投稿日:2025年2月24日 | 最終更新日:2025年3月2日
「マイクロモーメント」という言葉を聞いたことがありますか? スマホ全盛の現代、ユーザーの“すぐ調べたい・すぐ行動したい”という欲求に応える瞬間が増えています。これを正しく理解してコンテンツを作ることが、コンテンツマーケティングにおいて重要です。本記事では、ユーザーのニーズに応えるための「マイクロモーメント」理論や、その具体的なコンテンツ制作方法をわかりやすく解説します。
マイクロモーメントとは
「マイクロモーメント」とは、2015年にGoogleが提唱した言葉です。ユーザーが何か行動をしたいと思った時に、スマートフォンやタブレット端末を使って検索する瞬間を意味しております。モーメント(moment)とは、瞬間を意味する英語です。
- 「○○が気になるから、スマホで調べよう!」
- 「おいしいレストランないかな? すぐ探そう!」
- 「これ買いたいけど、口コミはどうだろう?」
といったように、ちょっとした“隙間時間”や“思い立った瞬間”にネット検索が行われ、購買意欲や行動が素早く決まってしまうケースが増えているのです。
インターネット・SNSの普及に伴い、情報が即座に得られるようになった現代では、ユーザーの意思決定スピードが飛躍的に上がっています。これに対応するためには、マイクロモーメントを意識したコンテンツ制作やマーケティングが不可欠です。
ガラケー(フィーチャーフォン)が普及していた2012年以前と比較すると、ユーザーの検索・意思決定スピードは圧倒的に早くなりました。そのためマーケティング活動においても、マイクロモーメントを理解して、素早いユーザーニーズに応えることがより重要になっています。マイクロモーメントを補足する上で、ZMOT(ジーモット)理論を少し解説します。
ZMOT(Zero Moment of Truth)とは
ZMOT(Zero Moment of Truth) とは2011年にGoogleが提唱した、購入動向に関する理論です。消費者はスマホやPCで情報収集し、実際の買い物行動より先に購入候補をほぼ決めていることを示しています。
以前から存在したFMOT(店頭で商品を見て数秒で購入を決める瞬間)・SMOT(商品を購入後、実際に使用して評価する瞬間)に対し、ZMOTはそれらの前段階、つまり「検索やSNSを通じて、もう購入意思を固めてしまう」フェーズがあることを指摘したのです。
スマートフォン・SNSが普及した現在では、ZMOTの段階がユーザーの意思決定を大きく左右しています。まさに、マイクロモーメントが引き起こす購買行動の早期化を理解するうえで重要な理論と言えるでしょう。
詳しくは、下記の記事の「コンテンツマーケティングが必要とされている理由」のパートを参照願います。
参考記事:コンテンツマーケティングとは?メリット・デメリットや立ち上げの手順を解説
参考記事:Winning the Zero Moment of Truth eBook (2011)
https://www.thinkwithgoogle.com/future-of-marketing/emerging-technology/2011-winning-zmot-ebook/
私が学生のくらいの時なので20年以上も前の話になると思います。携帯電話が普及する前や、ガラケー中心の時代では、「来て見てさわって富士通のお店」というキャッチコピーも流行っていました。お客様が、家電量販店やショップに行くことが前提になっています。
ユーザーが手に取って体感して初めて価値がわかるというプロセスの前に、「もう一つ前の段階が実はあったよ」というのがZMOT(ジーモット)のモデルです。現代の消費者行動は 「来て見てさわって」の前に、既に「決まっている」ということです。スマートフォンやSNSの普及に伴い、ZMOTの標準化が進んでいます。
マイクロモーメントは4つのパターンに分類される
Googleは、重要なマイクロモーメントを大きく以下の4パターンに分けています。
- 知りたい(I-want-to-know moments)
- 行きたい(I-want-to-go moments)
- したい(I-want-to-do moments)
- 買いたい(I-want-to-buy moments)
