投稿日:2021年8月26日 | 最終更新日:2024年1月23日
最近よく耳にするようになったオウンドメディアという言葉。自社の公式サイトと何が違うのか分からない人も多いのではないでしょうか。WEB集客を目的としたコンテンツマーケティングを展開する上で、オウンドメディアはなくてはならない存在です。オウンドメディアのメリット・デメリット、運用のコツなどを紹介します。
オウンドメディアとは
オウンドメディア(Owned Media)とは、自社で所有するメディアの総称です。広義と狭義があり、広義では、自分の会社で情報を発信している媒体は全てオウンドメディアに該当します。例えば、公式ホームページやECサイト、ブログ、メルマガ、ニュースレターなどのWEBコンテンツのほか、定期的に顧客に配布している情報誌やパンフレット、小冊子などもオウンドメディアとなります。
狭義でのオウンドメディアは、WEBコンテンツのみを指しています。今回は、狭義のオウンドメディアを見ていきます。
コンテンツマーケティング会社ファストマーケティングが2020年に行った「BtoBのオウンドメディアに関する実態調査」によると、約4割の企業がオウンドメディアを所有していることが明らかになりました。
オウンドメディアは、トリプルメディアの1つです。トリプルメディアとは、企業が見込み客に情報提供するメディアを3つまとめて表した言葉です。オウンドメディア以外に、ペイドメディア、アーンドメディアがあります。
アーンドメディアとの違い
アーンドメディアのアーンド(earned)とは、信用や評判を獲得するという意味です。すなわち、消費者やユーザーが情報発信の起点となり、信用や評判を獲得するのがアーンドメディアです。代表的な媒体にブログやSNSがあります。
例えば、おしゃれな20代女性が自分のブログで、いろんなブランドの化粧品を使った感想を紹介しています。ユーザーの個人的な感想ではあるものの、その女性がインフルエンサーならブログをフォローしている人は、紹介された化粧品を購入したいと思うかもしれません。これぞ、まさしくアーンドメディアの効果です。
アーンドメディアは、コストをかけずに多くのユーザーに情報を拡散でき、信頼性が高まるのがメリットです。しかし、企業が情報の発信源でないため、情報をコントロールできません。また、情報の発信源が世間から著しくマイナスなイメージを抱かれるような行動をしたり、「炎上」と呼ばれるような状況となった場合には、間接的なダメージを受ける可能性もリスクであると言えます。
ペイドメディアとの違い
ペイドメディアのペイド(paid)とは、支払うという意味です。リスティング広告やバナー広告、ニュースキュレーションアプリや、ニュースサイトのインフィード広告などのオンライン広告で、支払いを伴うメディアをペイドメディアといいます。
リスティング広告は、検索エンジンの検索結果の上部もしくは右部に表示されるテキスト広告で、ペイドメディアの代表格です。
自社名もしくは自社の商品・サービスを認知していないものの、興味や関心を持つ人に対し接点を作り、認知してもらえるのがメリットです。一方、運用には費用がかかりますが、テレビCMよりは安いため、多くの企業がペイドメディアを利用しています。
オウンドメディアとホームページは何が違うのか?
企業が持つW E Bとして代表的なものがW E Bサイト(ホームページ)です。オウンドメディアとホームページはどこが違うのかについて考えてみましょう。
ホームページとの違い
日本では「W E Bサイト」という言葉より「ホームページ」という言葉が普及しています。しかし、「ホームページ」の本来意味としてはサイトのT O Pページを指すもの。ページの集合体を「サイト」と呼ぶので「公式サイト」と呼ぶのがより正しいでしょう。
「公式サイトはオウンドメディアでは無いのか?」と思う方もいるとは思います。ユーザーに大して有益となる情報を定期的に発信できているものであれば、公式サイトもオウンドメディアたり得る可能性はありますが、多くの企業の公式サイトは会社情報や商品情報などの掲載がほとんどでオウンドメディアと呼べるものでは無いというのが現実です。
ホームページをオウンドメディアにするには?
