剰な敬意は相手に負担をかけることになります。
トンマナを使った効果的なライティングを実現するためには、常にコンテキストを考慮し、相手やシチュエーションに応じて適切なトンマナを選ぶことが重要です。適切なトンマナの使用は、信頼関係を築き、成功するビジネスコミュニケーションを実現するための必須要素です。トンマナは、相手や状況に合わせて柔軟に使い分けることが必要です。
ここに、トンマナをより効果的に活用するための具体的な方法を追加していきます。
ビジュアル要素の統一
ビジュアル要素は、ブランドの第一印象を決定づける重要なポイントです。以下の要素を一貫して管理することで、視覚的に強力なブランドイメージを構築できます。
- ロゴデザイン
ブランドの象徴であるロゴは、シンプルで記憶に残りやすいものが理想的です。 - カラーパレット
ブランドを代表する色を2~3色選び、統一して使用します。例えば、マクドナルドの赤と黄色は世界的に認知されています。 - フォント選び
読みやすく、かつブランドのイメージに合ったフォントを選ぶことが重要です。 - イメージスタイル
使用する写真やイラストのスタイルを統一し、ビジュアル面で一貫性を保ちます。
言語・トーンの一貫性
言語とトーンは、ブランドの「声」を形作る要素です。以下のポイントに注意して一貫性を持たせましょう。
- 語調の決定
ブランドに適したフォーマルさやカジュアルさを選び、統一します。 - ボキャブラリーの統一
使用する言葉やフレーズを一定にし、ブランドの個性を表現します。 - メッセージの一貫性
キーメッセージを明確にし、あらゆるチャネルで統一して発信します。 - ストーリーテリング
ブランドの物語を一貫した方法で伝えることで、顧客との感情的なつながりを深めます。
ターゲット層に合わせたメッセージ性
効果的なトンマナは、ターゲット層の特性や価値観に合わせて設計される必要があります。
- ターゲット層の理解
年齢、性別、職業、ライフスタイルなどを考慮し、ターゲット層に最も適したメッセージを設計します。 - 価値観の共有
ターゲット層が重視する価値観を理解し、それをブランドメッセージに反映させます。 - 言語の適応
ターゲット層が日常的に使用する言葉やフレーズを積極的に取り入れます。 - ニーズへの対応
ターゲット層の抱える課題や欲求に対して的確に応えるメッセージを発信します。
コンテンツの一貫性
ブランドのトンマナを維持するためには、あらゆるメディアやチャネルでのコンテンツの一貫性が不可欠です。
- メディア横断的な一貫性
ウェブサイト、SNS、広告、パッケージングなど、全てのチャネルで統一されたトンマナを維持します。 - コンテンツの質の向上
高品質で価値のあるコンテンツを提供し、ブランドの信頼性を高めます。 - 更新頻度の管理
定期的にコンテンツを更新し、常に鮮度を保つことが重要です。 - ユーザー体験の一貫性
オンラインとオフラインの両方で、統一されたブランド体験を提供します。
これらの要素を組み合わせ、トンマナの一貫性を保つことで、ブランドの信頼性と価値を高め、顧客との強固な関係を築くことができます。時代の変化や顧客のニーズに応じてトンマナを柔軟に進化させることも重要です。
デザイン・コンテンツ共通に言えること
デザイン・コンテンツそれぞれにおける「トンマナ」について紹介してきましたが、共通して言える部分も当然存在します。ここからは制作にあたって意識しておくべき点や、トンマナを設定することによって生まれる効果について紹介してみたいと思います。
読み手(受け取り手)をきちんと意識する
どんなものについても言えることですが、商品を買ってもらったり、文章を読んでもらったりするとき、常に「対象」が存在します。細かくペルソナなどを設定できていればより良いですが、そこまでシビアではなくても「性別」「年齢層」「背景」などざっくりしたものだけでも設定しておけば、大きく外れたトンマナを設定してしまうことは無いでしょう。
極端な例で言えば、ティーン向けの雑誌の記事で「今年はこれが流行するはずである。根拠として挙げられるのは、上半期における小売店の売り上げの伸び率データだ」などと新聞や経済誌が書きそうなテキストを作成したとしても到底受け入れられるはずがありません。「敢えて企画として新聞風のコンテンツを作ってみる」というものであれば成り立つ側面はあるかもしれませんが、まずはコンテンツを受け取る相手をきちんと意識し、そこに対していかに刺さるトンマナか?を考える必要があるのです。
トンマナを揃えることによって生まれること
トンマナをきちんと決めることによって、商品やオウンドメディアや各種宣伝チャネルなどにおいてデザイン的な面や発信するメッセージについてのブレが起こりにくくなるという効果があります。
また、同一のデザイナーやコンテンツライターを起用することも想定され、バラバラで制作する場合と比べても制作の場面において素材の流用、横展開といったものが容易になることから制作コスト、工数の低減にもつながります。
仮にトンマナの決定過程に関与していなかったクリエイターが各種制作に携わることになった場合でも、事前に決められているトンマナを守ることで統一性およびクオリティの担保ができる顔とは、作業時間の短縮などの効果も見込まれます。
トンマナは、効率化にもつながる