参照記事: Google「4 New Moments Every Marketer Should Know」
https://think.storage.googleapis.com/docs/4-new-moments-every-marketer-should-know.pdf
1. 知りたい (I‐want‐to‐know moments)
ユーザーが「もっと情報が知りたい!」と思った瞬間の検索行動です。
- CMを見て「あの商品、もっと詳しく知りたい」と思ったり
- 「○○って何だろう?」と疑問が湧いたときにスマホで即座に調べる
多くの人が日常的に行う「知りたい」欲求による検索であり、マイクロモーメントの中でも発生頻度が非常に高いです。
2. 行きたい (I‐want‐to‐go moments)
ユーザーが「どこかに行きたい・アクセス情報を探したい」と思った瞬間の検索行動です。
- 地図アプリで最寄りの店舗情報を探す
- 「○○駅 居酒屋」「XXホテル 口コミ」などエリア+施設名で調べる
Googleマップやローカル検索との相性が高く、場所に関する検索が多い特徴があります。
3. したい (I‐want‐to‐do moments)
ユーザーが「何かをやりたい・方法を知りたい」と思った瞬間の検索行動です。
- 「肉じゃが レシピ」「DIY 本棚 作り方」
- 「ヨガ ポーズ コツ」
How to系の検索行動が典型例で、動画や画像と相性が良いのも特徴です。
4. 買いたい (I‐want‐to‐buy moments)
ユーザーが「○○を購入したい・おすすめを知りたい」と思った瞬間の検索行動です。
- 「ワイヤレスイヤホン おすすめ」
- 「○○ 通販 最安値」
商品・サービスの購買直前に行われる検索が多く、ECサイトやレビュー・比較コンテンツがよく閲覧されます。
マイクロモーメントを加味したコンテンツ制作が重要な理由
マイクロモーメントを理解することで、ユーザーが求めている瞬間を的確に把握し、検索エンジンから高い評価を得られるコンテンツを作成できます。
検索エンジンからの評価とは、特定キーワードの検索の時に、SERPs(サープス:Search Engine Result Pages)でWEBサイトが上位に位置し、よりユーザーに見てもらえるコンテンツを意味します。
検索エンジンが目指していることとは?
検索エンジン(特にGoogle)は、ユーザーの疑問や目的にもっとも適したコンテンツを素早く提供することを使命としています。
- 過去はキーワードマッチ重視
- 現在は「検索意図(インテント)」を推測して答えを返す形へ進化
この変化を背景に、ユーザーの“知りたい/行きたい/したい/買いたい”などの瞬間を読み取り、それにマッチする有益な情報を提供できるページが上位に評価されやすくなっています。
例を出しますと、※2025年現在、アメリカの大統領はトランプ大統領になっています。
「トランプ大統領 奥さん」と検索しますと、トランプ大統領の過去の配偶者や現在の配偶者を表示してくれます。随分と便利になっております。

「奥さん」という単語を少し触れてみます。
WIKIより引用 「奥さん」
奥さん、奥様 元々は、(二人称的呼称も含めて)他人の妻に対する尊敬語として使われてきた。その後、昭和以降には、自らの妻をさして「うちの奥さん」などと使用する用法が生まれ、日本全国へ広まっている。「従来妻への尊敬語がなかったためこれにあたる語として奥さんを使用するようになってきている」
「奥さん」=「妻」「配偶者」「嫁」「かみさん」「女房」「家内」と同義語であります。検索ユーザーの口語表現を的確に捉え、過去の配偶者のデータ、歴史までも回答しているという意味です。検索エンジンの精度は、そこまで向上していることです。
つまり、検索エンジンの役割は、個々のユーザーの検索意図を把握し、検索目的や課題解決をお手伝いすることを目的としています。
検索エンジンのコンテンツ評価方法について
検索エンジンのコンテンツ評価方法は主に3つになります。Needs Met(ニーズメット):Page Quality(ページクオリティ):Usabiliry(ユーザビリティ)、UI/UXについて解説します。
Needs Met(ニーズメット)
Google検索品質評価ガイドラインで示される概念で、「どれだけユーザーニーズを満たしているか」を指します。モバイルユーザーの利用シチュエーションを考慮した検索意図への対応が重要です。