企業情報や商品情報が載っているだけであれば、それはあくまでも公式サイト。定期的に情報をリリースする機能として、ニュースリリースだけがあるような企業サイトであれば、なかなかオウンドメディアとしての機能を持たせることは難しいでしょう。
例えば、業界の動向についての最新情報だったり、自社旧商品や他社製品と新製品との機能比較やレビュー、各支社周辺の名店グルメの紹介などの情報を「コラム」といった形で発信できるものであれば、それはオウンドメディアと呼べるものとなる可能性もあります。
オウンドメディアの運用目的
オウンドメディアを運用する目的は主に2つあります。
サービスのイメージを顧客に印象付ける
顧客と最初に接する機会を作る
オウンドメディアは、自社サービスや商品のイメージを顧客に印象付け、企業イメージを高めます。営業ツールとしても効果的で、最初に接する機会を作り、認知拡大を図ります。
サービスのイメージを印象付ける
きちんとしたオウンドメディアを持っていると会社の信頼だけでなく、サービスや商品のイメージもアップします。オウンドメディアに、専門性が高く読者の役に立つ記事を載せ続けると、読者が繰り返しサイトを訪れ、記事を読むようになります。記事を提供することで、会社のサービスに対するイメージが向上し、信用されるようになるのです。
サービスのイメージを印象付けるブランディングがオウンドメディアの目的の一つです。
顧客と最初に接する機会を作る
オウンドメディアは顧客と最初に接する機会を作るので、第一印象はとても大切です。
新しい取引先と名刺交換をする場面をイメージしてください。名刺交換した人は、どのような会社なのかをオウンドメディアで調べるはずです。例えば、公式ホームページに社長のメッセージ、企業理念や企業情報、地図などがきちんと掲載されていると、好印象を与えます。逆に問い合わせフォームがなかったり、電話番号が目立たなかったりすると悪印象になります。
見込み客も同様です。検索キーワードを入力して、めぼしい商品を見つけると、どんな会社が販売しているのか気になります。その際、最初に接触するのがオウンドメディアです。
オウンドメディアを運用するメリット
オウンドメディアを運用するメリットは以下の3つです。
顧客ロイヤリティを高められる
広告費を抑えられる
コンテンツが資産になる
コンテンツの自由度と制御性
オウンドメディアで情報を発信し続けると、顧客ロイヤリティを高めることにつながります。アクセス数が増えれば増えるほど、オウンドメディアを運営している会社や提供する商品・サービスについて知りたい人が出てくるため、広告費を抑えられます。信頼できるコンテンツは最終的に会社の資産となり、企業価値を高める結果につながるでしょう。
顧客ロイヤリティを高められる
顧客ロイヤリティのロイヤリティ(Loyalty)は忠誠心や愛着の意味で、顧客が会社自体や商品、サービス、ブランドに対して信頼や愛着を持っていることをいいます。オウンドメディアで情報を発信し続けると「役立つ情報を惜しげもなく提供してくれる会社は良い会社に違いない」という印象を与え、読者の顧客ロイヤリティは高まっていきます。
顧客ロイヤリティが高い読者ほど、値段が高くても購入してくれるため、価格競争に巻き込まれる心配はありません。さらに、継続的に商品を購入することで、リピート率を高めることができます。
広告費を抑えられる
例えば、日本茶をメインに取り扱う会社のオウンドメディアには、日本茶のおいしい入れ方、緑茶の効用、コーヒーや紅茶の話、お茶に合うおいしいスイーツ、お店情報、料理レシピ、読者コーナーなど日本茶に関するいろいろな内容の記事が掲載されています。記事の内容が豊富なので、検索エンジンから各記事への流入が増え、サイト全体へのアクセスを増やすことができます。
広告は自社のことを全く知らない人に対して認知してもらうものです。そのためオウンドメディアを持たなければ、新たな顧客を獲得するためにはW E B以外のメディアも含めて多くの広告費を費やしてユーザーを呼ばなくてはなりません。
広告を用いて獲得したユーザーのうち、継続してサイトを訪問してくれるユーザーはどれだけ残るでしょうか?そう考えると、一定のユーザーを安定して獲得するためには、全くオウンドメディアが無い場合にはある程度の金額を常に広告費として投入し続けることが求められます。
しかし、オウンドメディアは何度も訪問する読者に向けて情報提供すると、高い確率で購入してくれるため、広告費を抑えられます。