大企業であればインハウスのデザイナーなどを抱えている場合には、職業デザイナーによる素材の作成や確保というのが容易になります。しかし、中規模・小規模の事業者であれば、デザインを外部発注していることも多いため、必要となる素材サイズが変わる度にデザインを依頼することになったり、場合によっては追加費用が発生することも。
それはテキストに関連するコンテンツの作成も同じで、全ての場面でコピーライターやコンテンツライターといった「言葉のプロ」が関わることになるとは限りません。特にオウンドメディアやSNSにおける発信などについては現場の広報や宣伝担当者がその業務を担うというのはよくあることだと思います。
基本となるトンマナさえしっかりしていれば、「職業デザイナー」ではなくても画像加工やデザインソフトを多少触ったことがある担当がいれば雰囲気や空気感を崩したり、乱したりすることを避けながらデザインやコンテンツ作成を実現できます。
費用面の圧縮はもちろん、トンマナを決めておくことが作業全体の効率化にもつながると言えるでしょう。
トンマナを統一するための具体的なツールや方法
トンマナを効果的に統一し、一貫したブランド体験を提供するためには、適切なツールや方法を活用することが重要です。ここでは、トンマナの統一に役立つ具体的なツールと方法について紹介します。
まず、デザインにおけるトンマナの統一には、いくつかのデザインツールが非常に有効です。
CANVA
Canvaは、デザインに不慣れな人でも使いやすく、豊富なテンプレートや「ブランドキット」を通じてビジュアルの統一が容易です。また、チーム内でのコラボレーション機能も備わっており、スムーズに共同作業が進められます。
Figma
リアルタイムでのコラボレーション機能を強みとするFigmaは、複数のデザイナーや関係者が同時に作業を進められるだけでなく、デザインシステムの構築や管理にも優れており、プロトタイプを通じて実際の使用感をテストできる点が特徴です。
Adobe Creative Cloud
Adobe Creative Cloudは、プロフェッショナルなデザイン制作において非常に効果的であり、PhotoshopやIllustratorなど多彩なツールを活用して、さまざまなデザインニーズに対応できます。これらのツールを活用することで、ロゴやカラーパレット、タイポグラフィなどのビジュアル要素を一貫して管理し、あらゆるメディアで統一されたデザインを提供することが可能です。
トーン&マナーガイドラインの作成
トーン&マナーガイドラインの作成が重要です。ガイドラインには、ブランドの歴史やミッション、ビジョンを明確に記述したブランドストーリーを含めることで、一貫したメッセージを発信します。また、ビジュアルガイドラインでは、ロゴの使用ルールやカラーパレット、タイポグラフィの詳細、画像スタイルなどを規定し、ブランドの視覚的な一貫性を保ちます。
言語トーンガイドラインでは、ブランドの「声」を定義し、使用すべき表現や避けるべき表現、コピーライティングの基本ルールを記述します。
また、ガイドラインには様々なメディアでのトンマナの適用例を示し、実際の運用に役立つ適用例を含めることも重要です。さらに、ガイドラインの更新履歴を記録することで、常に最新のバージョンを共有し、組織全体で一貫したトンマナを維持することが可能です。
チームでの共有と浸透方法
トンマナの統一を効果的に進めるためには、チームでの共有と浸透方法も重要です。新入社員向けのオリエンテーションや定期的なリフレッシャーセッション、ワークショップを通じてトンマナを理解させるトレーニングセッションの実施が役立ちます。さらに、内部コミュニケーションツールとして、Chatwork 、SlackやZoom、Microsoft Teamsなどを活用し、専用チャンネルでアップデートや事例を共有することも効果的です。
また、トンマナを最も効果的に実践した事例を社内で表彰し、成功事例をケーススタディとして共有したり、定期的にフィードバックを収集し改善を反映することも効果的です。
これらの方法を組み合わせることで、トンマナをチーム全体に浸透させ、一貫したブランド体験を提供することが可能です。トンマナの統一は一度で終わるものではなく、ブランドや市場の変化に応じて常に見直し、改善を続けていくことが重要です。
トンマナに関するまとめ
テキストライティングにおいても、デザインにおいても「トンマナ」を作る上で重要なのはユーザーやコアとなる購入者層に対してどのようなイメージを抱いてもらいたいか?という点を深く考えるのが重要であるということです。
トンマナから著しく外れたテキストやデザインがあれば、必然的に悪目立ちや浮いた存在となるためユーザーにちぐはぐな印象や間違ったメッセージを送る可能性も考えられます。
適切なブランディングや、権威付けの点からも非常に重要なものとなりますので、世の中に対してどのように見せていくか?という軸となる部分はブレることが無いよう、ブランディング戦略全体や、ブランドアイデンティティなどと相違ないトンマナを作り上げるようにしていきましょう。
カッティングエッジ株式会社 代表取締役 竹田 四郎
WEBコンサルタント、SEOコンサルタント。WEBサイトの自然検索の最大化を得意とする。実績社数は3,000社を超える。
営業会社で苦労した経験より反響営業のモデルを得意とし、その理論を基に顧客を成功に導く。WEBサイトやキーワードの調査、分析、設計、ディレクションを得意とする。上級ウェブ解析士、提案型ウェブアナリスト、GAIQの資格を保有する。著書:コンテンツマーケティングは設計が9割