「卵 レシピ」という検索で卵を使ったレシピサイトが上位に表示される意味は、まさにこのユーザーの検索ニーズに応えているためです。現在は、ほとんどのユーザーがスマートフォンから検索しています。
検索品質ガイドラインのNeedsMetの項目では、下記の要素も重要です。
「Understanding Mobile User Needs(モバイルユーザーニーズの理解) 」モバイルユーザーのニーズに焦点を合わせ、どれほどユーザーにとってお役立ちできるか?も考察したコンテンツ制作が重要です。
検索品質ガイドライン:General Guidelines P69,P89
Page Quality(ページクオリティ)
Page Quality(ページクオリティ)とは、記事の品質の高さ・信頼性の高さを意味します。
- E-E-A-T(旧:E-A-T): Expertise(専門性)、Experience(実体験)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)
- コンテンツの量と質・サイト情報の透明性・運営者や著者情報
下記簡単に解説致します。
・専門性、実体験、権威性、信頼性(E-E-A-T)
E-E-A-Tは、専門性(Expertise)・Experience(実体験)・権威性(Authoritativeness)・信頼性(Trustworthenss)の頭文字を取った造語です。著者情報を明示し、専門性の高いコンテンツがE-E-A-Tの評価を向上させることです。
※本記事を書いた時は、2022年でしたが2025年現在、E-E-A-T のアルゴリズムが評価されています。
・コンテンツの量と質
コンテンツのテーマに対して、記事の内容が目的を満たしているか?が評価となります。記事にボリュームを出すために、無駄にテキスト量を稼ぐコンテンツなどはマイナス評価となります。
・サイト情報と責任の所在
サイトの信頼性を向上させるためには、「会社概要」「プロフィール情報」「問い合わせ情報」「住所・電話番号」等、サイトについて問い合わせできる項目があると良いです。
・サイトの肯定的な評判
ユーザーによる評価のことを意味しています。外部サイトからの紹介や、SNSでシェア等をもらうことです。端的に言うと、被リンクをもらうことです。
Usabiliry(ユーザビリティ)
Usabiliry(ユーザビリティ)とは、「使いやすさ」「使い勝手」「有用性」の意味があります。Webユーザビリティとは、Webサイトの使いやすさという意味です。ユーザビリティに近い言葉として、UIやUXという言葉があります。
- UI(ユーザーインターフェース)
- UX(ユーザーエクスペリエンス)
優れたUI・UXが、スマホやPCでストレスなく操作できるサイトを生み出し、検索エンジンからの評価にも繋がります。
・UI(ユーザーインターフェース)
UI(ユーザーインターフェース)とは、ソフトウェアや機械とユーザーの間にあり、ユーザーの意思を伝えるもの全てです。ユーザーの目に触れる画面や要素が全てUIに該当します。
ボタン、バナー、検索窓、カーソル、表示画面、アイコン 等全てになります。
優れたUIは、使用に戸惑うことがなく、Webサイトの使いやすさを意味します。「UIが良い」と言われるWEBサイトは、どうやって操作すれば良いのだろうと躊躇させることがありません。
・UX(ユーザーエクスペリエンス)
UX(ユーザーエクスペリエンス)とはユーザー体験とも言われます。UXは、様々なサービスや製品を通してユーザーが感じる感動、印象といった体験の全てを意味します。
スマートフォンでiPhoneの最新版を手にしてみた時、デバイスの形状が美しいなと感じたり、手に持って軽いなとか大きいなと感じた体験全てがUXを意味します。「バッテリーが長く持っていいな」、「思ったよりデバイスの容量があるな」、「箱がかっこいいな」という点もUXを意味します。
UI:スマートフォンデバイスのディスプレイやボタンを意味します。
UX:スマートフォンデバイスを利用した一通りのユーザー体験を意味します。
UI、UXを含むユーザビリティのよいWEBサイト、ページ、コンテンツも検索エンジンから評価される要素と言えます。
検索意図の把握でマッチするコンテンツの作成が可能に!