オウンドメディアは企業がその内容をコントロール出来ることから、特に公式サイトやブログなどではSEOを強く意識するコンテンツ発信をすることが可能となります。
すぐに自らの顧客となり得るような、リスティングやディスプレイ広告に使用するキーワードだけではなく、間接的に顧客となり得る潜在的な顧客に対してアプローチする上で、SEOはとても有効な手段と言えるでしょう。
ロングテールやミドルワード、スモールワードと言われるようなペイドメディアには予算投下がしづらいようなワードでも、オウンドメディアの検索順位が上昇していれば、大きなメリットにつながります。
将来的にターゲットとなり得る潜在顧客が自然検索によるサイト流入する可能性も高まるため、X(旧Twitter)、Facebook、InstagramなどのSNSのアカウントを活用したプロモーションと合わせて、予算を抑えたプロモーションを実現できるというのは、オウンドメディアの大きな強みです。
コンテンツが資産になる
多くの人はなかなか認識できていませんが、良質な記事を大量に蓄積したオウンドメディアのコンテンツは、ドメインの期限が切れたりせずW E B上に存在し続ける限り存在自体が会社の資産となります。アクセス数が増えることで、広告にお金をかけなくても自然流入が見込めるため、コツコツと運営を続けることで、会社に資産が貯まります。
オウンドメディアにはストック効果があり、過去の記事でも検索エンジンやSNSを使って読めるため、アクセス数は維持されます。お金をかけなくても、流入が見込めるコンテンツが、オウンドメディアに蓄積されるのです。
参考記事:コンテンツ制作の流れとポイント|作成方法別のメリット・デメリットを解説
コンテンツの自由度と制御性
コンテンツの自由度と制御性が高い点です。企業は自社のオウンドメディア上で、伝えたい情報を完全にコントロールすることができます。BtoBでもBtoCの形態でも自社のテイストを保ちながらも情報発信することができます。
これにより、戦略に応じてブランドのメッセージを柔軟に伝えることが可能となり、ターゲットとなるユーザーに適したコンテンツを提供することができます。
さらに、不適切な広告表示がなく、ユーザーエクスペリエンスを損なうことがないため、訪れる顧客に好印象を与えることができます。
オウンドメディアが注目されている背景
「オウンドメディアの重要性を多くの企業が認識し始めた」という他にもオウンドメディアが注目を集めているのには理由があります。
発信メディア構築の簡便化
従来と比較して考えてみると企業側が情報発信をするためのハードルは下がっています。レンタルサーバーを借りたり、ドメインを取得したり完全に自社保有のオウンドメディアの方がS E O対策なども含め自由度は高く展開が可能ではあります。しかし、無料で簡単にサイトやブログを制作ができるW E Bサービスが登場していたり、TwitterやFacebook、InstagramといったS N Sのアカウントを作成すれば情報発信は簡単になっています。
自社の商品・製品だけを紹介するようなものではなく、ユーザーにより有益な情報を届けるメディアとしての立ち位置を考えれば、サイトやブログを企業サイトとは別のものとして立ち上げ、そこを通して情報を発信すればユーザーからも偏った情報が発信されているメディアと見られずらくなるでしょう。
ユーザーのリテラシー向上による広告効果の低下
オウンドメディアが注目される理由の一つとして、ユーザー側のW E Bリテラシーの向上というポイントがあります。バナーやインフィード広告、S N S広告なども含め検索して表示される広告の情報がどのように表示されるのか?「広告」と小さく表示されているものについては最初から検索結果の対象と考えないようにしているユーザーも当然増加しています。
これによって、広告に対して積極的なアクションを起こすユーザー自体が減少しているとも言えます。情報を探しているユーザー自身が探している情報に、よっぽどマッチしているもので無い限り、以前と比べても広告効果は下がっていると言えるでしょう。
オウンドメディアを運用するデメリット
オウンドメディアを運用するデメリットは以下の3つです。
すぐに効果は出ない
高額な初期費用が発生する
運用にコストがかかる
オウンドメディアを作っても、すぐに効果は出ません。さらに高額な初期費用が発生し、運用に毎月コストがかかります。
すぐに効果は出ない