マイクロモーメントを前提としたユーザーの検索意図を把握すれば、彼らが本当に欲している情報に合わせたコンテンツを用意できます。結果的に離脱率が下がり、検索エンジンの評価も上がるため、上位表示が期待できます。
マイクロモーメントの検索クエリパターンを解説
マイクロモーメントを4つのパターンに分けましたが、実際の検索クエリ(キーワード)にはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは、Go / Do / Buy / Knowクエリの具体例を挙げながら解説します。
行きたい:Goクエリの特徴
サンプルでGoクエリの特徴となるキーワードを確認します。
- 「新宿 居酒屋」
- 「新宿 ホテル」
- 「近くのカフェ」
新宿でまとめてみましたが、どれも共通する点は検索結果でローカルパックが表示されることです。ローカルパックとは、Googleの検索結果画面で上位に表示されるGoogleマイビジネスのリストのことを意味します。

- Googleマップやローカル検索が表示される
- 地図とともに店舗リストが上位に来るケースが多い
住所や電話番号、営業時間などの情報が重要視され、ユーザーがすぐに行けるかどうか判断できるかが鍵です。
こちらがユーザーの「行きたい」を満たす「Goクエリ」の検索パターンとなります。
したい:Doクエリの特徴
サンプルでDoクエリの特徴となるキーワードを確認します。
- 「肉じゃが 作り方」
- 「DIY 本棚 手順」
- 「ヨガ ポーズ やり方」
How-to系の検索結果が主流
画像や動画の補足があると好まれる
所要時間や材料、ステップバイステップの説明があると、ユーザーの満足度が高まります。
主に●●のやり方や方法を解説しておりまして、検索結果に「動画」や「画像」が第一に表示されます。「肉じゃが」のレシピを手っ取り早く理解するためには、レシピサイトや、調理工程を説明してくれるサイトは理解が早く進みます。YouTubeの動画が検索結果ページでも上位表示してくる理由は、上記となります。
こちらがユーザーの「~したい、やりたい」を満たす「Doクエリ」の検索パターンとなります。
買いたい:Buyクエリの特徴
サンプルでBuyクエリの特徴となるキーワードを確認します。
- 「ヨガマット おすすめ」
- 「スイッチ ソフト」
- 「化粧水 口コミ」
- 「ワイヤレス イヤホン おすすめ」
Buyクエリは「買いたい」を意味しているので、
- ECサイトや比較レビューサイトが多く表示
- 値段や在庫状況、商品特長の比較が重要
「おすすめ」や「ランキング」といったキーワードが組み合わさり、購買直前のユーザーを捉えるコンテンツが注目されがちです。
「スイッチ ソフト」の検索では、Nintendo Switchソフトウェアが「古い順」「新しい順」「人気順」などわかりやすくソフトが整列されます。

こちらがユーザーの「買いたい」を満たす「Buyクエリ」の検索パターンとなります。
知りたい:knowクエリの特徴
最後にKnowクエリの特徴となるキーワードを確認します。
- 「新宿区 人口」
- 「DXとは」
- 「ブランディング わかりやすく」
- 「ノットリリースザボール」(ラグビーのルール)
- 定義や背景知識を求める検索
- Wikipediaや公式情報、用語解説ページが上位に来やすい
「~とは」で終わるクエリが典型的で、ユーザーは基礎知識や概念を理解したい段階です。
knowクエリは「知りたい」を満たすキーワードです。但し、「Go」「Do」「Buy」クエリと比較すると明確なシグナルが得にくいので、上記の3つ以外と考えるとわかりやすいです。
「~とは」やWIKIペディアが表示される検索キーワードは、「Know」クエリと認識して良いです。病名の検索や、薬名の検索なども「know」クエリと言えます。
- 「BMIとは」
- 「ロキソニンとは」
- 「熱中症とは」
こちらがユーザーの「知りたい」を満たす「Knowクエリ」の検索パターンとなります。
記載を検討すべきコンテンツパターン
マイクロモーメント4パターン(Go / Do / Buy / Know)ごとに、どのような要素を含めるとユーザーの検索ニーズに応えられるかを整理しました。
Goクエリのキーワードにあると良い要素
Goクエリは、「どこかに行きたいか?」を検討している瞬間です。検索結果にローカルパックが表示されることから、下記が重要な要素です。
- 住所・電話番号・営業時間
- 地図・アクセス方法(最寄り駅や駐車場情報)
- クーポンや予約の可否
等、「行きたい」とユーザーが意思決定をするために、上記が必要な要素となります。
ユーザーが「行きたい!」と思った際、すぐ行動できる情報が求められます。
Doクエリのキーワードににあると良い要素
Doクエリは、「何かをしたい、やりたい」を探している瞬間です。テキストだけではなく、画像や動画で視覚的に説明すると良いです。
- ステップバイステップの手順(例: レシピ、DIY手順)
- 動画や画像での解説
- 必要な材料・時間・注意点など
等、「~したい」とユーザーが意思決定をするために、上記が必要な要素となります。
ユーザーが「やり方を知りたい!」と思った際、すぐ実行に移せる具体的情報が重要です
Buyクエリのキーワードにあると良い要素
Buyクエリは、「何かを買いたい」を検討している瞬間です。「何かを買いたい」わけなので、商品やサービスが購入できる状態を確保するのが望ましいです。
- 商品リスト・価格比較・スペック比較
- 在庫状況・配送方法・支払い方法
- 他社製品との差別化ポイント
等、「買いたい」とユーザーが意思決定をするために、上記が必要な要素となります。
ユーザーが「買いたい!」と思った際、購入の最終決断を促すための根拠が必要です。
Knowクエリのキーワードにあると良い要素
Knowクエリは、「何かを知りたい」を検討している瞬間です。「Go」「Do」「Buy」のようにわかりやすいシグナルはありません。ですので、この3つ以外と考えるとシンプルです。
- 定義や概要(「~とは?」「歴史的背景」)
- 関連用語や詳しい背景情報
- 図解や参考文献、データソースなど
ユーザーが「知りたい!」と思った際、疑問を解消しつつ興味を深める内容が求められます。
「知りたい」欲求からなので、検索クエリが「質問をしているかどうか?」を考えるのがわかりやすいです。
「~とは?」 を例にしますと。
- 糖尿病とは?
- 下肢静脈瘤とは?
上記は病名についての「知りたい」を意味しております。
糖尿病を検索しているので、糖尿病とはこのような病気で、このような生活をしていると糖尿病になりますと「病名」に関する説明と因果関係を記述するとわかりやすいです。 よって、Knowクエリに必要な要素は、検索クエリに対しての説明と背景、解説になります。
「知りたい」とユーザーが意思決定をするために、上記が要素の参考となります。
ユーザーの検索課題に対して意思決定できるコンテンツが重要
最終的には、ユーザーが検索に費やすコストを下げ、自分の行動を瞬時に決められるコンテンツが好まれます。
- 知りたい → 十分な説明や背景を提供
- 行きたい → すぐ行ける住所や予約情報
- したい → 必要な手順や用意する物
- 買いたい → 在庫や比較情報、購入リンク
コンテンツ制作では、単にテキストを並べるだけでなく、内部リンクや明確なCTA(Call to Action)を設置し、ユーザーがスムーズに行動できる工夫が重要です。
2025年現在におけるマイクロモーメントと検索エンジンの進化

スマートフォンの普及や通信速度の高速化だけでなく、生成系AIや音声検索の台頭など、ユーザーの検索行動は年々変化しています。2025年現在、マイクロモーメントの概念はより一層重要になりつつありますが、その捉え方には以下のような最新のトレンドを加味する必要があります。
AI検索・チャットAIとの融合