オウンドメディアを作ったとしても、サイトが上位表示されるまでの時間や、認知が拡大されるまでの時間、読者として定期的に訪問してくれるユーザー獲得までの時間などを考えると、すぐに効果が上がるものではありません。コンテンツを少しずつ蓄積することが大切です。更新の頻度にもよりますが、半年から1年ぐらいかけて、コツコツ続けましょう。
効果が出ないからといって、途中で更新するのをやめるのは禁物です。社内で更新する担当者を置き、1日に1回更新するなどの目標を定めて続けましょう。
高額な初期費用が発生する
オウンドメディアを外注で制作する場合、専門業者に依頼すると30∼100万円ぐらいの制作費用がかかります。WEBコンサルティング付きだと100万円単位で請求される場合もあります。
初期費用には、コンテンツ制作費や年間のドメイン費用、月々のサーバー費用がかかります。また、ECサイトを作る場合は、さらにショッピングカートのシステム費用、デザイン費用などが必要です。商品の見栄えは売り上げに影響するため、プロのカメラマンによる撮影費用、更新費用なども必須でしょう。
オウンドメディア立ち上げ時点で、全く記事数が無いと見栄えが良いものではありません。サイトの規模としてどの程度のものを目指すのかにもよりますが、定期的な投稿のストックなども含めて考えるのであれば立ち上げ時点で30程度の記事は作っておくとができれば、初期段階で10記事公開、その後週一更新とした場合半年程度の猶予を確保できます。
立ち上げ後、少しずつストックを使いつつ、新規作成の記事も増やしていくことができればある程度安定した頻度での更新が無理なくできるようになるでしょう。
運用にコストがかかる
運用コストは、毎月かかる費用です。WEB運用の参考価格は以下の通りです。あくまで参考価格のため、詳細は制作会社などにお問い合わせください。
サーバー代 | 月5,000∼150,000円 |
ドメイン代 | 月2,000∼8,000円 |
オリジナルEコマースサイト運営費 | 200万円~ |
メールマガジン運用システム | 月1,000∼3,000円 |
CMS使用料 | 月数千円~数万円 |
リスティング広告 | 月10,000円∼ |
WEBコンサルタント費用 | 月30,000円~ |
オウンドメディアを立ち上げる手順
オウンドメディアを立ち上げる手順は以下の流れです。
1. 目的を明確にする
サイトの目的を決めることが先決です。オウンドメディアにどのような効果を期待するのか?という点から考えていきましょう。商品やサービスを売る、資料請求の窓口を作る、採用に生かす、会社のブランディングなど目的はさまざまあります。1つの目的に絞りこむことで、ブレないオウンドメディアを構築できます。
2. サイトのコンセプトを設計する
誰に、何を提供するサイトなのかを決めることがコンセプト設計です。
商品やサービスの設計時点で想定していたペルソナやターゲットをそのままオウンドメディアに転用するのも良いでしょう。また、より広い層へのアピールやリーチを考えるのであれば、また違ったペルソナ・ターゲットを考えることも一つの方法。
また、ターゲット分析は、質的なリサーチやマーケットデータ分析などを通じて行われるとよいです。対象となる読者がどのような情報を求めているのかというポイントをより具体的に設計していくことが大切です。
市場における自らの立ち位置をより客観的な目線で考えながら、自社や自社が提供する商品・サービスの強みを巧みにアピールしながら、先ほど決めたペルソナが欲するような情報を提供できるのか?という部分を基本としてサイトコンセプトを決定していきます。
注意すべき点としては、ころころコンセプトが変わりすぎてしまうことは避けるべきということです。サイトコンセプトはある程度堅持しながら、一定期間は運用していくことが大切だということは念頭に置いておく必要があるでしょう。
3.ペルソナ(ターゲット)の設定
自社の商品やサービスが「どのような層をターゲットにしているか?」という点を想定しながら、読者となるであろうペルソナを細かに設定していきます。
年齢・性別・職業・家族構成・居住地域・趣味といった情報をより具体的に考えていくことによって、どのような情報を伝えていきたいのか、どのような情報が喜ばれるのかというのが自ずと見えてくるように。
場合によっては、複数のペルソナを設定してみることも、オウンドメディアの運営においては重要となります。
3. コンテンツマップを作成する
ウェブサイトに入れたいコンテンツを書きだしたものをコンテンツマップといいます。大きなカテゴリに分け、どのようなコンテンツをぶら下げていくかを図で示しながら、イメージを固めていきます。
どのような商品においても共通することですが、多くのユーザーはまず商品やサービスを「認知」することから始まります。そして顧客は興味が沸けば、より深く知りたいと感じ「情報の収集」を行います。集めた情報を基に、競合商品または類似している商品との「比較・検討」という段階を経て、最終的には「購買や消費」という行動に至ります。
各段階において、顧客がどのような情報を欲しているのか、そしてどのようなコンテンツを提供すれば喜ばれるか?という点については「カスタマージャーニーマップ」を作ることが有効です。
カスタマージャーニーについてさらに詳しい記事はこちら↓
『カスタマジャーニーとは?意味や作成方法をわかりやすく解説』
4. 必要な機能を検討する
コンテンツを更新する機能、SNSとの連携機能、会員登録機能、メルマガ自動配信機能など、オウンドメディアを拡散させたり、より魅力的なコンテンツにするために、必要な機能を検討します。
5. 制作方法を決定する
自社で制作するか、外部の専門業者に依頼するかを決めます。予算も時間もある場合は、一括して制作会社などにお任せする方法もあります。制作会社に任せる場合は、コミュニケーションを密にして、意図をきちんと伝えるのが大切です。
オウンドメディアを運用するコツ
オウンドメディアを運用するコツは主に以下の3つです。
定期的に更新する
コンテンツの更新ができていないと読者は興味をなくしてしまい、アクセス数が落ち、商品やサービスへの関心が薄れてしまいます。定期的に更新し、魅力的なコンテンツにすることがリピート率を増やすことにつながります。
どんなに長くても10〜2週間に1度、可能であれば週に1度程度は更新が必要です。より多くのユーザーを獲得したいのであれば、さらに頻度を高めた更新も求められます。
定期的な更新はもちろんのこと、質の高いコンテンツを継続して提供することが大切です。
顧客ニーズに応えたコンテンツを配信する
オウンドメディアは自社の商品やサービスに興味・関心を持つ、見込み客をターゲットにしています。顧客のニーズに応えていないコンテンツではそもそも集客ができませんし、仮にコンテンツを読みに訪問してくれたとしても興味は薄れ、いずれ読まなくなってしまいます。顧客ニーズに合ったコンテンツを配信しましょう。
S E O効果を最大化するためのコンテンツづくり
定期的なコンテンツ更新や、顧客ニーズに合ったコンテンツだけではS EO効果は限定的なものとなります。自社サービスやそれに関連する業界について、ユーザーがどのようなキーワードを用いて検索をしているのか?というのをまずはリサーチすることから始めていきましょう。
その際に便利なのが、Googleが検索の際に、検索窓に提示してくれる「サジェストキーワード」や、検索結果の画面最下部に表示する「関連ワード」です。前者は、特定のキーワードについて併せて検索されることが多いキーワードを提示しているもので、後者は自分の類似ユーザーが検索しているキーワードです。どちらも、検索の際に使われる語句の傾向を推測するには非常に便利なものとなりますので、表示されたワードをコンテンツ作成の際の参考にするのも良いでしょう。
「サジェストキーワード」や「関連ワード」以外にも、無料・有料を問わず提供されているキーワード分析ツールはW E Bサービスも含めてたくさん存在しています。競合他社や類似のコンテンツを提供しているメディアについても分析することでどのようなコンテンツがより検索エンジンから支持されるのかというのも参考にサイト作りをしていきましょう。
ユーザーに有益な情報を提供しながら、企業のブランドイメージを高め、検索エンジンにおいてもより良い結果を出すことが重要です。戦略的なコンテンツ配信には、テーマの設定、キーワードの選定、タイミングの分析など、様々な要素を考慮する必要があります
KPIを設定する
KPIとは、目標達成のために欠かせないもので、業績評価のための重要な指標のことです。オウンドメディアは短期間での結果を出すものではありません。毎月の目標となるPV数を決め、どのくらいの割合で記事を制作するかなど、半年から1年ぐらいの長期的なスパンで目標となる数字を設定することが大切です。
コンテンツを拡散する仕組みづくり