チャットGPTなどの生成系AIが検索結果やブラウザに統合され、ユーザーが対話形式で回答を得る機会が増えています。AIは膨大なデータをもとにまとめ記事や要約を提示するため、企業やメディアが発信するコンテンツがAIに取り上げられるには、公式性・専門性・独自性がより重要になりました。
- E-E-A-T(Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness)の観点を強化し、正確な根拠や信頼できるデータを提示
- AIが要約しても魅力や優位性が損なわれないように、オリジナルな視点・事例を盛り込む
音声検索の拡大
GoogleアシスタントやSiri、Alexaなどの音声アシスタントが普及し、音声入力で検索するユーザーが増加しています。音声検索は自然言語でクエリを入力するケースが多いため、
- 「近くのおすすめ○○は?」
- 「△△を作る手順を教えて」などの会話調キーワードを想定したコンテンツ設計やFAQ形式が効果的です。
ユーザービリティ向上と意思決定の瞬間短縮化
マイクロモーメントの概念どおり、ユーザーは「すぐに答えが欲しい」という姿勢を強めています。ページ表示速度の遅延や、複雑な操作フローは離脱を招くため、
- モバイルフレンドリーやレスポンシブデザインは必須
- 1ページ内で意思決定できるようCTA(Call to Action)を分かりやすく配置
- ランキング形式や比較表など、瞬時に概要を把握できる構成が求められます。
特に、購入意欲の高い「買いたい(Buy)」マイクロモーメントでは、ユーザーがサイト上ですぐに購入できる導線を整えることが大きな差別化につながります。
マイクロモーメント時代のコンテンツ制作:2025年の視点

以上のように、マイクロモーメントを軸としたユーザーニーズへの対応は現在も有効ですが、AIや音声検索、ユーザーの意思決定短縮化という新たな状況にも適応しなければなりません。
- 検索エンジンとAIの共存: 対話型AIが回答を生成する時代は、より専門性・独自性の高いコンテンツが選ばれやすい
- 音声検索最適化: FAQ形式や疑問形のキーワードにも対応し、自然言語を想定した文章構成を整備
- 即時決断へのサポート: マイクロモーメントでユーザーが離脱しないよう、UI/UXを洗練させ、ページスピードを改善
このように2025年においても、マイクロモーメントはユーザーファーストのコンテンツ設計を考えるうえでの必須概念です。刻々と変化する検索環境を踏まえながら、ユーザーの欲する情報や体験を素早く提供することで、コンテンツマーケティングの成果を最大化できるでしょう。
まとめ
マイクロモーメントを理解すると、ユーザーが検索する背景や意図を正確につかみ、ニーズを満たすコンテンツを作りやすくなります。
- 「Go/Do/Buy/Know」という4パターンで検索行動を整理
- ユーザーが抱える疑問や欲求に的確に応える情報を用意
- 検索エンジンもそうしたコンテンツを高く評価し、上位表示につながる
結果的に、コンテンツマーケティングの一環として作ったページがユーザーに多く利用され、ビジネス成果や認知度向上に大きく貢献する可能性が高まります。
もしキーワード分析や戦略的コンテンツ制作にお悩みなら、専門のコンサルや制作支援を活用してみるのも一つの手です。いずれにせよ、ユーザーの「瞬間的な行動」に寄り添うコンテンツこそが、マイクロモーメント時代の成功のカギとなるでしょう。


カッティングエッジ株式会社 代表取締役 竹田 四郎
WEBコンサルタント、SEOコンサルタント。WEBサイトの自然検索の最大化を得意とする。実績社数は2,500社を超える。
営業会社で苦労した経験より反響営業のモデルを得意とし、その理論を基に顧客を成功に導く。WEBサイトやキーワードの調査、分析、設計、ディレクションを得意とする。上級ウェブ解析士、提案型ウェブアナリスト、GAIQの資格を保有する。著書:コンテンツマーケティングは設計が9割