オウンドメディアでコンテンツを定期的に投稿していても、それがより多くの人の目に触れなければ効果は大きくなっていきません。そのために必要なことはやはり情報の拡散。そのために役立つのはX(旧Twitter)、Facebook、Instagramなどの各種S N Sです。オウンドメディアのプラットフォームとしてWordpressなどのC M Sを採用すれば、記事投稿と同時に各種S N Sに更新情報を自動投稿するシステムの構築も簡単にできます。
オウンドメディアのデザイン的ポイント
オウンドメディアをデザインする際、以下のようなポイントを押さえておくとよりユーザーが閲覧や利用がしやすいサイト作りにつながります。今回は3ポイントを紹介します
回遊性の向上
より多くの記事を目にしてもらったり、長時間サイトに滞在してもらうことは、さまざまな目標や指標を達成する上でプラスに働く可能性があります。記事の下部に新着の記事や関連記事の一覧をサムネイル付きで表示することや、同一カテゴリー、記事に含まれるキーワードに対応したタグなどの一覧ページを作成することによって、関連するコンテンツに興味・関心を持ったユーザーがサイト内を回遊しやすくする効果をえられます。
SNSボタンの設置
前項でも触れましたが、情報の拡散は重要なポイント。それは投稿する側だけではなく、読者にも気軽に拡散してもらえるような仕組みを用意しておくことが大切です。記事タイトルのすぐ下や、コンテンツの最下部にS N Sと連携できる「ツイート」や「いいね」などのボタンを設置しておくとよりスムーズになります。
また、これらのボタンを設置する場合にはO G P(Open Graph Protcol)の設定も忘れずにしておきましょう。O G Pが設定されることによって、S NSにオウンドメディアのU R Lが含まれた投稿がされた際、タイトルやディスクリプション、サムネイルなどをサイト管理者が指定したものにすることが可能です。
CTAの設置
これは「オウンドメディアにどのような効果を期待するのか?」にもよりますが、資料請求やホワイトペーパーのダウンロード、問い合わせの電話発信などユーザーにすぐアクションを起こして欲しいと考えているのであれば、Call To Action(行動喚起)をサイトに実装しておきましょう。P C であれば記事の下にバナーを設置したりやブラウザの端にバナーを表示しても良いでしょう。スマートフォンであれば、最下部に追従バナーがあればユーザーにはわかりやすくなります。
ただし、注意が必要なのはC T Aがある時点で、ユーザーからすると「オウンドメディア」というより「プロモーションサイト」としての認識が高まってしまう可能性はあります。
独立性や、中立性が求められるような商品のレビューなどのコンテンツを載せているサイトであれば、あからさまなC T Aがあるとユーザーが違和感や嫌悪感を覚える可能性もゼロではないのです。
まとめ
オウンドメディアは自社が所有するメディアの総称です。見込み客に対して、顧客ニーズに応えた情報を提供することで、顧客ロイヤリティを高める働きなどを持っています。オウンドメディアのコンテンツ選び、制作に関する悩みは、WEBの専門家が解決してくれます。
オウンドメディアの効果的な運用にあたっては、読み手となる既存顧客や潜在顧客が求めている情報をいかに有効に伝えることができるのか?という部分を意識した上でコンテンツを作成することが重要となります。
今後も多くのビジネスシーンでオウンドメディアの運用は注目されていくことが見込まれます。自社のコンテンツ発信の場としてオウンドメディアをうまく活用することで顧客とのタッチポイントして活躍するでしょう。
カッティングエッジ株式会社は、15年のWEBマーケティング経験で得たノウハウを提供するSEOコンサルティングです。鋭い槍(やり)のような研ぎ澄まされた感性で、WEB集客やWEB戦略をサポートします。オウンドメディアにお困りの方はご相談ください。
カッティングエッジ株式会社 代表取締役 竹田 四郎
WEBコンサルタント、SEOコンサルタント。WEBサイトの自然検索の最大化を得意とする。実績社数は3,000社を超える。
営業会社で苦労した経験より反響営業のモデルを得意とし、その理論を基に顧客を成功に導く。WEBサイトやキーワードの調査、分析、設計、ディレクションを得意とする。上級ウェブ解析士、提案型ウェブアナリスト、GAIQの資格を保有する。著書:コンテンツマーケティングは設計が9割